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映画「推しの子」が教えてくれる〈人間の立ち上がる力〉と〈この瞬間を生きる大切さ〉
推しの子の映画を見てきました(実は2回目)
アニメを見始めた時は、オタクの私からすると「推しの子に転生する」なんて「♫ポップ~最高じゃん☆」って印象だったのですが
映画を見終わる頃には、人生において大切なことを教えてくれる作品になりました。
「是非これはカウンセラーとしても伝えたい!!!」という要素が詰まった作品だったのでシェアしていきます。
推しの子ファンもそうでない方もよろしければどうぞ。
(※ネタばれ含みます)
1.みんなそれぞれにしんどい想いを抱えている
推しの子は、ずばりアイドルが一つのテーマなので、華やかな芸能界が舞台。
そこにいるアイドル、女優、俳優、監督、ディレクター、、、
いろんな立場の人が出てくる。
華やかな世界の裏にある過酷さもリアルに描かれていた。(こんなにリアルに描いて大丈夫か?と思うほどに。)
原菜乃華ちゃん演じる有馬かなは、かつて天才子役と呼ばれていたが、成長と共に仕事も減っていく姿が描かれていた。
まだまだ少女である彼女が大人の世界で、心を削られていく。
それでも、B小町として、アイドルをするときは笑顔。
女優として、演技をするときは求められた完璧なものを。
作中の成田凌のセリフでもあるが、「オタクってワガママだなぁ」と本当に思う。
アイドルが表の顔として見せてくれている姿をついつい信じてしまう。
だけど、やっぱり裏でそれなりに(いや、普通の世界で生きるよりもかなり過酷に)しんどい想いをしている訳だ。
心がしんどい時は、どうしても「なんで私だけ…」と思ってしまいがちだが、表舞台で輝く人たちも、実は苦しんでいたりする。
その事実は、なんとなくどこかで知っているのに、しんどい時は自分だけが地獄の底を這いずり回っているような感覚になってしまう。それだけつらいから当たり前なのだけど。
2.人間には立ち上がる力がある
みんなそれぞれにどん底を経験したとしても、立ち上がる力がある。
これが「映画・推しの子」のメインメッセージだと感じた。
言語化するとかなりエグいけど、めちゃくちゃたくさんの人が死んでいるこの作品。
ルビーたん(齊藤 なぎさちゃん(鬼可愛かった))なんて、お母さん、推し、お兄ちゃん、好きだった人、お父さん。こんだけ多くの人を亡くす経験をしている。
ここまで、殺さなくていいじゃんね~~??と悲しくもなった訳だけど、ルビーはちゃんと前を向いて、自分の夢を叶えるところまで最後描いてくれたから救われた。
どれだけ、悲しいことが起きたとしても、人間は立ち上がれるんだ。大丈夫。
そんなメッセージを、身を削ってリアルに訴えてくれる作品だったように思う。
3.この瞬間を生きる
書いててもつらくなるくらい、もう、めちゃくちゃヘビーなんだよ。この作品。
最終的には、二宮和也氏がサイコパス殺人鬼だった、というオチ。
アイドルがテーマの作品を、国民的アイドルが〆る。最高かよ。(元嵐担の私にはいろんなものが刺さりました)
推しの子に転生とか、キラキラ王道アイドルとかで、なんかポップに見えてしまうけど、重た過ぎた。。。
そう、重たいのに、後味が悪くないのは、なんで?って考えると…
①メッセージ性が美しい
②キャラクター全員が一生懸命に生きている
この2つに尽きる。
人が亡くなっていく、それぞれに悲しい過去を抱えている。
そんな中で、キャラクター全員が葛藤しながらも、前へ進んでいく。
・たくさん大切な人を亡くしながら、いつも明るかったルビー。
・最初は復讐に生きていたのに、自分の幸せを見つけようとしていたアクア。
・所属アイドルの死・夫の逃亡もありながら、ルビーとアクアを育て、事務所を支えたみやこさん。(吉田鋼太郎をハグした時も泣いた(TT))
・天才子役から一転した人生、それでもひたむきに仕事を続けて、本当は優しい有馬かな。
・やっと夢を追えるようになったのに、お姉さん的存在としてずっとみんなを支えていためむちょ。
・誹謗中傷にも耐えて、圧倒的努力と天才的な存在感で、圧巻した黒川あかね。
・生い立ちから悲しい過去があって、人を信頼できなかったけれど、我が子は愛していたアイ。
つらい時期も、たくさん悲しみと向き合い、涙さえ糧にして。
悲しみを感じられる瞬間も、動けないほど、止まってしまう時も、この瞬間は今しかない。この瞬間を、必死に生きて、前を向き続ける。
そんな過程をずっと見てきたから。エンディングはもうぼろ泣きですよ。(隣の女の子もめちゃくちゃ泣いていた。笑)
もうね、天才なんよ。SHINING SONG作った人。
ここまで、作中の描写を描ける歌、ズルくない?????
大きなものを無くして
辛い夜もあるけど
空見上げたら
いつも星が救ってくれる気がした
この瞬間を生きる
どこでも光照らす
最高のステージさ
一番星がいつも私を導くよ
さあ行こう未来へ
愛を胸に 前向いて進むよ
涙さえ糧にして 歩いて行こう
正直、この曲がこの作品をここまで押し上げたと言っても過言ではないと思う。それくらいに最高。いろんな感情を開放させてくれる、大切な1曲に出会えた。
みなさんも是非、これだけ見てほしい。お願い、見て。笑
私も、この瞬間を必死に生きていきたい。
生きていれば「もう無理だ」そう想う瞬間も、前を向けない時だって、訪れる。
それでも、この瞬間を生きよう。
きっと、未来へ続いていくから。
この教えは、フィクションじゃない。
人生は短いから、悔いのないよう歩いて行こう。