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ArtじゃないArtificial Intelligence(AI)

AI・人工知能EXPOに行った雑感。

私がAIの事業開発を始めたのは、Alpha Goがデビューした2016年頃。
その頃は、期待感が実態よりかなり先行していた様に思う。
そして、海のものとも山のものとも分からないサービスが一杯あった。
(私も一杯つくった。)
いわゆるガートナーのハイプサイクルの頂点だった。

それから6年の月日が経った。

会場全体(隣は量子コンピューティングEXPO)

AI技術がパッケージソフトウェア化され、AIを意識しなくても
誰もが使う事ができ、当たり前のものとして動いている。
技術的に新しいものはあまり無いが、製品として洗練されてきた印象。

ただ、あまりにも地味だ。映えなさすぎる。
2016年からのAIブームに乗って、機械学習を学んだ天才たちが、
こぞってこの業界に参入した時のキラキラ感が全くない。
ハイプサイクルの幻滅期とは良く言ったものだ。

MITから誕生したキラキラベンチャーも地味だ(LUMINOSO社)

もちろん、そもそもAIはただのアルゴリズムで地味だという理由はある。
また、日本的には派手なイノベーションより地味な業務改善系が好まれる
という事情もある。でも、それだけで済ませたくなかった。

結局、何が幻滅なのかと言うと、
新しいアプリケーション(活用事例)が出てきていないという事かと。
画像認識、チャットボット、文書要約、需要予測…。
まだまだ、冷静に見れば、ニッチ産業だ。

地味じゃないファッション×AIもある(Qosmo社)

確かに、囲碁や将棋の世界はAI以前と以後で見方が劇的に変わった。
しかし一方で、「人がやった方が早い」というレベルを超えられていない
アプリケーションが多いのではないだろうか。

(この辺り、ブロックチェーンも同様で、仮想通貨が最も成功している
アプリケーションであるが、トレーサビリティの話などは、
「ブロックチェーンじゃなくても良いんじゃ?」を超えられていない。)

スポーツはAIの良いアプリケーション(HOYU社)

AIは、よく「インターネットと同じぐらいの革命」と言われてきた。
それになぞらえると、2000年にドットコムバブルが弾けて、
その後に、Google等のプラットフォーマーの時代が来ることになる。
それは、WEB2.0と言われた。

なので、AI2.0と呼べるようなアプリケーションができた時が、
幻滅期を抜け出す時なのかもしれない。
それは、精度の問題だけで、もうすでに世の中にあるものかもしれないし、
汎用人工知能やロボティクスを待たないといけないのかもしれない。

以上、AI・人工知能 EXPOで感じたモヤモヤについて
考えを整理したので書き記しておく。

6月14日から、京都で人工知能学会です。














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