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マスコミが取り上げない"もうひとつのドヤ街" 再開発でホームレス"全員立ち退き"も…横浜スタジアム周辺で実際に見たリアル

昨年、大阪のあいりん地区で野宿者の立ち退きを目的とした強制執行が地裁によって行われ、大きな波紋を呼んだ。
その一方で、テレビでは全く取り上げられることの無い、「もうひとつのドヤ街」がある。神奈川県横浜市関内駅近くの、寿町だ。
筆者は1月、その現状を知るべく、神奈川へと向かった。YouTubeでも描ききれない現状とは。

(おことわり)写真や映像込みでの配信を考えてましたが、交渉の結果、撮影はNGでした。理由としては、
事情を抱えていて寿町にいることを知られたくない(前科者に対する誹謗中傷や攻撃からプライバシーや人権を守るため(ネットによる中傷や特定が問題となってる)。
ボランティアに行ってることを親や家族に知られたくない(実態もわからず偏見を並べている、過干渉な親や家族から個人の行動の自由を守るため)。
上記の理由からこの記事は、文章のみで配信します。

寿町に行こうと決めた理由 

今回、筆者が所属する労働組合の会合で神奈川へ行くことになった。その時、組合に所属の男性(今回の同行者)から「ドヤ街、見てみる??」と言われたのがきっかけだった。

以前筆者は、北海道のとある民放テレビ局の報道局で働いていた。

退社してから5年経ったが、今も昼と夕方のニュースのザッピングは欠かさない。

そんな中、近年、ドヤ街の1つである大阪の西成のあいりん地区が取り上げられることが多い。その一方で、同じドヤ街である寿町の現状は、各メディアが報じて来なかった。
先述の理由からか、寿公園にはこのような張り紙があった。「撮影・録音禁止」。今回も撮影はしないという条件で、訪れた。
しかし、取り上げられないからこそ、自分の目で見て、確かめてまとめるべきだ…という思いに至った。

"ドヤ街"実は神奈川にも存在した

先月、神奈川県の関内近くの寿町へ足を踏み入れた。通称「神奈川のドヤ街」だ。
ドヤ街といえば、大阪・西成のあいりん地区のイメージが強いのだが、実は、中華街や、横浜スタジアム、ベイエリアから徒歩圏内のところにも、ドヤ街が存在する。

「ドヤ街って??」という方のために、意味をここでおさらいする。

ドヤ街とは、日雇い労働者が多く住む簡易宿所が立ち並ぶ地域を指す俗称です。

GoogleAIによる翻訳

ドヤ街とは、「宿」の逆さ言葉から来ている。

前科持ちに精神疾患…住んでる人たちは多種多様

23日金曜日、白昼の関内駅に降り立った。すると、横浜スタジアムの最寄り駅ということで、昨年日本一を奪還した横浜DeNAベイスターズの優勝記念ディスプレイが掲示されていた。

そこから歩いて約10分。神奈川のドヤ街・寿町に着いた。毎週金曜日、寿公園では炊き出しが行われていて、生活困窮者にとっての「一筋の光」だ。

同行者は「前科者、精神的に"見えない障害"を抱えた人達が大挙集まるエリアだ」と話す。

寿町には、路上で寝転がり、住人と肩を寄せ合って話をしている人や、独り言を言いながら歩いたり、カップ酒を片手に歩いてる人も居た。

古びた建物が並ぶところに突如現れた"高層マンション"

そんな寿町は、築40年を超える建物が大半であるが、その一方で、寿公園の目と鼻の先に、黒い高層マンションが突如現れたのは2〜3年前だ。
生活困窮者が多く住む街なのにも関わらず、このエリアでは突出して、高めの家賃設定なのだ。家賃だけでも7万円程だという。生活保護の受給者が多く住むエリアだが、保護費でも足りない額だ。
それが災いしてか、2部屋しか入居者が居ないという。筆者からしたら何か裏があるとしか思えない…そう感じた。

オフシーズンの居場所なのに…再開発で"追い出し"の憂き目

昨年25年振りの日本一奪還に沸いた、横浜スタジアム。野球シーズンが終わると、ホームレスが複数人居て、筆者が見た際にも、実際に2人のホームレスの姿があった。

しかし、関内エリアの再開発等に伴い、以前居たホームレスの人達は、立ち退きを余儀なくされたという。

同行者は「以前と比べ立ち退きの影響からか、横スタに居るホームレスは減った」と話していた。再開発などで、行き場を失ったホームレスが立ち退きに合うのは良くないと、警鐘を鳴らした。 

実際に"ドヤ街"を見て

今までテレビでしかその現状を見てこなかったが、今回実際に見て感じたことは、「過去に色々あった人たちも、今精神的に辛い人も、世代を超えて、共にひたむきに生きている」ということを思った。
筆者も実際に適応障害・うつを抱えて日々を生きているので、同情せずにはいられなかった。

「YouTube」でしか取り上げられない寿町の"リアル"

テレビでは全く取り上げられないが、YouTubeで配信されることが多い。だが今回の同行者は「実際の寿町とYouTubeでの寿町の映像は乖離がある」という。

「YouTubeは盛りすぎてるというか、偏向が激しい。だから事前に動画を大量に見ないように」
ーと忠告があった。実際に見たらその言葉は確信に変わっていった。

その一方、寿町のリアルを如実に描いてるYouTubeチャンネルがある。

「反骨TV〜ドキュメンタリー〜」だ。

これまでに配信されている動画は全て、寿町で撮影したものだ。実際に寿町に住んでいる市民へのインタビューを中心に構成されている。

タブーに真っ向から挑んでるチャンネルだと筆者は感じた。
その一方で、テレビやマスコミは何故寿町の現実から目を背けるのだろうか…映像無しでも良いから、「ペン取材」でも良いから取り上げる必要性があるのでは…と心から思った。

関東有数の港町・神奈川にある"ドヤ街"寿町。
今日も、一筋の光や希望を求め、皆、懸命に生きている。

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