騒音 2
今日の仕事はいつもより少しだけ楽だった
帰宅してすぐ洗濯機を回す
まわしている間に洗濯機の中を
じーっと見るのが好きだった。
その時間が取れるということがなによりの癒しだった
洗面所にビールとナッツを持ち込んで
ずっと眺めていた。
今日は湯船にも入ろう。
明日もまた頑張ろう。
次の日。
いつも通り玄関を出て鍵を閉める。
その最中に横目でエレベーターがいま何階にいるかを
確かめる。
もうすぐ降りてきそうならばついでに乗せてもらう為に急いで閉めなければならない
エレベーターの押しボタンの下に貼り紙があることに 気がつく
ここからじゃなにもみえないが1番上が赤い字な事だけで読まなければいけないものだと認識する
近づくと赤い字で【重要】と書かれていた
下ボタンを押しコピー用紙の内容を読む
"生活音について住民の方からご意見がありました
夜中にマッサージ機のような一定の速度の振動や
地面に物を落とすような音が度々しているとの事で
小さなお子様の足音なども含め、今後
くれぐれも生活音には気をつけていただき
皆様で気持ちの良い暮らしを心がけましょう"
管理人さんも大変だなという感想が初めに浮かんだ
このマンションは鉄骨だからあまり響かないように思うし現に私は他の人の音で迷惑だと思った事がなかった。
年配の人も住んでるし、休みの日にはマンションの下で子供達が遊んでいる。家にいると気になる人もいるんだなぁなどと考えながら仕事へ向かった
今日は少し遅い。0時をまわってすぐだったが
金曜日だからか身体は鉛のように重かった。
いつも通り洗面所に向かう。
さっきテレビをつけたら面白そうな深夜番組が
やっていたから早くリビングへ戻ろう。
洗濯機のスイッチを押す
急いでキッチンへ行きビールを出す
帰りに買ったコンビニの小さなサラダと
お昼に食べきれなかった唐揚げをローテーブルに広げる
金曜日は最高だ。
いつもは眠くて仕方がないはずなのに
明日寝坊出来るというだけでなぜだか目が冴える
ソファーに足を投げ携帯を見ていると洗面所から『ドドんっ』と音がした。
おそらく乾燥が始まって大きく洗濯機が横に動いたのだろう。
許容範囲!とばかりに
気にせず携帯を見ていたが
途中で今朝の貼り紙を思い出す。
これ…もしや騒音になっているのだろうか。
洗濯機が騒音?いやいや生活基準だよね。
みんな回してるよね?
回してる時間が悪いって話し?いやいや
仕事から帰ってきたらいましか無理だもん。
しかもうちの階だけに紙が貼られてるわけじゃないよね?マッサージ機って書いてあったし。
そんなふうに考えながら
その日はそのまま稼働させていた