日本人の”魂”が反応した瞬間〜Apple新製品PR動画で考えるこれから〜【占星術考察】
昨日、新月図を投稿したばかりですが、早速今回の「牡牛座新月」を象徴するかのような出来事がおきました。
今回は、このことを占星術的目線も含めながら考察してみたいと思います。
今回の、牡牛座新月図はこんなチャートでした。
新月図の解説はこちらから⬇️
まず、牡牛座という「物質」の象徴であるサインでおこる新月のタイミングでこの動画が出てきたことはかなり大きなインパクトだと思います。
そして、太陽・月・金星・木星・天王星が牡牛座に集合していて、ハウスは9ハウス。
以前から続いている木星と天王星の合が今回はMC(社会の頂点)にカルミネートする形であるということ。
木星は拡大と発展をもたらし、天王星は技術革命を意味し、変化をもたらす天体です。『Apple』という会社は天王星の象徴そのものだと感じます。
さらに、9ハウスは「海外」を示すハウスでもありますので、このようなニュースが飛び込んでくるのは星の配置通りとも読むことができるでしょう。
そして、今回のPR動画が物議を醸しているのは実は「日本だけ」と言われているのも興味深いところ。
その点を考察してみたのですが、一つ気がついたことがありました。
トランジットから見る、”日本人が受け継いできた”もの
今回、牡羊座の水星とキロンが重なっています。そしてその2つの天体は8ハウスにいます。
水星はコミュニケーションなどと言われることが多いですが、本来は「ツール」の意味も含まれます。要するに、”道具”を表すということ。
そして、傷ついたヒーラー・キロンと重なるわけです。
そして8ハウスというのは「継承」「相続」「共有」の部屋。向かいの2ハウスが「肉体」「物質」といった”目に見えるリソース”とするならば、8ハウスは”目に見えないリソース”を表す部屋なのです。
では今回の動画がなぜ、”日本人にだけ”衝撃をもたらしたのか?それは、先祖代々受け継がれてきた「日本人イズム」に傷がついたからだと私は思います。
日本では昔から「ものを大切にする」精神が根付いています。
一時期、海外でも日本発信の”MOTTAINAI”が流行りましたが、日本人のそれには劣る部分が大きいでしょう。
日本では代々、針供養などが盛んにおこなわれてきました。今でも長く使ってきた包丁や、愛着の残るぬいぐるみや人形を供養してくれる神社が多数あります。
また、大人気ディズニー映画の「トイ・ストーリー」は、元々はジョン・ラセター氏が作る”ティン・トイ”という別の短編アニメーションでした。
ですが、日本の玩具コレクターである北原照久氏の著書を読み、モノを大切にする精神に触れて、実際に北原氏が運営する日本のブリキのおもちゃ博物館を訪れたことで着想を得たそうです。
そして後に「トイ・ストーリー」は劇場用長編映画としては世界初のフルCGアニメーション作品として、全世界で約3億6200万ドルの興行収入を上げました。この作品でラセター氏はアカデミー賞を受賞します。
世界的大ヒットの映画のインスパイアにも、日本人のモノを大切にする精神は反映されているのですね。
そんな中で、今回のAppleの動画は日本人のホメオスタシスを飛び抜けた衝撃波をもたらしました。
先祖代々受け継がれてきた(=継承)「モノ(=水星)を大切にする」という心を踏み躙るような作品と出会うことになるのですから、悲しみや怒りといった感情を露わにする方も多いことだと思います。
私たち日本人が生み出してきた音楽や芸術作品、アニメーションなどはそれらアナログツールがあったからこそで、私たち日本人はそれら道具を扱う人、そして道具そのものにリスペクトと敬意を払ってきたのです。
「クリエイター、そして”モノを大切にする”日本人への冒涜だ!」という声も聞こえてきましたが、あえてここで私は別の側面を見てみたくなりました。
日本人の心が”反応”した今だからこそ、考えるべきこと
私は今回の動画を見て、少々の衝撃はあったもののここまで日本人の心の奥深くに突き刺さる要因はどこにあるんだろうと考えました。
天体たちの配置的にも、今回の発表は私たちにとってインパクトの出やすいものとなり、波紋は広がるばかりです。
ですが、私はこれを一つのアート作品として捉えたときに何を伝えてきているのか?と読みたくなりました。
これは、どんな時にも言えることですが「怒りは悲しみの二次感情であること」は先日のnoteにも書きましたが、今回も怒りを投げつける日本人がリンクや動画を引用し、各々が思いの丈を綴っています。
…ということは、それだけこの動画に良くも悪くも日本人は「心を動かされた」ということです。
それであるならば一つのアート作品として捉えた時に、この作品が私たちに伝えたいこととはなんだろうか?と自らに問い直すべきなのではないでしょうか?
もちろん、悲観的に捉えた時に「冒涜だ!」という気持ちもわかります。ただ、これが不買につながるなど行きすぎた批判になるのは何も発展を生まないと思うのです。
この動画はiPadを通して「すべてがここ(Apple)に詰まっている」というシンプルなメッセージの他ならないのですが、そのシンプルなメッセージに複雑な感情を抱ける私たち日本人というのはきっと”来る時代”のことを心のどこかで恐れているんだと思うのです。
——— すべてが機械となり、AIが文章を綴り、画像を作成し、レジから人が消える。
「手間暇かけること」が美徳だった私たち日本人は今、内側に眠るこれまで先祖代々受け継がれてきた「日本人イズム」の”継承”において、岐路に立たされているんだと思うのです。
少子高齢化が激しく進み、日本の伝統工芸品などは年々職人が減ってしまい、手に入りづらいものとなりました。
かつて70%以上あった日本の食料自給率は現在38%と言われています。
音楽シーンでもソフトを使ってサウンドを作るアーティストが台頭するなど様変わりしてきました。
手間暇かけて手作りを楽しむ料理も、いつしか「タイパ」「コスパ」と無駄と呼ばれる何かを省いていくようになりました。現在スーパーで売上が好調なのは「冷凍食品」だそう。
決して、これまでの伝統的な生活が良いわけでもないし、新しい生活様式が悪いと言ってるわけでもありません。もちろん逆も然り。
それは、ITなどの技術の進化は日本だけで起きていることではないからです。世界各国でこれまでの生活からの進歩を遂げようとしているんです。
ただ、その中で国民性も相まって、諸外国と比較して大きく経済的発展の面で遅れをとっているのが私たちの住む日本。
日本は12星座に当てはめると「天秤座」だと言われていれます。天秤座はパートナーシップ、外交、契約などを象徴します。島国として諸外国とのパートナーシップが経済や政治を左右するあたりは天秤座の象意の通りだと感じます。
そんな天秤座は土星が高揚する(エグザルテーション)場所と言われています。土星の力が強くなるわけですが、やはりまだまだ日本のイメージは政治家などを見ていてわかるように縦社会であり、年功序列。古いものが良いとされるところは否めません。
そんな中で、今回のクラッシュ動画はある意味私たちに”一石を投じてくれた”と思います。
私たちは新たな200年間の時代の前に「大きすぎるジレンマ」を抱えているのですが、それにきちんと向き合おうとしていません。
伝統工芸品がなくなってしまうかもしれないことには他人事だし、そうかと思えば手元のスマホを肌身離さずSNSの世界では他人のゴシップに言いたい放題。
日本のGDPはいよいよドイツに抜かされ世界4位に。「働きたくない」「だけど給料は上げてくれ」とエネルギーが枯渇状態の現役世代たち。
そんな状態の今の日本人でも、確かにこの動画にだけはよくも悪くも「心を動かされた」のは”事実”なのです。
きっとこれが、冥王星水瓶座に本格的にイングレスする今年の秋までの最後の「ファイナルアンサー」を求められているんだとみんなが自覚するべきなのでは?と感じました。
——— 私たち日本人はどう生きて、どこに向かいたいのか?
——— 私たち日本人にとってどんな未来を手にできたら幸せなのか?
誰もが知っている馴染みのある企業が発表したただの一広告が、日本人の中でここまでの物議を醸すということはそれだけ私たち日本人の”腹底=魂”が「何かを叫んでいる」ということ。
そのことに目を背けずに、これから来るAI時代とどのようにして「共存」していくのか?というのをしっかり考えるべき時にきているのではないかと思いました。
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ただ批評するだけに終わらず、何かの「発見」に繋がれば光栄です。
以上、最後までお読みくださりありがとうございました。
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