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【分析版】BXRⅢ予選デッキデータ[1/9ダイヤモンド・パール]

2022/1/9(日)に開催された、BATTLE CROSS ROAD(以下BXR)Ⅲ ダイヤモンド/パールブロック。
大会直後に「速報版」として全体/決勝トーナメント分布を公開しましたが、今回は更に詳細に、データへ深く踏み込んだ「分析版」をお届け致します。

データ集計、技術提供、分析/執筆:みれ(@milles_ptcg)
集計フォロー、分析/執筆:ぐうぐるい(@ggrui_Pokeka)


全体分布

どんなデッキが多かったのか、まずはおさらいです。

対象:ダイヤモンド/パールブロックの合計139データ

予選ラウンドでの使用率は下記のような結果になりました。
1位:ミュウVMAX
2位:クワガノン
3位:アルセウス&ディアルガ&パルキアGX

コンスタントに200ダメージを叩き出すミュウ、クワガノンが2トップ。
パールブロックでは優勝、有終の美を飾ったアルセウス&ディアルガ&パルキアGXが続きます。ミュウ、クワガノンが圧倒的かと思いきや意外にもばらけた分布となりました。

この場をお借りして集計について補足。
今回、事前に提出してもらったデッキレシピと大会出場者とで照合を行ない、「大会出場者のデッキ」のみを対象に集計を行なっています。上記の照合でうまく結びつかなかったデータは集計へと反映されておりません。

また本集計では、こちらで用意したデッキ定義に沿ったデッキの自動分類を行なっており、レシピ提出時の申請名称とは異なるデッキとして集計される場合がございます。
以上、2点ご了承ください。(詳細はグラフ下部の注意事項を参照)


ブロック別、またトーナメント進出分布は「速報版」にまとめておりますので、併せてご覧頂ければと思います。


注目デッキの構築分析

さて、レギュレーション変更前の締めくくりとも呼ぶべき大会模様でしたが、同時に新環境への足掛かりともなるダイヤモンド/パールブロック。
本項では来たるスターバース環境でも活躍が期待されるデッキへとフォーカスし、その構築を分析していきたいと思います。

1.ミュウVMAX

■分析対象

■サブタイプ分類結果
上記、「分析対象」を構築のタイプ(型)毎に分類した際の割合です。

「カミツレのきらめき」でのエネルギー貼り、「フュージョンシステム」での手札増加などフュージョンの恩恵を最大限受けることの出来る「フュージョン型」が16/18デッキを占めました。
残り2件の内訳として「基本鋼エネルギー」「メタルソーサー」を採用した「鋼型」、「基本闘エネルギー」「ガラルサンダーV」を採用した「闘型」がそれぞれ1件ずつという結果です。

■平均化デッキ
「分析対象」に挙げた18デッキを平均化したデッキレシピを掲載します。
前述のサブタイプのばらつきもほとんどなかったことから、オーソドックスな「フュージョン型」に近いデッキレシピとなりました。

デッキコード[Vkk1FV-OH5Cnh-VfFkFV]

■注目カードの採用率


・メロエッタ
「カミツレのきらめき」からの「メロディアスエコー」が強力な1枚。
採用率100%ながら採用枚数は平均すると1.61枚という結果に。

・コオリッポ
メロエッタ同様注目のサブアタッカーですが、採用率は芳しくなく平均した結果1枚にも満たず。

・ウッウロボ
みんな大好きウッウロボ。採用率44.44%と採用率は半分を切りました。

・バトルVIPパス
88.89%とかなり高い採用率です。平均採用枚数は3.06枚。

・スマホロトム
ウッウロボと同じく採用率44.44%。評価の分かれる1枚です。

2.エンテイV

■分析対象

■サブタイプ分類結果

「ジメレオン」、「インテレオン」を用いて必要なトレーナーズを手札に加える「うらこうさく型」が約6割。
「ガラルファイヤーV」をはじめとしたVポケモンで構成された「バレット型」が2件で25%。「ビクティニVMAX」と組み合わせた型が1件ありました。


■平均化デッキ
「分析対象」に挙げた8デッキを平均化。
数の多い「うらこうさく型」がベースとなっていますが、「ガラルファイヤーV」など「バレット型」の名残も見受けられます。

デッキコード[x8cD88-oQ8QbD-xx44xc]


■注目カードの採用率

・タフネスマント
「エンテイV」のHPを底上げするカードとして、採用率は100%。
平均枚数は2.63枚という結果になりました。

・クロススイッチャー
サポート権を使わない為、「溶接工」などを使いながら相手のベンチポケモンをバトル場に呼び出すことが可能です。採用率は37.5%と低いのですが基本的に4枚採用の為、平均枚数としては1.5枚になります。

・やまびこホーン
「バーニングロンド」のダメージを上げつつ、相手の負け筋となるポケモンをベンチに出せるカード。62.5%と半分以上のデッキで採用されており、1枚採用が多いパターンのようです。

・溶接工
後攻1ターン目からの「バーニングロンド」を可能にするカード。
採用率75%。レギュレーション変更前に一花咲かせました。

・ヒート炎エネルギー
「タフネスマント」同様、HPを底上げします。採用率62.5%。

3.ジュラルドンVMAX

■分析対象

■サブタイプ分類結果

「ゲンガーVMAX」と組み合わせた「ゲンガージュラルドン」が約6割。
「メタルトランス」の「ドータクン」を採用した型が2件で25%。
残り1件は「ザシアンV」と「ジュラルドンVMAX」を組み合わせた型でした。


■平均化デッキ
「分析対象」に挙げた8デッキを平均化。尚、平均化した際60枚に収まらなかった為、一部カードを手動で取り除いています。
「ゲンガージュラルドン」と「ドータクン型」それぞれの構築のクセが強く混ざった形です。

デッキコード[bkVFV5-DFcRrJ-kv5Vkw]

■注目カードの採用率

・ジュラルドンV
鋼タイプの「ジュラルドンV」は採用率37.5%。
それに対し「摩天パーフェクト」収録のドラゴンタイプの「ジュラルドンV」は100%と「ドータクン型」のデッキでも1枚以上の採用が見られました。

・バトルVIPパス
進化ポケモンを複数並べることが多いジュラルドンでは重宝するカードだと思うのですが、採用率低めでした。採用されたデッキでの平均枚数は2枚。

「ゲンガージュラルドン」と「ドータクン型」で共通する部分が少ない為、こんなところでしょうか。


他にも分析するデッキの候補はいくつかあったのですが、サンプル数が少なく平均化してもいまいちなもの、構築が確立されていて分析の余地が少ないものは省いています。次回、1/23(日)開催のルビー/サファイアブロックでは環境も一新される為、本項の分析もより有意義なものになると予想します。

以上で注目デッキの構築分析を終わります。(執筆:ぐうぐるい)


メタカード採用率

本項では集計対象の139デッキから、メタカードの採用率を紹介していきたいと思います。

・ミュウ(ベンチバリア)
「れんげきウーラオスVMAX」や「サンダースVMAX」対策として活躍。
3割以上のデッキに採用されていました。

・うねりの扇
「ミュウVMAX」の「フュージョンエネルギー」を筆頭とした特殊エネルギー対策としての1枚。27.34%と全体の1/4のデッキが採用している計算になります。

・ガラルファイヤーV
メインのメタは「ミュウVMAX」でしょう。「じゃえんのつばさ」で自身にエネルギーを付けられる為、サブアタッカーとして採用しやすく、こちらも24.46%と1/4近くのデッキで採用されています。

・フリージオ/クワガノンV
「クワガノン」はもちろん、グッズ比率が高い昨今のデッキを封じるポテンシャルを持っています。採用されるデッキを選ぶ為、採用率はおとなしめ。

・セイボリー
ベンチを広げるデッキが多いため、刺さる盤面は多そうです。
採用率は5%程度でした。

・イベルタル
全ての特殊エネルギーをトラッシュへ送ります。強力ですがエネルギーを用意するのが難か。採用率2.88%。

・アスナ
同じく特殊エネルギーをトラッシュ。枠があったら入れたい1枚です。

・サンダース
「じんらいのめざめ」で「うらこうさく」をはじめとした水タイプのとくせいを封じます。残念ながら採用されたデッキは1件のみでした。


以上、メタカード採用率でした。
やはりというか数の多い「ミュウVMAX」、「クワガノン」等を意識した特殊エネルギーメタが多く見られました。引き続き次環境も特殊エネルギーが強力な環境と予想され、メタカードの流行はどのように変化していくのか?次回も同様に分析していきますのでご期待ください。(執筆:ぐうぐるい)

成績別デッキ分布の分析

本項では予選のデッキ分布を成績と関連づけて見ていきます。

各ブロックの優勝はダイアモンドが「ザシアンV」、パールは「アルセウス&ディアルガ&パルキアGX」、そして全体の分布は冒頭でご紹介したとおりです。

では、大会全体を通した"勝ち組"デッキは何だったのでしょうか?
参加者から提出されたデッキコードと、予選スイスラウンド勝ち数を組合せて調べてみました。

1. グラフの見方

(1) 横軸 ⇒ 予選終了時の「勝ち数」
(2) 棒グラフ ⇒ 各デッキのシェア(%)

横軸に記載した成績のプレイヤーを対象にして、使用デッキのシェアを棒グラフに表示しています。
例えば「3勝以上」では、最終成績が3~5勝のプレイヤーが61人いて、そのうち10%(6人)がミュウVMAXを使用したことを示しています。

左端の全体シェアと比べて、高い勝ち数のシェアが上がった場合、他のデッキよりも勝率が高かったと言えます。
ただし勝ち数が高いほどサンプル数が少なくなるため、統計の精度が下がる点に注意してください。

なお、集計するデッキ数などの注意点はデッキ分布の資料と同一です。


2. シェア上位の2デッキ

予選ダイアモンド/パールブロックを合算した分布では、ミュウVMAXとクワガノンがシェア2トップでした。
全体シェアはそれぞれ13%、12%と同程度で、しかしながら4勝以上では8%に減ってしまいました。
共に強力なデッキではありますが、警戒されるせいか上位帯で苦戦する様子が伺えます。

3. パールブロック優勝の「アルセウス&ディアルガ&パルキアGX」

全体シェア10%に対して、4勝以上で29%とシェアを伸ばしています。
実デッキ数では14名中7名が4勝以上で、このデッキを選択した半数が決勝トーナメントに進出しています。

本大会で、最も勝ち組のデッキだったと言えるでしょう。

4. その他の注目デッキ

エンテイV、ジュラルドンVMAXのデッキは、全体シェア6%に対して4勝以上が8%と微増しています。
どちらもトップシェアのミュウVMAXに有利な要素を持つデッキで、レギュレーションが変わるルビー/サファイアブロックでの活躍も期待できるのではないでしょうか?


以上でデッキ分布と成績の分析となります。
次回は1/23(日)のルビー・サファイアブロックとなりますが、同様に分析していきます。
ご期待ください!

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