生き証人
「これからどうやって心を壊してやろうか。」
そんなことばかり考えていた。笑いながら、でもそれは悲しいことだってみんなわかっている。
君は鋭く尖ったものを自分に向けていた。でもいいんだよ。それで突き刺しさえしなければ、それ以上に悲しいことはないからね、でも君はなぜか笑っていたね。「どうやって壊してやろうか?」それしか頭になかったんだろう。
強いふりをするのはもうやめるんだ。
痛みも何も感じない?そんなものは嘘だ。生きている限りはどんな状態でも人の心はね…蘇るの。
何時間たったろうか?鋭く尖ったものを持ったまま君はまた泣いていたね。永遠に別れを告げることが悲しいのかい?
いや違うね。それとも、それまでの痛みが怖いのか?違うね、その時は本当に何も感じない段階まで来てしまっている。今更その痛みが怖いわけではないんだろう。
君が本当に怖がっている痛みは…支えてくれた人を裏切る痛みさ。
これ以上の痛みはないだろう?
君は、本当に優しいひとだからね。
苦しみを打ち明けること。それが君の人生のテーマだ。
苦しかっただろう。辛かっただろう。
でも、だからって無駄だったなんて言わないでくれ、なんの価値もないだなんて言わないでくれ。
本当に君の人生に価値がなかったのなら、支えてくれる人もこんなに現れなかったから。
ただちょっとツイてなかっただけなんだ。
自分を大切にすることは今の君には難しいだろう。だか信じてほしい。これまでの道のりはとても平坦だったとは言えないけれど、誰も手を伸ばしてくれなかったわけではないことを。そして、手を差し伸べてくれる人がいるということは、それだけ君に生きる価値があると言うこと。
大丈夫だ。君は何度も立ち上がれる。
負けそうになっても。
決して負けなかったのだから。
最後にひとつ君に言いたい。
君は強い人だよ。
ひとつずつ、打ち明けるんだ。これまであった出来事を。そして、君には幸せになれる強さがある。それだけは忘れないでくださいね。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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