補助者は謙虚に(自戒)

私は行政書士試験の後、すぐ開業するかどうかわからないけど、とりあえず今後やる業務内容は決まっていました。
会社員時代の勤務先が外資の日本法人であったし、夫が外国人であり、経営者でもあったので、外国人や経営者の支援をするのが自然な流れかなと。

行政書士試験後、結果が出る前に先生と受講生の飲み会がありました。そこで先生に自己採点の点数をきかれ、おそらく180点には届いているだろうことを話したところ、じゃあという事で、「実は入管業務をやっている先輩のところで補助者募集してる」ということで先輩の事務所を紹介してくれました。

行政書士事務所の求人はかなり少ないので、補助者をやらせてもらえるなんて、とてもありがたい話です。
話を聞いてみると、その事務所は私より1年前の合格者の先輩補助者もいるとのこと。

ボスはとても忙しく、ほとんど事務所にいる時間がなく、夜は頻繁に徹夜で仕事をされている方でした。出勤すると大体いつもその日にやる業務を書き置きをされており、それを先輩補助者と一緒に行っていました。

最初は先輩補助者とも仲良くやっていました。
しかししばらく続けると、これは外出しなくてもオンラインで済むのでは?情報共有アプリなど使えばもっとスムーズなのでは?と思う業務が増えてきました。
そして大変失礼ながら「補助者2人も必要なのかな?」とも感じ始めていました。

今思うと、仕事内容が複雑なので、知識も経験もない試験を受けたばかりの人にやらせる仕事がなかなか見つからない、というだけだったのかなとも思います。

ボスは仕事の実績は本当に素晴らしい方で、お客様からの信頼は絶大でした。人格的にもとても尊敬出来る方です。

でも私は黙ってやればいいものを、どうにも落ち着くかなくて、これはオンラインでいいのでは?アプリとか入れればいいのでは?こういうのもありますよと、ある意味ボスのこれまでの仕事のやり方を否定するようなことをつい言ってしまいました。

そんな事があって、また、ボスがいない時に先輩補助者に言った言葉が私の意図と違う形で否定的にボスに伝わったりする事があり、ボスからの評価がどんどん悪くなっているのを感じるようになりました。

そして3ヶ月経った頃、ついに「契約満了で更新無しにさせて欲しい。自分の指導がうまくいかず申し訳なかった」とボスに言われました。また「chanomiさんは自分の力で切り拓いて行けると思う。早めに開業登録したほうがいいのでは」とも言われました。

有期契約だから期間満了の退職ですが、実質クビです。生意気で使い辛い奴だったと思います。

今思い出すと、何もわからないのに私はボスに対してなんて失礼だったのだろうかと、恥ずかしいばかりです。
本音を言うと、ボスに対して段々とリスペクトが足りなくなっていたのだと思います。
ボスや先輩補助者から学ぶことは、まだまだたくさんあったにも関わらず、自分からチャンスを潰してしまったのです。

同時に、薄々自分もわかっていた気がするのですが、雇われて働くのがやっぱりもうダメなのかなとも思いはじめました。

そして2ヶ月後、元ボスのアドバイス通り、行政書士登録をし、開業して今に至ります。

今でもついお客様に対して余計なアドバイスをしてしまいそうになりますし、実際にやってしまったこともあります。
しかし、補助者時代の事を思い出して、自分を戒めています。

今でもたまに、夫の会社に勢いの良い(悪く言えば生意気な)新人が入ってくると、なんか懐かしい気持ちになったりもします。

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