HamCup 事件簿
**HamCup DAO 暗黒の時代**
2027年、HamCup DAOは最盛期を迎えていた。創設者のほんていさんは、このプロジェクトが世界的な現象になるとは想像もしていなかった。しかし、HamCupの可愛らしさと独創性は瞬く間に人々を虜にし、メンバー数は1000万人を超えた。
「皆さん、この調子でいけばHamCupが世界を支配するんじゃないですかね」ほんていさんが、はむぶるグランドチャンピオン決定戦の開会式で語ると、歓声が沸き起こった。
まるちゃんの声が一際凄かった。
はむぶるは単なるゲームを超えた娯楽になっていた。YouTuberやアーティスト、スポーツ選手らが参戦し、大騒ぎとなった。この年の年間グランドチャンピオンに輝いたのは就活生のリョウくんだった。ほんていさん自らスカウトを受け、ポスターキャラクターにデビューした。
「リョウくんとコラボした新作ハムカップは、過去最高の出荷数になりそうだ」リョウくんハムカップの人気は絶大で、高齢者からお年寄りまで惹きつけられた。
そのころHamCupは、エンターテインメント分野にも本格進出していた。ゲーム、アニメ、おもちゃなどメディアミックスが行われ、世代を超えた人気を獲得した。
2028年、ついにハムカップのテーマパーク「ハムランド」が開園した。その規模と没入感に観客は唖然とした。ほんていさんは「ハムカップの可能性は無限大。笑顔があふれる社会を夢見ています」と熱いスピーチを行った。
同年、HamCupの年間純利益は1000億円を超え、会社の時価総額も世界一となった。しかしHamCupは非営利団体で、利益はすべて普及活動と慈善事業に注がれた。
2029年のはむぶる年間チャンピオンは13歳の中学生だった。賞金1億円を喜び、CMキャラクターに抜擢された彼は新作ハムカップのPRを務め、ヒットを連発した。
そうしてHamCupブームはますます加速し、世界中の人々になくてはならないものとなっていった。しかし、その裏で危険な動きも垣間見え始めていた。
だかかつてHamCupに見初められながらも投げ出した人々が、その影響力の大きさに失意と嫉妬からくる憎しみを抱いていたのだ。中にはHamCupを破壊しようと極端な行動に走る者すらいた。彼らは「ハムカップ回帰団」と呼ばれ、テロ組織のような存在となっていった。
ほんていさんは、リョウくんらと共にハムランドを歩きながら、こう語った。「きっとうまくいくよ。ハムカップを守り抜けばいつかは道は開けるはずだから。」力強い言葉を力なく濁した。
2030年に入ると、ハムカップ回帰団の活動は過激化の一途を辿った。ハムカップイベントや施設へと次々と攻撃が加えられた。そしてついに、リョウくんが過激派に人質を取られる事件まで起こってしまう...(続く)
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