【コラム】楽しそうだなって思ったことは、絶対やったほうがいいって話。【SUSHI杯】
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アモーレ。
久しぶりですね。CHANGです。
僕、かれこれ25年くらいポケモンのイベントをやってきてるんですが、昨日、歴代でも最強クラスに楽しかったイベントを開けました。
ので、その話をしようと思います。
■突然マグロが脳に入ってきた話
昨年、前の会社を辞めた。
次の会社に行くまでにそら有給を堪能しなきゃなあ、と思ってたっぷり1ヶ月お休みをいただいたのが、2022年11月。
昨年の秋は温かくて気持ちが良い1ヶ月だった。
で、そのとき温かさが脳の悪いところを刺激したのか、
「あ、そうだ。なんとなくだけど食品衛生責任者資格取ろう」
と思いついた。
今からは信じられないかもしれないが、2017-18年頃の僕の周りのポケカオーガナイザーたちは、あれこれポケカの企画を立てるや否やすぐ酒や飯を掛け合わそうとしていて、日々ワイワイと魚を捌いたり唐揚げを揚げていたりしていた。さながら戦闘民族である。肉と酒を囲んでウンババウンババしていた彼ら(僕含む)が未来のポケカプレイヤーたちを手助けしていたのだ。
いい意味で身の毛がよだつ。
そんな友人の数人が食品衛生なんとかを持ってたよなー。
あれがあったらご飯つきイベントも安心して開けるんだよなー。
とぼんやり考え、「食品衛生責任者 取り方」で検索をかけた。
あった。これだ。
そしてある日、食品衛生責任者の資格を取得した僕は、その旨を世間様にご報告したのだった。
そしたら友人からこんなリプライがきた。
はぁん。
なるほどね。
■面白そうだなと思ったので、やってみようとおもった話
マグロ解体かあ。
やったことないなあ。
僕は路上で首をひねった。
マグロ解体って、たまにその、会社の出し物とかでやるようなやつで、つまりそれは相応にコストがかかるやつなんでないかと。
特大企業さんが予算をかけたタイプの忘年会でやるような、夢の固まりに濃口しょう油でコーティングした遠い遠い世界の出来事なのだろうしなあと思いながら、とりあえず「マグロ解体 業者」で検索した。
Googleの導き出した答えの中から、リスティング広告を弾いた上で上位に出てきた会社が、「マグロ解体ショー専門店|東京・大阪!日本全国対応!」って言ってたのでクリック。
自然検索で上位に来るには理由があるんだって、今のSEOはGoogleがちゃんと評価してくれるんだって婆ちゃんが言ってたからである。webコンサルの。
そして見てみたら、思ったほどの金額じゃなさそうだった。
なるほど。いっぱい人が来てくれて、みんなにそれなりに出してもらえれば、出来なくはないな。たぶん。
そう思った僕は、舌なめずりをして「鮪達人」さんに連絡をしたのだった。
■現実とワクワクを天秤にかけて、ワクワクを優先したら乗ってくれた話
当時僕はこっそり「企業対抗戦」というイベントを企画運営していて、その会場としてnoteさんにすごくお世話になっていた。
企業対抗戦も2回開催して、
「ポケカバトル→打ち上げごはん」
の流れもだいぶ慣れてきたものだから、noteのゲームコミュニティを担当してくださってるSさんに、意気揚々と相談してみたのである。
僕「ポケカで優勝したらマグロを解体できるイベント、やってみたら面白いと思うんです。やりませんか」
Sさん「どういうこと?????」
当然の反応が返ってきた。
Discord越しの音声打合せなのに、宇宙人を見る目なのが電波に乗って浮かび上がってくる。しかもその宇宙人は「お前の家に大型の魚を生で持っていくつもりだ」って言ってるので、そりゃダメだろうと思う。
僕だってイヤだ。
僕「ダメですか」
Sさん「いや、ダメっていうか、面白いとは思うけど、会社がなんていうか」
大人の対応である。そりゃあそう言わざるを得ない。
魚臭い宇宙人を自分のうちに上げるわけにはいかない。
お母さん(会社)だって「捨ててきなさい」って言うに決まっている。
Sさん「とりあえず、聞いてきます」
そう言ってその日の打合せは終わった。
後日、「やっぱダメだった」という連絡をいただいた。
「そうですか…」とか言いながら、内心(そりゃそうだよな)と思っていたので、「すみません、ご迷惑をおかけして」と、僕も大人の対応をした。
これが現実というものである。
人に迷惑をかけてはいけないのだ。
なので、きちんと調べてから再度プレゼンをすることにした。
鮪の達人さんと再度打合せの場を設け、何をどこからどこまでやるのか、衛生面は? 流れは? ニオイは? 実績は? と面倒くさがられてもおかしくないくらい色々訊いた。
すると、鮪の達人の担当さんはイヤな顔ひとつせず丁寧に答えてくれたし、なんならいくつか提案をしてくれた。
さすがマグロの解体業者である。だいたい相手の客も頭おかしいだろうから、そういう奴が怒られて帰ってきて再提案なんていうのも手慣れているのだろう。
こうして、僕は新たに資料を作り、Sさんに再提案をしたのだった。
とにかくそういったことを熱く提案させていただいた結果、Sさんは「あいわかった」と膝を叩き、社内でめっぽう頑張ってくださったおかげで、うっかり企画が通ってしまった。
宇宙人の目論見にまんまと騙されてしまったわけだ。
「面白そう」というのは、それだけ魅力的なのだ。
■やんなきゃいけないことだったら適度にやるけど、やんなくていいことだから全力でできる話
では、これでやりたいことができるようになったね、めでたしめでたし、というわけにはいかない。
食べ物が絡むイベントなので万が一にも食中毒を出すわけにはいかないし、昨今の風潮で言えば感染症予防の観点でもケアをしないといけない。
加えて、やったことがないコンテンツを導入することで、段取りなどもいつもとは全く違う。というか、イベントを2つ並行して走らせているようなものである。100メートルを全力で走ってる横で、真っ白な歯をした黒人が「ヤア!このあとの懇親会の段取りもしっかり頼むナ!」ってニッカリ笑って並走しているのだ。こいつ全然振り切れない。
そうなるとそれなりに手間もかかるし準備も大変で、僕は怠け者なのでこれが仕事だとしたらかったるくてやっていられないし、最低限用意したらまあこれでええけんね、と手を抜いてしまうことも容易に想像できる。
だが、自分でやりたいと思ったことは別だ。
誰にもやれと言われてないし、なんなら一度「やるな」と言われた企画ですらある。
仕事でもない、ただの趣味で、なんの制限もない。
それをできるのならば、むしろ全力で当たるべきだ。
僕のイベントの師匠も昔言っていた。
「仕事じゃないんだから、全力でやれ」
やんなくていいただの趣味だからこそ、テメエの魂を存分にぶつけてやれるのだ。
やったぜ。全力でやってやる。
■やりたいことが人を喜ばせられたなら、人生で最高だって話
結論から言うと、イベントは大成功だった。
イベントの様子はぜひ参加してくださったみんなの声を見てほしい。
Twitterで「#SUSHI杯」と検索すると、その日の様子がだいたいわかるはずだ。
適度な緊張感の中でポケモンカードを遊んで、それで勝ったら嬉しいイベントになってはいるのだけど、それに加えてさらにやったことない体験とごはんとお酒が待ってるわけだ。これがワクワクせずにいられますかっていう話。
バトルそのものはびっくりするほど真剣で、ロスト構築から一撃ルギアまで、シティリーグかよってくらいガチなカードが飛び交っていたのだけれど、反面ヘイラッシャデッキなどもしっかり残っていて、ああ、イベントを楽しんでくれてるな、と嬉しくなった。
自分が楽しいだろうな、と思ったことがあって、それをしっかり提供できるように固めていって、来てくれた人たちが本当に楽しんでくれる。
それ以上に嬉しいことが、あるだろうか。
ちなみに今回、紹介経由でインフルエンサーの方にもお越しいただいた。
正直にいってそれまで存じ上げてなかったのだけれど、打合せの挨拶段階からとてもいい方たちで、一緒に企画を進められて本当に楽しかった。
人生、色んなひとに会ってみるものである。
紹介してくださったSさん、あむくん、参加してくださったよっしいさん、高槻りつさん、本当にありがとうございました!
というわけで色々運営としてチャレンジをしてみた企画ではあるのだけれど、これは主催ががんばったから、というだけでは決してない。
イベントとは、人が開いて人が来るものだけれど、決して一方的なコンテンツではなく、参加者の方が来て、楽しんでくれて、初めて成立するものなのである。
その場の空気をみんなで作り上げるものであり、スタッフ含めてみんなで楽しんでなんぼ。
イベントは、全員で作るものなのだ。
■一生文化祭しようぜって話
今回、さんざん「なんだこれ」といったようなお声をいただいていたが、個人的には思いついたことを形にしただけなので、特別なことは何もしていない。
ただ、大学生のノリで「やったら面白そうじゃん!じゃあやろう!」となっているだけで、むしろ精神的にまったく成長していないとも言える。
だが、こんな形で思いを形にできて、それで人が喜んでくれたのであれば、それだけで僕は充分なのである。
プレゼン上は「集客が見込めます!」とか「多少はバズるかもしれません!」とかさも戦略的にやってるような感じで話していたが、根本は「いいから楽しそうだしなんとかやろうよ!一緒にさ!」っていう気持ちしかなかった。これが知れたら怒られるかもしれない。
20年以上もイベントをやっていると、対外的には「目標数値はこれであれで〜」と定量的な指標を口にするものの、内心は「一人でも楽しんでくれればそれでええんじゃ」とすっかり好好爺のスタンスで生きている節がある。
ネットで話題になるのが嬉しくないとは決して言わないが、僕自身の本当の評価指標はむしろ当日にあって、それは笑顔の有無かなあと思っている。
いいもの作って評価されたら嬉しい。
評価されるためにいいもの作ろうとすると、なんか疲れるよね。
趣味なんだし、気楽に楽しくやろう。
■人に感謝は忘れんなって話
割と長くなったので、イベントお爺さんとしてこれだけ書かせていただいて、今日は筆を置こうと思う。
来てくれた人に、感謝をしてね。
その人は、たぶん貴重な土日や夜の時間や、とにかく自分の人生の時間をこちらが考えた何かしらのために、時間を割いてくれたのだ。
そうやって来てくれた人たちは、たとえ1人だとしても、あなたの大切な人だ。
主催がいて、参加者がいて、それぞれが1人ずつでも、それはイベントになるのだ。
あくまで個人的な意見だが、僕は参加者さんの前で
「今日は●●人しか来ませんでした」
とは、あまり言わないほうが良いと思っている。
それは、来てくれた人の気持ちをカウントしないことになるからだ。
運営から見たら不特定多数の1人かもしれないけど、向こうからしたら1人。
だから、こちらもどれだけ参加者が多くて大変だとしても、1人ひとりに大切に向き合っていくべきだ、と僕は思っていて、出来てないなりに頑張ろうともがいている。
ただ、これは昔至らなかったことが多々あって25年過ごしてきた上での2023年の僕の考えなので、そこは理解してほしい。
もちろん僕も過去にたくさんやらかしてきたので。
改めて。
来てくださった皆さん、本当にありがとうございました。
もう僕もすっかりおじさんになりましたが、脳内は21歳くらいでして、そんな拙い奴の思いつきに対して、たくさんの方に応援していただいたこと、決して忘れません。
また、参加できないけども応援してくださった方々も、本当にありがとうございます。
マグロの解体ショーを自分で企画するなんて、人生でも一度あるかないかでしたから、その一生に一度? を実現できて、本当に楽しかったです。
文字とおり、一生の思い出になりました。
また、偶然ですが家族も当日遊びにきていました。
このイベントを長く支えてくれて「わたしも楽しみ」と言ってくれた妻と、うっかり中落ち権利をゲットしててんやわんやしていた息子。
あなたたちの夫または父はこんなにアホだけど、みんなのおかげで楽しく生きていますよ。
いつも本当にすまない。
最後に、この企画を応援してくださったnote社のSさん、
鮪達人の皆さま、協賛してくださったアクラス社の皆さま、
公認自主イベントとして承認してくださった株式会社ポケモンの皆さま。
そして一緒に運営してくれたスタッフのようさん、BASARAさん、エリカさん、カギピくん。
本当にありがとうございました。
同じ企画はたぶんもうやらないだろうけど、
このイベントを経たことで、僕は一歩前に進むことができました。
次はどんなことをやろうかな!
■おまけ
SUSHI杯に来てくださった皆さまへ。
大変ご好評であったSUSHI杯アートのプレイマットですが、運営で話しあった結果、参加者の方限定でご提供させていただく形になりました!
当日参加してくださった方限定となり、
お申し込みが
本日3/13(月)〜3/17(金)
の間で10枚以上あった場合のみとなりますので、
ご了承ください。
僕から連絡をお送りするので、DMができるようにしてくださると。
▼お申込みグーグルフォーム
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