Fコードが教えてくれたこと
中2の時にギターを買ったけれど間も無く挫折した。
Fコードが押さえられなかったからだ。
これはギター初心者あるあるだと思う。
それから数年経って大学でこんなことを言う人に出会った。
「Fコードを押さえられなくてギターを止める奴は、これから先の人生でも同じように少しの困難があるだけですぐに投げ出してしまうだろう」
この言葉は私の中に残った。
ショックを受けたのだと思う。
Fコードと人生には関係がないと反発したい気持ちを抱きつつも、ズバリと的を射られたように感じたのかもしれない。
それから20年以上の歳月が流れた。
自分は困難に立ち向かって来ただろうか。Fコードくらいの困難から逃げずに向き合って来ただろうか。
答えはYESな気がする。
俺はFコードから逃げたが、人生からは逃げなかった。
一つの夢を追いかけ達成した。
夢を叶えた後は、新しい夢を見つけ、30過ぎてから大学に入り直して資格を取り、今の職を得た。
充実した仕事、安定した収入、趣味に打ち込める充分な時間。
山根万理奈やグリムスパンキーのliveに通っているうちに、再びギターを弾きたくなった。
パルコで3万5000円のアコギを買った。
Fコードは押さえられなかった。
でもギターは手放さなかった。
それから1年半。
もう、Fコードは普通に弾けるようになっている。