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【日刊ドローン情報 No.90】日本化薬、不測の事態に備えるドローン用緊急パラシュートシステム「PARASAFE」

 ドローンが予期せぬ動きをした際,緊急停止するのは周囲の人や設備などへの被害を最小限に抑えるために,非常に重要ですが,ドローンが突然上昇し出して制御不能となるようなトラブル(日刊ドローン情報 No.41 参照)が発生すると,突然の出来事で周囲の人を避難させることしかできないのではないでしょうか。
 このような時に備えて,緊急停止の操作をしっかりと覚えておくことが大切ですが,すでに高高度まで上昇してしまったら緊急停止は危なくてできないでしょう。
 そんなトラブルも,ドローン緊急用パラシュートシステムがあれば,躊躇なく緊急停止操作を行うことができます。このパラシュートは日本化薬が開発したもので,実験では機体重量9kgのドローンを高度35mから落下させ,パラシュートで着陸させたところ,プロペラやバッテリーに損傷を与えることなく着陸できたとのことです。35mから9kgのドローンが落下すると,理論的には3秒以内に着地しますが,パラシュートを使用すると7秒程度まで速度を落とすことができるということで,4秒あれば目視で確認して避難するのに十分な時間があります。
 今後,レベル4飛行(有人地帯目視外飛行)が始まるにあたり,下にいる人の安全確保が最重要事項でしょう。将来的には,このような安全装置が義務付けられる可能性もあるのではないでしょうか。

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