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【スピンオフ】私の妻は元風俗嬢<外伝①>筆者がnoteから姿を消して2年、何があったのか-序章

 【最初から次回予告】
 筆者の妻は元風俗嬢でエロエロセクシーなミランダ・カーであり、筆者自身は大手企業に勤めるエリート窓際若手サラリーマン(元シュレッダー処理担当)である。今から2年前に連載していた「私の妻は元風俗嬢」というシリーズがバカみたいにウケて、ちょっと小銭まで稼いでいた。だが、突然、このネットの世界から姿を消したのであった。
 そこからも何もしていないのにフォロワーが微増したり、noteの仕様が変わっていたり、相互フォローしていた人が突然バズって筆者のフォローを取りやめるという事態が起きた。なにか書きたいと思っていたが、やる気も起きなかったので書いていなかった。
 だが、しかし、筆者は久しぶりに高橋ユキ氏「つけびの村」を再読していら、またnoteで好き勝手書きたくなってきた。いつか、バズってみたいという淡い夢を描いていたことを忘れていた。筆者はここに宣言する。また、連載を始めると。そして、自らの承認欲求をたぷたぷに満たし、「いやぁ、これからはネットの時代ですよ」と近所の総菜屋に偉そうに言うことをねんないの目標にしようと思う。

 さて、こちら外伝では、投稿が途絶えた後、何が起きたのかということを書いていきたい。筆者が精神的に参ってしまい、会社を休職するところまでを書く(現在は復帰している)。この病休期間中に、筆者はみるみる元気を取り戻し、ご飯をもりもり食べた。その結果、ありとあらゆる元気がわいてきた。巷間に言われる、ご飯モリモリ元気ピンピンマンとは筆者のことである。
 そして、この病休中に子育ても自分でやってみるとかなりシンドイ。で、「あーこれを一人でやっているとしたら大分しんどいなぁ」と骨身にしみた。そして、妻と共に子育てに取り組むにあたって、お互いに「おっ、こいつええやないか」となり、久しぶりにセックスをしたら、なんと”また”一発で妊娠した。
 こうして、病休中に、なぜか家族が一人増えるという極めて神秘的な事態が発生する。
 さらに、「というか、そもそもこんなに頑張って一軍に呼ばれないのであれば、もう一生一軍には上がれないだろうし、なんならダマされていたかもしれない」「むしろ会社なんかに自分の人生決められて、俺は本当に一人前のダッドになれるのか」などと考えだし、「もうこんな部署にはいられない。他のところに行かせてくれ。あと今まで散々使ってくれてサンキュー!ラブラブ愛している!(趣旨)」とマジでエライ人に直接言ったら死ぬほど左遷された。けど、その先に待っていたことは……
 ということをこれから書いていく。楽しみにしてほしい。あと、投げ銭を待っている。頼むぞ、富裕層たち。こちとら2年ぶりの復帰なんだ。

以下、本編

びっくりするくらい左遷させられていた。
 筆者がnoteを去って2年ほど経過していた。その期間、筆者には様々なことがあった。今までの投稿を読み返すと、「花形部署の一歩手前まできた」やのようなことを書いている。今、筆者がどこにいるかというと「出向手前の部署」にきている。
 何が起きたのか順を追って話したい。刮目してほしい。

妻は叫んだ。「殺すぞ」

 筆者はあれから、泣きバナナ(昔、黄色い服を着用してよく泣いていたことからそう呼ばれていた。長女)の育児に追われる妻からの罵詈雑言に耐えながら職務を全うしていた。元々、東京に配属された部署は花形部署のちょっとアレな担当(大企業あるある)だったわけだが、花形部署の花形の担当の一歩手前まできていた。わかりやすく言うと、一軍昇格手前の二軍のクリーンナップを打っていたのだ。
 筆者は毎日、コツコツと出塁を続けてきた。無論、仕事が万事上手く行っていたわけではない。だが、二軍も二軍なりによく打ち、走った。たまに良い当たりを見せつけるので、一軍の監督もちょいちょい視察に訪れては「うーん最近良い調子じゃないか」などと声をかけてくれていた。
 完全にその気になっていたのだ。家に帰ってくる度に、ノイローゼ気味の妻をたたき起こして(!)は、「今日はこんなことで褒められた」などと話しまくっていた。お小遣いを7万円程度要求しては、トラブルになっていたものの、この時までは割といろいろなことが上手くいっていたわけである。筆者の体重は増える一方だったが、それはまさしく「夢の重み」だったと言えよう。
 だが、ある日、ワイフがおかしなことを言い出す。
「マンションが真っ二つに割れるんじゃないか」「夜中に強盗に襲われて殺されるんじゃないか」--。
 筆者はそのような発言を軽快に江戸っ子らしくいなした。
「何を言っているんだい、ハニー。冗談はベッドの中だけにしてくれないか?おっと、これは失礼。ハニーはいつでもベッドの中ではシリアスだったね」
 
だが、これを境に妻の言動と行動は少しずつおかしくなっていく。
 ちょうど、この時期に泣きバナナ(めんどくさいので、以下長女)の離乳食が始まっていたのだ。筆者は「へーそうなんだ」程度にしか思っていなかった。何しろ頭の中は仕事でいっぱいだった。濃縮還元100%である。もう、どうしようもなく家庭のことなんて考えておらず、頭の中は仕事と仕事、あとちょっとパチンコであった。
 そこから1年半ほどたった時、妻がキレる。新型コロナウイルスの関係で外出が制限されていた時期だった。その時期にもかかわらず、筆者の仕事は多忙を極めた。毎日出社し、深夜まで帰ってこない夫、何をいっても泣き続ける長女、借金まみれの家計--……。いろんなことが重なり、とうとうこんな調子で筆者に迫る。
「いつまで仕事してんだ!殺すぞ!」
 筆者は事の重大性を認識し、そこから早く帰るようにする。すると、二軍でもどんどん打順が下がっていくことが分かる。成果は上がっていたつもりだった。早く帰る分だけ、朝早く仕事をして日中の精度は上がっている。ただ、早く帰っているだけでどんどん打順は下がった。

 そして、とうとう仕事でミスが起きた。

 今考えれば些末なことである。でも、それでも、一軍がどんどん遠ざかっていた筆者にとっては耐えがたいことであった。
 
 その報告書にはこう書かれた。

 「社員は育児ノイローゼの妻の看護のために仕事を早めに切り上げていたが、このことによって確認作業が不十分であった」

 その日から、記憶がほとんどなくなった。病院を受診した。

「抑鬱症状を認める」

 筆者は会社を休んだ。そして、妻にこういった。「もうダメです。終わりました」。妻はこういった。「ごめんね」

 1ヶ月半の病休を取ることになった。


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