見出し画像

【日刊ドローン情報 No.153】プロペラのない「イオンブースター」採用ドローン。試験飛行に成功

 Undefined Technologies社のイオン推進ドローンについては,No.98でテスト飛行に成功したことを紹介しましたが,たった2か月半で騒音レベルを85dBから75dBにまで低減することに成功したようです。2023年までに70dB以下の騒音と15分間の飛行を実現するという野心的な目標を掲げており,順調なペースで技術開発を進めていると言えます。
 気になるその音ですが,Youtubeに室内での試験飛行映像が公開されていますが,掃除機のような音で,同じサイズのドローンの飛行音に比べるとかなり静かに感じられます。配送用ドローンをターゲットにしているということで,社会の受容性を考慮すると,住宅街でも気にならないくらい静かなドローンを実現する必要があるでしょう。
 課題としては,まだペイロード(積荷)を積んでいない状態での飛行であり,積んだ状態ではより大きな推進力が必要となるため,騒音が大きくなる可能性があるとのこと。まずは,同重量のペイロードを積んだ状態で,既存のプロペラ式のドローンと比較し,圧倒的な静音性を実現する必要があるでしょう。また,動画を見ていて気になりましたが,推進力を生む装置の表面積が広いためか,機体が左右に揺れており飛行が不安定なように見えました。物を運搬するのに必要な推進力を持った機体の開発が完了した後は,いかに安全に,安定した飛行を実現するかといった開発に移行するのでしょう。
 今年の終わりには,さらなる進歩が遂げられていると思いますので,開発の動向から目が離せませんね。
 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?