【映画の感想#22】感染列島
今の状況と似ている映画をAmazonプライムビデオで見つけたので、見てみることにした。新型インフルエンザが大流行して感染者が出始めたもののワクチンが効かず、ついに死者が出てしまう。そのうち原因は正体不明のウイルスである事が判明し、日本中で感染者、死者が大量に出てしまうパニックムービーである。
このウイルスは感染するとエボラ出血熱のように高熱、吐血などの症状に至るものの、感染範囲は日本国内である。この映画が制作された時に、まさか世界中でこんな状況に至るとは思ってもいなかっただろう。病院が患者であふれかえり、感染の検査に人が押しかけ、遺体を埋葬する場所も無くなる。映画の中で描かれているものが、普通にニュースに流れている今の状況は改めて非日常的なんだなと思わされた。
逆に言えばパニックに至る状況は結構リアルだ。それこそここ数ヶ月、経験してきた通りに映像化されている。映画の中では対策が見つかっても実施できるまでに時間がかかり、多くの人が亡くなり続けているので、感染者を増やさないためにも不要不急の外出とか三密には気を付けないといけないし、この状態がしばらく続くことを想定しなければいけないなと思った。今見るとなかなか勉強になることも多い映画だ。
ただしこの映画の評判は必ずしも良くない。正直ダメ出ししたいところがいくらでもある。役者は悪くないけど映像とシナリオが酷い。街がウイルスで萬栄して、病院はパンデミック状態なのに、主人公の医者は現場を離れるとマスクもせず防具服も着ないでフラフラと行動する。街が戦争中みたいに廃墟と化しているのもなんか違うし、何故かホテルは綺麗なままで普通に営業されているし。何となくゲームのバイオハザードを意識し過ぎじゃないかって思った。主人公のWHOから派遣された医者は傲慢過ぎてイラッとするし、やたらとラブストーリーを演出してそれはダメだろって行動をするし、とにかくリアリティが無いのだ。
内容がちゃんとしているだけに、残念さが目立ってしまう作品だけど、今見ておくと感慨深い作品だと思う。
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