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【分解・理解】アギルダー徹底考察&デッキレシピ

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アモーレ。(愛しい人)
CHANGと申します。

レギュレーションIのカードが登場し、ついにG・H・Iの新レギュレーションが始まりました。
Iマークのつく最初のパック「バトルパートナーズ」のカードが公開されましたが、新登場のアギルダーがドチャくそ性癖ぶっ刺さりカードでしたので、今回はその考察をしていきたいと思います。

ちなみに「性癖」ってセクシャルなだけの意味じゃないらしいので、今後も胸を張って使っていこうと思います。TPO。

wikipedia

■アギルダーとは

ニンジャをモチーフにしたからぬけポケモン、アギルダー。
毒を撒き散らしているイラストからは想像もつきませんが、実は毒タイプではなく虫タイプです。
その全ポケモン中トップクラスの素早さを誇り、伝説ポケモンを除くとレジエレキ、マルマインの次に速い種族値145。そのためか、ポケモンカードでは逃げるコスト0−1にされがちです。ぜんぶ0でいいだろ。
ちなみにパルデア地方には存在しません

□基本スペック

紙耐久、搦め手タイプ

耐久面についてはほぼ言及しないことにしますが、
実はアギルダー史上最大のHPです。
しかし昨今の環境では、攻撃されたらほぼ気絶する、と思って良いでしょう。
反面、進化前のチョボマキがギリギリHPが70あるのでそこはOK。

ワザと逃げるはないに等しい

進化前スペック、タイプ、HP等の数値面より、肝心のワザが本アギルダーのすべてと言えるので、そちらに言及することにします。

■ワザ【うつせみポイズン】について

アギルダーの唯一にして特徴的なワザ【うつせみポイズン】について分解、言語化していこうと思います。

声に出して言いたいワザ名トップクラス

まず「うつせみ」とはおそらく「空蝉」を指していて、もともとの意味は「カラを抜けたセミ」というもの。ここからニンジャがよくマンガなどで使う「空蝉の術」になぞらえてつけたものだと思われます。

ちなみに「変わり身の術」と誤解されやすいのですが、こちらは丸太や何かと一瞬で入れ替わるもので、「空蝉の術」は抜けたカラのイメージと同じく遠くに自分がいるように見せながら身を隠す、といった術になります。
※諸説あり

===========
ワザの構成として、以下の要素に分解されます。

●2エネ
●草と無
●70ダメージ
●相手をどくとこんらん状態に
●自分をベンチポケモンと必ず入れ替える

□ワザコスト

草と無の2エネを要します。
つまり、何か工夫をしないとワザを使うまで2ターンかかってしまいます。
チョボマキもアギルダーも低耐久のポケモンなので、1エネつけた段階で攻撃されたらきぜつ。つまり1ターンのエネ権利をまま失います。

●方法1 サポートによる加速
幸い草と無なので、アカマツに対応。
他のエネルギーと組ませることで即起動は可能です。
他にメロコやオモダカ、サカキのカリスマなどがあります。

●方法2 特性による加速
草タイプのエネルギー加速手段はカミツオロチexやオーガポンみどりのめんex(からエネルギーつけかえ)などがあります。
が、2進化であったりグッズが必要だったりという形で少し工夫が必要そうです。

●方法3 条件つきカードによる加速
カウンター効果を使うパターンです。
具体的にはカウンターゲインやリバーサルエネルギー。
サイドが負けていることが条件ですから、それを実現する場合スボミーとの組み合わせはどうでしょう。
時間も稼げて一石二鳥です。

□ダメージと特殊状態

まず70ダメージを与えた上に毒と混乱状態にします。
2エネ70ダメージというのは、昨今のダメージラインからしても決して高くない数字であり、毒と合わせて80−90ダメージ。
1進化をようやく倒せるかといったところです。
しかし、追加の混乱というのがかなり強い部分。

混乱というのは
・ワザを使うときにコイントスが必要(失敗すると自傷30)
・逃げることはできる
・自然には治らない

という3つの特徴があり、近いマヒと大きく異なる点は
「ワザを使える可能性がある」
ということです。
つまり、ワザのコイントスさえ成功すれば何も無い状態と同じ、相手はその選択をするかどうか迷わせることができるのです。
まあ50%なのでオモテが出る可能性は往々にしてありますけどね。

ところが不確定要素はなるべく排除したいのがカードゲーマーです。
「逃げることはできる」ために、多くのプレイヤーは混乱状態解除のために「逃げる」を選択します。
これ自体は全うなプレイングではあるのですが、これは混乱を与えた側からすれば「アタッカーを退けた」「アタッカーのエネルギーを削った」「アタッカーを戻すために再度何かのカードを使わせることができた」といったリソース削りが達成できたことになります。
つまり、毎ターン混乱を付与することは、間接的にエネルギー破壊ができると置き換えられるのです。

□交代効果

さらに、空蝉には自分のベンチと交代させる効果があります。
残念ながら任意ではなく強制なので、常にベンチにアギルダーの代わりに攻撃を受けるポケモンを用意しなくてはいけません。
そして、もちろんこの効果はメリットと考えて構築すべきでしょう。

主に、こういった効果を活かすときには以下のような分類に分けられます。

大別した場合ね

●バリア系
指定の攻撃を受けないタイプのポケモンです。
G以降のレギュレーションにおいては、
・ミミッキュ(ex)
・ミロカロス(テラスタル)
・オーガポンいしづえのめん(特性持ち)
などが挙げられます。
テラスタル=exポケモンの一部なので、HP等を度外視した特性だけ見ると、ミミッキュはミロカロスの上位互換となります。

●妨害系
相手の行動の一部を停止させる、妨害する効果がこちらに当たります。
必ずしもバトル場限定である必要はありませんが、強力であるがゆえの制限としてバトル場にいる必要があることが多いです。また、アギルダーを使って出すメリットを考えるとその強力な特性を使えるのはとても有用でしょう。
・クレッフィ(たね特性停止)
・バンギラス(グッズ使用禁止)
・ハバタクカミ(バトル場特性停止)
・ダイオウドウ(スタジアム使用禁止)
・テツノイバラex(未来以外のルール持ち特性停止)
などが挙げられます。
ただ、アギルダーを連続使用したい関係上、きちんと次のターンに逃がす必要があり、場合によってはラティアスexの恩恵を受けられません。その場合、クレッフィであれば緊急ボード、テツノイバラであればポケモンいれかえなどが必要になります。

●限定能力系
バトル場でのみ効果を発揮する、バリアや妨害を除くポケモンです。
シャリタツやボルケニオンexなどが該当しますが、これらがあえて一度攻撃を受けることのメリットはあまりありません。
よくポケモンがきぜつした際のいわゆる「死に出し」で出されることが多いです。
この場合、有効な効果を発揮するのは
・モモワロウ(毒のダメカンを5つ増やす)
・キラフロルex(相手のベンチを3つに減らす)
などでしょう。

これらの中から環境に応じてパートナーを選んでいく必要があるわけですが、それらは後述するデッキレシピにて紹介したいと思います。

□競合比較

「このポケモンをベンチポケモンといれかえる」
という効果を持つポケモンは、アギルダー以外にも存在します。
それぞれ進化段階やエネルギーコスト、タイプなど異なるため単純比較はできませんが、「ではなぜアギルダーを使うのか」という観点で、これらの分解は非常に重要となります。

●グソクムシャex

ダブルターボがあればなあ

同じ1進化ではありますが、ex=サイドを2枚取られるポケモンです。
しかし、引っ込むという関係上このリスクは緩和できています。
エネルギーコストが多く、しかもトラッシュするデメリットつきなので起動までの難易度は高めですが、水エネを要することでセグレイブやアカマツの恩恵を受けることができます。
170という大きな打点が特徴で、2回使えば相手を倒すことができます
ここがアギルダーにとって大きな課題。70+何かで3−4ターンごちゃごちゃしてる間にグソクムシャは華麗に2ターンで倒し切ります。

●フライゴンex

下ワザも魅力的

2進化である代わりに、エネルギーコストが1つとなります。
ここがアギルダーとの競合点で、
・1進化で2エネ(4枚)
・2進化で1エネ(4枚)
のどちらが良いかと考えるのはそれぞれです。
反面、2進化した割に打点が低く130のみとなり、2回使っても昨今の1進化HPラインである270以上を倒せない点は賛否両論かと思います。
ただし、テラスタルポケモンであるためにベンチに引っ込む利点が大きく、ベンチ攻撃を受けません。

●アリゲイツ(オーダイル)

パンプできるのはえらい

本来ただの30ダメージ入れ替えワザは取り上げないのですが、進化先のオーダイルが特性「トレントハート」を使い、ジーランスの「きおくにもぐる」が起動している場合は威力が150の入れ替えワザになります。
条件は厳しいものの、サイド1のポケモンが中打点入れ替えできるだけでなく、その他のロックや大打点ワザも使い分けられるのは大きなポイントです。
とはいえ、オーダイルを使う場合これをメインにする構築はそう多くはないでしょう。

●アギルダー

あらためて

さてここで、改めてアギルダーの性能を見てみましょう。
サイド1枚の1進化という点では非常に優秀ですが、2エネ起動という点が若干難易度を上げています。打点も他と比べて半分しかありません。つまり、2倍の攻撃数が必要になります。
ただし、それを実現するために混乱という妨害と、打点アップの毒があります。
ほかと比べると、「試行回数は必要だがお茶を濁す性能が高い」と言語化することができます。

以上を踏まえて、比較表を出してみます。

ふうむ

それぞれの特徴を元に、最も評価が高いものに◯をつけました。
「耐久」の部分は、サイド1枚あたりの耐久数値を見るとオーダイル(アリゲイツ)が最も高くなります。
注目すべきは、「起動枚数」と「最低起動ターン」です。
これらは何かしらのサポートを得ず、まま進化し、エネルギーをつけた場合を想定していますが、この中で唯一2ターンで起動できるのはアギルダーのみです。(もちろん、実際のフライゴンはふしぎなアメで2ターン起動ができます)
こういった観点で比較するのも面白いかと思います。
アギルダーが最も強いとは言っていませんが、毒混乱を付与するという点は贔屓目抜きでも強力だと感じています。

□攻撃力

では、うつせみポイズンを使うにあたり具体的なダメージ量はどれくらいが適正なのでしょうか。
幸いうつせみポイズンには毒付与効果があるので、アギルダーのダメージをアップするには以下の手段が考えられます。
・モモワロウ「もうどくしはい」
・くさりもち(アギルダーも毒にする必要がある)
・各種ハチマキ
・危険な密林

それらを用いたダメージ表はこちらとなります。

なんやかんやでまあまあ出る

現代ポケカにおける中打点とは160ないし170ですから、こちらの表の赤もしくは緑を目指していけば環境についていけると言っても良いでしょう。
アラブルタケ+ブーストエナジー+くさりもちのコンボは強力ですし僕も大好きですが、それら最低6枚以上と使って40追加というのは、空きスロットとの相談になるでしょう。
ただし、壁をモモワロウにせずにミミッキュ等にする場合はくさりもちや密林が活きてきます。
結局ケースバイケースですが、「何に対してどれくらいダメージを出したいか」を想定して構築、それをコントロールできるのはとても面白い性能だと思っています。

□うつせみポイズンまとめ

毒と混乱を付与し、1ターン以上相手に無駄を発生させられる、または毒のスリップダメージを増やしたり往復を調整できるならアギルダー、
そうでなければフライゴンやグソクムシャ等で良い
、という結論になります。
壁とするポケモンに差があるとすればモモワロウの有無くらいです。

■サンプルデッキレシピ

ここでは、アギルダーを使ったデッキのプロトタイプを挙げていきます。
実際に僕が使うレシピとは違うことが多いですが、
要するに何をしたいかは汲み取っていただけるかと思います。

□毒パンプ型

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序盤をスボミーで展開し、中盤からアギルダーが起動してモモワロウで毒パンプするデッキ。スボミーと毒パンプは相性が良く、スボミーを出す前に毒にして交代することで、危険な密林の効果で3倍毒むずむずかふんで往復70を出すことができる。スボミーが倒れたらモモワロウを出せば往復120になる。
モモワロウがぽんぽん倒されていくのでキチキギスexがとても使いやすい。
また、アカマツやゲイン起動からのモモワロウのポイズンサークルルートも覚えておくととても役立つ。

□バリアバレット型

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ミミッキュを中心とした攻撃をシャットアウト、または妨害を主とした形。
オーガポンいしずえのめんがテラスタルポケモンなので、ゼロの大空洞と共存できる
クレッフィによるラティアスセルフロックが厳しい盤面もあるためポケモン入れ替えとサーファーを採用。それにより、同時にマニューラの特性「アサルトハント」によるたねポケモン呼び出しを目論む。
一応うつせみポイズン後にマニューラを出してアサルトハントをすることは可能だが、全く意味はない
基本はミミッキュとオーガポンを使い分けて戦う。
毒混乱を活かさないと、ただミミッキュやオーガポンが殴ったほうが強かったりするので、その点を意識した構築にしたい。

□混乱グッズロック型

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混乱を解除するには入れ替えが有用ですが、それらを円滑に進めるためのグッズをバンギラスで止めてしまう型。
日の目を浴びなかったおおきなふうせんがようやく使えるときが来た感があるが、実際はバンギラスが殴ったほうが早い
なのでアギルダーはバンギラスがすぐ倒せない相手に混乱をばらまくといった役割となる。
スボミーでグッズロック→バンギラスでロックの流れにしたいため、実際構築するためには少しでも早くバンギラスを立てるためにふしぎなアメも2−3枚採用したい。

■進化? 退化? アギルダー

アギルダーのワザうつせみポイズンは、単に強いワザというよりも盤面にほんのり嫌な空気を漂わせるテクニカルな補助技といったイメージです。
だからこそ今後も様々な特性が出ることで強化されることもあるかもしれませんし、逆にこのまま影を潜めて消えていってしまうかもしれません。

しかし久々にアギルダーらしいワザが出て個人的には大興奮しているので、なんとか使い続ける道を模索していきたいところ。

ちなみに僕はBW時代に登場したアギルダーを現在でも使い続けており、「シノビロック」と名付けてかれこれ10年以上同じデッキで現エクストラを戦っています。

「なぐってドロン」って最悪のワザ名だよね

良ければ構築記事もあるので読んでみてくださいまし。

今思うと、今回のアギルダーも1エネワザを持っていたら評価が変わっていたように思えます。
まあ、なんやかんや使っていこうと思うので、皆さんの何かの参考になれば幸いですし、たぶんなさなそうな気がします。

それでは、引き続き良いポケカライフを。
ドロン!!

※本記事はポケモンカード公式ホームページから画像を引用させていただいております。

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