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【SV以降】ロックポケモン大かいぼう図鑑_231106(240217更新)

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アモーレ!(愛しい人)
CHANGと申します。

ポケモンカードはポケモンをぶつけ合う戦い。
相性・戦術などを駆使し、正々堂々数字をぶつけ合う。それがポケモンバトルというものです。まあそれはそれとして、相手のできることを止めてイヤガラセして勝ちのもオツなもんじゃないの、というのが「ロック(LOCK、動けなくする)」戦術というものでして、その話をしたいと思います。

ちなみに「ロックなんてポケカらしくない!!」なんて言葉も定期的に耳にしますが、ロックするカードなんてのは97年に発売のポケモンカード第3弾「化石の秘密」より存在していて、環境でも多少なりとも活躍していたわけで。ロックは…ずっとキミのそばに…いたんよね…!(ムカつく顔で耳を舐めながら)

失礼。

最新シリーズでもあるSVシリーズからも、相手をロックするカードが複数登場しています。ふと夜中に「あっ、ちょっと今週ロックしたいな」って思うとき、誰でもあると思うんですが、そんな際にお役に立てるよう、SVシリーズのロックわざポケモンを列挙していきたいと思います。

あ、シティとかCLの前にこの記事読むのやめとけよ!
時間が15分くらい無駄になるよ!


【ジュペッタex】

SVシリーズ最初に登場したジュペッタex。
ジュペッタと言えばこれまでのシリーズでも何かと尖った性能をしていましたが、今回「持つべきものはちゃんと持ってる」構成で颯爽と登場。

■項目別分析

★超タイプ
進化前のカゲボウズが「霧の水晶」に対応。
自身の起動エネルギーである超エネルギーを円滑に集めることができます。
同時に、妨害性能の高いたねポケモン、ミミッキュやクレッフィを同時採用しやすく、相手に応じて使い分けが可能です。ミミッキュとクレッフィの特性をジュペッタに持たせてくれれば良かったのに
サポートトレーナーズがあるぶん、準備が容易で評価できるタイプ。

★1進化/進化前もロックワザを持っている
1進化なので出した瞬間に希望のワザを使えるわけではないですが、なんとこのカゲボウズ、進化前のカゲボウズも類似のワザを同コストで持っています。
そのため「準備できるまでロックができない」という課題に対して一歩アドバンテージを持っています。
繋ぎもできてすばらしい性能。

・HP250/逃げ2
23年11月現在、250というHPは
220等のたねVを狙った打点を一度耐えられる
という点が評価できる点。
ダメージを30軽減するガチガチバンドを装着しても280までなので、VSTARを標的としたダメージは耐えることができないけれども、多くの中打点を一度耐えることができるので、最低限の耐久はあるといっていいでしょう。
でもほんとに最低限。

逃げ2である点は割と厳しく、個人的に
逃げるエネルギーはメインのワザに必要なエネルギー以下なら嬉しい
を堂々と踏み倒しているのでダイエットしてほしい。
どうしても「とこやみ」前提でデッキを組んでいる以上、ジュペッタに2エネを提供するコストがなく、ましてや手貼り権利を使ってる場合でもありません。

耐久、逃げエネの部分はちょっと微妙。

・大打点ワザを持っている
他のロックポケモンと違い、「とこやみ」からそのままコンボになる「ポルターガイスト」を持っています。
これがジュペッタの大きな強みとなっていて、

とこやみによる継続妨害
or
ポルターガイストによる一撃必殺

と戦術を2つに分けることができます。
後者は前者との連携が前提になっていますが、それによって従来の課題であった「妨害はしているがサイドを取る能力が低い」をカバーしています。

■評価

超タイプの1進化exかつ1エネ起動ということで、非常に立ちやすいポケモンではあります。
その上、先述の通り後攻となってしまった場合でもカゲボウズのワザもあるためコンセプトの遂行という意味では現環境中最も「ロックしやすい」ポケモンと言えるでしょう。
更に自身がメインアタッカーも兼ねているので、サイドを1−3枚取る能力に優れています。

耐えて、止めて、貯めて、撃つ。
ストーリーが出来上がっていることが、ジュペッタexの強みなのだと思います。

■相性の良いカード例

・打点を補助できるもの
・逃げるを妨害できるもの
・ポルターガイスト後に交代できるアタッカー
・サイド1アタッカー

■サンプルデッキレシピ

◆逃げロックダメージコントロール型
 ジュペッタex/ワナイダーex/かがやくフーディン

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とこやみでロックした30ダメージをかがやくフーディンでベンチに流し、逃げる行動をワナイダーで阻害する、コントロール型デッキ。
攻撃できないポケモンをどれだけ縛れるかがキモなので、本来ともだちてちょうなどを入れてボスは4回以上使いたい。
「攻撃されないこと」が大事なので、エネルギー枯渇の手段としてクラッシュハンマーが入っている。
コントロールだけでサイド4枚も取れたらポルターガイストで決着だが、なかなかそうはいかないので、[とこやみで1枚+ガイストで2枚]×2と進めたい。
さりげにタマンチュラが10ダメージ逃げる封じなので、タマンチュラ&フーディンだけで詰ませられる場合もある。

◆メインアタッカー繋ぎ型
 ミュウツーex/ジュペッタex/ネイティオ

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大ダメージを与えられるミュウツーexの打点を貯めるまでの繋ぎや、序盤の妨害にジュペッタを使う構築。
ジュペッタだけでも厄介だが、課題になっていた大打点の部分をミュウツーがカバーしている。ミュウexで相手の大打点を拝借することもでき、フレキシブルに対応できるデッキ。
ネイティオによって自由にアタッカーを選択できること、勇気のおまもりとボタンで一部アタッカーを回収・使い回しできることが利点。

◆<Fレギュ>セイジ速攻スイッチ型
 ジュペッタex/オンバーンex/ドオーex/かがやくフーディン

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EからFレギュレーションに突入し、新サポート「セイジ」が登場。
これにより後攻1ターン目からジュペッタがワザを使えるようになった。
ただこれだけにリソースを注ぎ込んでもデッキパワーが非常に低いため、追加打点を入れるための密林ドオーを搭載。
進化に頼らないたねデッキ向けにオンバーンも採用している。
ジュペッタのポルターガイストへのタッチタイミングが難しいのと、アタッカーがジュペッタしかいないのが課題。

【モルフォン】

毒・虫タイプのモルフォン。
非ルールながらもジュペッタより優れたワザを持ち、小回りの効く動きで高い妨害性能を持ちます。

■項目別分析

★草タイプ
2023年11月時点では特に強いサポートはありませんが、HPが低いので弱点の炎タイプが殆ど気になりません。
反面、流行色である悪タイプに対して弱点をつくことができます。
具体的には、リザードンex・トドロクツキexなどの重めなメインアタッカー。逃げるエネルギーがそこそこかかるので、ロックとも相性が良いです。

★1進化、HP90、ルールを持たない
ここがモルフォンの強みその1です。
レベルボールに対応しているので、たねを用意するリソースをそのまま進化に使うことが可能です。レベルボールでコンパン、次のレベルボールでアタッカーであるモルフォンを用意できるのはとても組みやすく、またスムーズに攻撃に移ることができます。
また、取られるサイドが1枚であるため、6枚を最大限使うことができます。
逃げ1なのでわざエネをトラッシュして逃げられるのもGOOD。

★グッズロック+混乱
モルフォンの最も強い、というかロックわざ最強クラスのワザだと言っても過言ではありません。
ロックわざの特徴として、序盤のロックが追いつかなかった場合に「お、おお…手札が止まったが…攻撃は…できるけども…?」という状況が頻繁に起こります。そうなるとロックはしているがダメージクロックで負けてジリ貧、ということになるのですが、確定混乱を付与することでその攻撃の確率を半減させることができます。
さらに、ポケモンカードにおける「混乱」とは、実際にワザを使うまで成功するかどうかわからないので、必ずプレイヤーの判断が介入します。その時点で強い。
特にカードゲームプレイヤーは50%の確率は低すぎると判断するので、だいたい逃げるを選択します。するとポケモン入れ替えが使えない以上実質エネ破壊になり、一度逃げたポケモンを再度ボスの司令などで呼び出すことでイニシアチブを奪うことができます。
このおかげで、モルフォンは他ポケモンのサポートなくロックが完結しているとも言えます。すげえ。

■評価

1進化でレベルボール対応ということで、とにかく準備しやすいことが利点のモルフォン。
たねと下ワザについてはさすがにそこまで強いものではありませんが、コンパンはHP70あるので、様々なコンボの標的としては若干やられづらいのはカゲボウズとの差別点です。
また、上述の通り混乱による完結がとにかく強いので、組み合わせるポケモンが複数いるのも大きなポイント。
草エネ1枚なのでルミナスエネルギー起動ができ、今後さまざまなポケモンとの組み合わせで活躍しそうな1枚です。

小型でたくさん群がる姿は、まさに毒蛾。
非ルールの良さを一番活かせるのは、モルフォンかもしれません。

■相性の良いカード例

・打点を補助できるもの
・逃げるを妨害できるもの
・モルフォンを用意し続けるためのドロー特性
・草タイプのサブアタッカー

■サンプルデッキレシピ

◆毒混乱パンプ&逃げロック型
 モルフォン/ワナイダーex/アラブルタケ/かがやくヒスイオオニューラ

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混乱妨害ができるので、アタッカーに真正面から立ち向かえることを意識し、パンプアップを図った構築。
錯乱パウダー30+アラブルタケ・オオニューラによる3倍毒により、
30+30(行き)+30(帰り)=90
という綺麗な打点を出すことができる。
これはHP70〜90のポケモンを往復で倒すこともできるので、進化前のアタッカーを攻撃しつつ、返しのターンで倒れるので次のポケモンに再び毒混乱、といった形で一方的に攻撃することが可能。
2体立てるより一撃耐えたほうが楽、という意味で試験的にゴージャスマントを採用。

◆シルバーバレットゾロアーク型
 ゾロアーク/モルフォン/ハッサムほか

MM2XyU-CcHbbH-MpSR3p

モルフォンの軽さから、ゾロアークのワザのひとつとして組み込んだ構築。
メインはハッサムのパニッシュシザーだが、残り打点刈り取りや時間稼ぎ等の繋ぎに使う。
その他、進化ポケモンに対し80ダメージ与えて退化させるプテラ、リバーサル下で大打点の出るハルクジラ、どうしようもない相手を除去できるゴルダックを添え、最後にヤドランでフィニッシュできるようにしている。

◆<Fレギュ>セイジ型
 モルファン/ワナイダーex/ドオーex

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ジュペッタと同じアプローチのセイジ型改造デッキ。
ジュペッタと異なるのはワナイダーにアタッカーをタッチできることで、特に流行のリザードンに対してはワイヤーハングで一撃することができるため、さくらんパウダー+毒で小物を2体倒し、ワイヤーハング×2で試合を決めることができる。
いくらポケギア入れようが引けないものは引けないので、セイジは抑えめの2枚にしており、いつでもサポにリーチできるネオラントを採用した。
フーディンと賛否分かれるが、5倍毒にできるかがやくオオニューラを今回は採用。さくらんパウダーと合わせて往復130ダメージまで伸ばせるため、ロック解除の試行回数を減らせる。

【クロバット】

ロックワザの悩みと言えば色高速と打点でしたが、それを解決するポケモンとして、2進化ポケモンであるクロバットが登場しました。
個人的に毒タイプのポケモンとして長く愛用しており、「クロバットがロックワザを持った」とそれだけで三食白米をイキ続けられます。

■項目別分析

★悪タイプ
ダークパッチ対応の悪タイプです。
ミュウやサーナイトといったエスパー・ゴーストの超タイプに対して弱点をつくことができ、条件次第でエネルギー加速が可能です。
しかしメインのワザとなる「マッドエコー」はエネルギー拘束がなく、登場時においてロックわざポケモンの中で唯一、無色でロックすることができます。

★2進化、HP130、ルールを持たない
2進化という点。
この用意が大変なところが、このクロバットの最も厳しい枷となっています。
「用意が大変」というのは、分解すると
・ルール上進化するのにターンが必要
・1体用意するためにたね、1進化(アメ)、2進化の全てが必要となり、メインとする場合はそれだけでスロットを8-12枚は食う
・それらのカードを手札に揃えなければいけない、ドローサーチリソースをクロバットに割く必要がある

となります。
ルールを持たないことで気絶時の被サイドは1で済みますが、HP130の低耐久なので、ほぼ一撃でやられてしまいがち。つまり、すぐ次を用意しないとロックが継続できない。これだけ見ると、他ロックポケモンに比べ大分リソース面で差をつけられているように見えます。

★グッズorサポートロック&50ダメージ
ワザ「マッドエコー」は相手のグッズまたはサポートの使用を封じる、現環境で唯一のワザ。
これはかなり破格の性能で、自分が選択することができることから、実質マッドエコーがワザ2つ分と定義しても差し支えありません。
グッズロックと考えるとジュペッタやモルフォンよりも進化レベルもコストも多いですが、その分20ダメージ高い50ダメージを与えることができ、またそのエネルギーもダブルターボで賄うことができます。

ただ個人的には、唯一性能であるサポートロックこそがクロバットの強みだと考えています。
サポートロックとは、相手が1ターンに1度使うことができる強力なトレーナーズを止めることができることになりますが、現在のサポートの効果を考えると、具体的には以下の恩恵を受けることができます。
・相手の手札が増えない、減る一方になる
・こちらの手札干渉がされづらい
・こちらのベンチが呼ばれづらい

※ポケモンの特性は考慮しません

手札が増えないということは、相手は今手札にあるグッズ、ポケモン、エネルギーを使い切ったらトップで引いたカードだけで盤面を作っていく必要があるということ。
これはロック性能としてはかなり高い分類になると思っています。
つまり、相手が盤面を用意しきる前にマッドエコーによるサポートロックが起動すれば、対戦する体制ができないまま一方的に攻撃できることになります。ただ、30ないし50ダメージの耐久が低い2進化ポケモンがどこまで活躍できるか。

■評価

グッズまたサポートを選択してロックできる点、特にサポートをロックできる性能は現環境では唯一無二と言えます。
そのためメインではサポートロックを選択しますが、相手がグッズ中心の構築(ギラティナやパオジアン)であった場合、グッズロックに切り替えられるのは何よりも魅力。
いずれにせよ、相手が攻撃を初めてしまうと食い止める力はない上に復帰力が低いので、いかに早く用意をしてロックを始めるかが他ロックポケモンより課題になります。
弱点をつきやすい、という点では若干の優位性があると言えるでしょう。
また、逃げるが0であるためサブアタッカー交代や特殊状態耐性については優秀であると言えます。

■相性の良いカード例

・打点を補助できる特性
・エネルギーを加速できるもの
・進化を加速させるもの
・相手の手札を見ることができるもの

■サンプルデッキレシピ

◆打点強化突破型
 クロバット/ラウドボーンex

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50ダメージであることに着目し、2進化準備リソース共有とダメージクロック強化に特化した構築。
素のダメージが50であるマッドエコーのダメージを、ラウドボーンexのばくねつソングで+60し、110ダメージ連打を狙う。
1体目のクロバットはダブルターボでお茶をにごし、完成次第2体目以降のクロバットで110マッドエコーを放つ。
110はサイド1のたねポケモンを、220はV等のたねサイド2ポケモンを、330はほぼすべてのポケモンを倒せる打点。
序盤はミュウをバトル場に任せ、VIPパス→エボリューションを狙う。

【オンバーンex】

最後はグッズやサポートといった展開を妨害するのではなく、特殊エネルギーとスタジアムという追加戦術を妨害する、少し経路の異なるロックポケモン、オンバーンex。ロック対象が限定的である代わりに戦闘力は随一です。

■項目別分析

★ドラゴンタイプ
弱点がないドラゴンタイプ。
相手の弱点をつくことはできませんが、代わりに一方的にやられることがないため多くのデッキの相手をすることができます。
サポート「ワタル」の対象となっており、レジドラゴexのワザコピーの対象にもなっています。

★1進化、HP260、逃げる0
用意のしやすい1進化ポケモンです。
しかも逃げるエネルギーがないため、フェザーボールにも対応。
進化するところまでであれば、かなり容易に展開することができます。

また、HP260は1進化exの水準点。
200−220ほどの中打点を一回耐えることができますが、ギラティナのロストインパクト等、280ダメージは耐えることができません。
しかし、1進化限定のどうぐ、ガチガチバンドを装備することでダメージを軽減でき、280を250に軽減し、一撃耐えることができます。同じ1進化exによくある打点の140ダメージも110に軽減できるため、この点では有利。

逃げる0のため、交代に困りません。
オンバーン同士ぐるぐるすることも可能です。

★たねの攻撃をシャットアウト、おんみつひこう
1つ目のワザはおんみつひこう。
コストは無無で、ダメージは70。
たねからのダメージを一切受けなくなります。(効果は受けます)
これにより、現在でも活躍しているだんけつのつばさやレジ系など、たねのみで構築されているデッキに対して完封が可能。
もちろん、通常の相手に対しても一部有利に立ち回れる上に、ダメージは70あるのでサイド取得と平行していけるのはとても強いポイントでしょう。
一応ダブルターボに対応していますが、ダメージを50にしてしまうとたねを倒しづらくなってしまう上に、2つ目のワザとも相性噛み合いが悪くなってしまうのであまりオススメできません。
超超、または悪悪、と引いてしまっても使えるワザがあるというだけでも価値があり、さらにバリアも張れるというのは破格の性能です。
Fレギュ開始の1月に関しては、古代・未来といった中型たね系デッキの台頭により、おんみつひこうの価値は想定的に上がりました。
ただ古代にはコライドンやウネルミナモ、未来にはテツノカシラなど貫通ワザを持っているものも多いので注意が必要。現状貫通ワザを使うほどまでは流行っていないのが幸いです。

★スタジアムと特殊エネルギーをロック、ドミネートエコー
2つ目のワザはオンバーンexのアイデンティティ、ドミネートエコー。
ドミネートとは「支配する、威圧する」といった意味。
コストは超悪で、ダメージは140。
相手のスタジアムと特殊エネルギーの使用を封じます。

このワザの強いところはロックはもちろんですが、低コスト・中打点(ロックにしては大打点)であるところにつきます。
その他ポケモンが3−50ダメージでヒイヒイ言っている中、ドミネートエコーは1回で小型ポケモンを、2回でVSTARまでの大型ポケモンを倒すことができます
この「妨害しているにも関わらず、及第点以上のダメージを出せる」のは破格の性能です。ロックわざなのに普通のポケモンと渡り合えてる。すごい。

スタジアムをロック。
これは相手が使えないことと同時に、こちらのスタジアムが貼り替えられないことを指します。つまり、自分は好きなスタジアムを基本的には使い放題だということ。
原則、現環境であまりにも強力な頂への雪道を貼った状態を維持できるのはオンバーンex独特の強みで、オンバーンが間接的に特性ロックポケモンにもなることを意味します。
あえて言うならば、相手にとって適切な弱みとなるスタジアムを貼ることができないと、ワザコスト・打点的に有利とは言えないところが弱点でしょうか。
Fレギュ開始の1月については、継続することで圧倒するほどのスタジアムが無くなったこともあり、相対的にドミネートエコーが使いづらくなっています。
たねコストを増やすポケモンリーグ本部、特殊エネの効果をなくすシンオウ神殿などが該当しますが、それらはおんみつひこう、ドミネートエコーの本来の効果でカバーできてしまっている状態です。

それでも、殆どのポケモンを2発で倒せる火力を持っていることで、その他ロックわざとは一線を画す性能を持っていると言えます。

■評価

オンバーンexは先述の3体と異なり、メインアタッカーとして十分に環境に出ていける数字を持っています。
従って、オンバーンを使う場合はいかに「オンバーンを倒されないようにワザを継続できるか」と、「撃ったダメージが無駄にならないようにするか」の二点が重要になってきます。
繰り返しとなりますが、ほかロックポケモンと異なり試合を決めきる火力を持っていることが何よりの特長になるので、早く進化とエネを用意してのびのび戦わせてあげたいところではあります。
たね・特殊エネ依存・ルール持ち特性依存のデッキには一方的に強くなれる反面、上記に該当しないデッキにはただの非力アタッカーになる、というピーキーさがオンバーンの良さであり個性です。

■相性の良いカード例

・打点を補助できる特性
・エネルギーを加速できるもの
・進化を加速させるもの
・オンバーンを200以上回復できるもの

■サンプルデッキレシピ

◆ストイック雪道ロック型
 オンバーンex/ミュウex/ビーダル/チルタリス/

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シンプルにオンバーンを立て、雪道ロックしていく構築。
140の打点を綺麗に与えるため、チルタリスの「いざなうしらべ」→「はたらくまえば」でボスの司令をピンポイントでサーチ。
苦手なギラティナに対してはガチガチバンドで耐えながら、学習装置で起動するミュウのゲノムハックでロストインパクトを拝借して倒すプラン。
ヤミラミに対して、ポケモンリーグ本部を固定することでロストマイン連打を封じることができたりする。

◆オンバーンワザマシン型
 レジドラゴVSTAR/オンバーンex/ドラゴンたち/かがやくリザードン

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ドラゴンタイプのポケモンをコピーできるレジドラゴVSTARのコピー先として採用した構築。
本来2エネで使えるドミネートエコーをわざわざ3エネで使う必要があるのか、という懸念に対し、大地の器の登場により
・コピー先のトラッシュ
・ナタネの加速用エネ

を同時に実現できるようになった。
ただ実際は優秀な継戦能力を持つヌメルゴンVSTARのアイアンローリングやサイド取得能力の高いギラティナVSTARのロストインパクトを使うことが多い。が、相手によってドミネートエコーを使うこともできるのはなかなか。

◆<Fレギュ>ネイティオバレット型
 オンバーンex/ネイティオ/超系アタッカー各種

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序盤はテツノブジンぐるぐるギミックもできるようにしながら壁にし、ハマる相手にはオンバーン、そうでなければ各種アタッカーで戦う構築。
オンバーンの届かなかった160や300−320に届くようになり、ブジンのデメリットである連続ワザ使用不可についても入れ替え→オンバーン逃げるで解決でき、200(220)→140でおおよそのポケモンは倒すことができる。
ミュウツーの「サイコリフレクト」は連打してるだけでリザードンexは動けなくなる。ミミッキュ、オンバーン、ミュウツーで幅広く対応したい。
LO対策? パトロールキャップかぶろうか!

【ロックわざポケモン比較表】

最後に、23年11月時点のロックポケモンの比較表を作ったので置いておきます。それぞれ個性があって良いなあ。

進化レベルが低くても打点が低かったり、ワザコストが重かったり。
強いワザを持っていても進化レベルが高かったり、耐久が足りなかったりと、真っ向から戦うカードではないぶん尖っていますが、そこがマイナーカードの良さ。
絶対的に強かったら、みんな使っちゃうしね。ね、ガマゲロゲEX

みんな違って、みんないい

今回、絶対評価を基本とした形で各カードの特長を列挙してみました。環境に対する相対評価についてはそこまで深く追求しておらず、あくまで各カードの性能を再理解して、今後の新カードが出てきたときに見直すことができるようにしています。

まあ僕が自分のためにまとめただけなんだけどな。
すまない。

カードゲームは、新しいカードとの組み合わせで化けることを見つけるのも楽しみのひとつ。ロックが大好きなひねくれ村の住民のあなたなら、きっと何かを見つけられるはずです。
特にこの子たちでなくても、「書いてあるテキストを改めて言語化し直す」という作業は、他カードとのシナジーを見つけるときに役立つと思います。ぜひ、好みのカードで分解・考察してみてください。

【最後に】ジャマするのがゴール?違うだろ、勝つのがゴールだろ!

ところで、ロックを使っていて問題になってくるのはたかだか30とかのダメージのロックをしただけでどう勝つのかという部分です。
低打点、ということは相手の試行回数を増やしてしまうこととなり、妨害していてもいつかは何かを引けてしまいますし、そもそもポケモンとエネルギーさえあれば、エネをつけて攻撃することはできます。
そのダメージ量がこちらのロックワザのダメージ量、例えば30を上回るのであれば、耐久力との兼ね合いもありますが、状況は一瞬でジリ貧に変わると言えるでしょう。

そこで、アプローチの方法として主に以下のような方法が考えられます。
1、低打点を活かし、特定のポケモンを倒さないように時間を稼ぐ
2、打点を上げ、解決される前に倒し切る
3、他のメインアタッカーの繋ぎとしてサポートに徹する

なぜロックするのか、という目的によって、アプローチや構築は変化します。今回の各ポケモンのサンプルレシピについても、概ねどれかに属するように組んでみたつもりです。

僕はロックが好きですが、ロックすることが目的なデッキはあんま勝てないので好きじゃないです。勝手な話ですが、僕はロックして相手にイヤな思いをしてもらいながら、しっかり勝っていきたいのです。
それが、ロックデッキ使いの流儀。と勝手に思っています。
実際勝ってるかどうかは別だから、勝率についてはそっとしておいてな。

どうやったら勝てるのか

というわけで、どうやってロックを維持しながら勝利条件に近づけるか、良かったらこの機会にぜひ考えてみましょう。
ちなみに、23年現在の現代ポケカにおいて、勝利条件となる「相手のポケモンを倒してサイドを6枚取る」にはこういったくらいのダメージが必要になります。

やられる前にやれ。

まー大変なもんです。
ただ、ロックを行うことで、シンプルなシーソーゲームからワンサイドゲームに持ち込める面白さが生まれます。特にグッズロックを行うことで、相手のHPが最大化する前に倒すこともできたりするので、例えばHP6−70のポケモンを戦わせないまま倒し続けることも可能になるんですよね。
故にそれを目指していくのがロックデッキなのかなあと。

というわけで、今回はSVシリーズに登場しているロックわざポケモンたちの紹介をしてみました。
過去存在した重いロックポケモンたちの実績を踏まえ、調整されたSVのロックポケモンたちですが、それぞれにそれぞれの戦い方があることをわかっていただけたと思います。
今後も増えていったら気まぐれで更新しようと思いますが、これを機に搦め手の世界に足を踏み入れていただければ幸いです。
その足にツタが絡みついてもう帰れなくするんですけどね。

最後に。
ロックデッキ使いは、戦術はイヤらしく、相手にいかに不快になっていただくかがモットーですが、だからこそ対戦は丁寧に、相手への礼儀を忘れずにしましょう。
わたしたちは、相手を追い越すのではなく、相手の足を引っ張る戦術を選択しただけの、真っ当なカードゲームプレイヤーです。
胸を張って、正しく、丁寧に、相手のイヤがることをしていきましょう。

『相手がイヤがることは進んでやる』

小学校でも習いましたよね。
そういうことです!

それでは、良いロックカードライフを。

あ、もしおひねりいただけたら、毎月赤字垂れ流しのDiscordサーバー運営費に回させていただきますので、よろしくお願いします!


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