ついにTシャツになった!写真家ソール・ライターについて
ユニクロの“UTコレクション”に、写真家ソール・ライターのシリーズが登場しました。
どれもかっこいい・・・!
悩みましたが、夏の私は白Tシャツをジャストサイズで着てさわやかに過ごしたい気分だったので、左側の2枚を、Sサイズで購入しました!
・・・という買い物報告ではなく、今回は、UTにもなった写真家ソール・ライターについて紹介したいと思います。
とは言え、ソール・ライターについては和樂Webでも、文化事業室のnoteでも紹介していますので、そちらをご覧いただいた方が分かりやすいかも。
このnoteのモットーは「編集者いそ貝による超個人的記録」ですので、写真レベルがとっても低い(観るのも撮るのも)編集者いそ貝が、レベルが低いなりに学んで「へぇ~!」と思ったことをつらつらと書いていきます。
「カラー写真の先駆者」ってどういうこと?
ソール・ライターを紹介するときによく用いられるのが「カラー写真の先駆者」「カラー写真のパイオニア」という言葉。
なんとなくサラッと読み流してしまいそうですが、ちょっと待って。
ソール・ライターが生まれたのは1923年。ソール・ライターのカラー写真の作品集が刊行され、世界中で話題になったのが2006年。1986年生まれの私にとっては、生まれたときから写真はカラーが当たり前という感覚。
カラー写真の先駆者って一体いつの時代のできごとを指しているのでしょう?
カラー写真の個展が初めてMOMAで開催されたのは1976年!
写真史を調べてみると、MOMA(ニューヨーク近代美術館)が正式に写真部門を新設したのが1940年。世界で初めて、美術館に設立された写真専門の部門です。そのMOMAで初めてカラー写真の個展が開催されたのは1976年のことでした(ウィリアム・エグルストンのカラー写真展〈Photographs by William Eggleston〉展)。
1976年、昭和51年・・・、思ったより最近だと思いませんか?
つい46年前にカラー写真が芸術作品としての地位を築きはじめたなんて。「江戸時代って最後の方はたったの150年前で結構最近じゃないか!」と思ってましたが、それに比べれば46年前なんてつい先日のことのようです(言い過ぎ?)。
ソール・ライターの活動年譜によると、カラー写真を撮影し始めたのは1948年頃。以降、コツコツとニューヨークの街並みを撮影し続けました。
なるほど、ソール・ライターが写真集の発売によって世界中の注目を集めるのは2006年まで待たなくてはならないですが、「カラー写真の先駆者」とは、1940年代後半からカラー写真を撮り続けてきたことを指して言うのですね。
レジェンド体質、ソール・ライター
ファッション・フォトグラファーとして華々しく活躍しながら、突如隠遁生活に入る。一時期は名前も忘れられていたのに、80代で再び脚光を浴びる。40年以上寄り添ったパートナー、ソームズ・パントリーの存在。ソール・ライターの人生や遺した写真は、さまざまなエピソードにあふれています。「ニューヨークが生んだ伝説の写真家」というのもまたソール・ライターを紹介する言葉としてよく使われるように、何かと伝説を生み出す体質である、ような気がします。
ニューヨークの片隅で写真を撮り続け、ドイツの出版社で作品集が刊行され、日本でTシャツになったソール・ライター。
これからも新たな伝説が生まれていくのではないかと、密かに期待しています。