共依存4
家庭事情が重なり、大学進学や専門学校の道に行くなどは許されないと思いすぐに就職をした。
就職先は色々よくしてくれる人達に溢れ、母や父が情緒不安定になった時には早く上がらせてくれたり休憩を長めに取らせてくれた。
それがなければ私はとっくに潰れていた。
その時に周りにいてくれた友達もわざわざその話を出して励ましたりしてくれるわけではなく、ただ、いてくれるだけで支えになっていた。
甘やかされていた私は上司が変わった瞬間。すぐに転職した。辛いつらいと思う生活でも優しい環境にいたことに気付かされた。
転職した先で出会った人と結婚をした。
出会って4ヶ月とかだったと思う。
同時にお腹の中には小さな命が宿った。
当時は本当に好きで付き合って妊娠した
こんなに幸せなことはない
と思っていた。
今思えば、私も母と一緒。生きる為に、家から出る為に、逃げる為に、こういう状況になったのかもしれない。
妊娠した事は母には言わなかった。
罵倒されると思っていたし身重でそれをされることが怖かった。
なのにまだお腹も目立たない時期にランチをしに行った時、『なんか…あんた、、いつもと違うね。顔が。』『まさか妊娠とかしてないよね?』と見抜いてきた。
そんなことあるわけないじゃん。とシラを切ったが、なぜか見抜かれた事に動揺するよりも母はなんでもお見通しなのかという事に嬉しさを感じた。
無事に娘が産まれ、同時に報告したときには『あっそう』とだけ言われた。受け入れるのには時間がかかるだろう事はわかっていた。
それから何年か会わず
娘もよく喋るようになった頃、急に母からうちに来なよ。と連絡があった。
あのおじさんがいるなら嫌だ。と言ったが、ちょうどその日、当時の夫が浮気をしていたことを初めて知った日だった。泣いてわめいて無気力になったけど朝になれば娘に笑顔でいなければいけない。そんな時に連絡が来たのだった。
なんとなく頼りたくなって母の家に向かった。
おじさんは夜まで帰って来ないから大丈夫。そういって娘のために大量に借りていた教育番組のDVDを一緒になって踊っていた。私の小さい時はこんなことしてたっけな?こんな楽しそうな姿見たことあったかな。娘が楽しそうに足踏みをしてるだけで心が和らいだ。
娘がお昼寝の時間に布団を敷いてくれたとき『あんたもちょっと寝たほうがいい』と言われた。娘はすぐに寝に入ったが私は寝る気にもならず夫と浮気相手のメールのやりとりを思い返しては吐き気がするほど泣いていた。寝室をあける音がして、急いで涙をふくと背後から母が背中をさすってきた。
どれだけさすられていたかわからないけれど
それ以上涙が出ることもなく
いつの間にか眠りについていた