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HamCup学園 田中ぽんた



田中ぽんたは、高校に入学したばかりの明るく活発な男の子。中学時代から、人を笑顔にすることが大好きで、いつかは芸人になりたいと密かに夢見ていた。高校でも、そのムードメーカーぶりは健在で、クラスメイトからの信頼は厚かった。特に、HamCupというハムスターNFTプロジェクトでは、ぽんたの明るさが欠かせない存在だった。

ある日、文化祭の出し物を話し合う中で、ぽんたは真剣な面持ちで切り出した。

「みんな、聞いてくれ。俺、今年の文化祭、漫才でステージに立ちたいんだ」

突然の宣言に、クラスメイトたちがざわめく。

「えっ、ぽんた、漫才がしたいの?」
と、あこが驚きの声を上げる。

「実はさ、オレ、ずっと芸人になりたいと思ってたんだ。人を笑顔にする喜びを、もっと多くの人に届けたいんだ。だから、この文化祭で、みんなの前で漫才がしたいんだ」

ぽんたの瞳には、芸人への熱い憧れが宿っていた。幼い頃から、テレビで見る漫才師たちに魅了され、いつしか自分もステージに立つ姿を夢見るようになっていたのだ。

しかし、クラスメイトたちの反応は芳しくない。

「漫才って、専門的な技術がいるんじゃない?」
「素人にできるのかな...」

不安げな声が上がる中、一人の男子生徒が立ち上がった。

「よし、ぽんた。俺も漫才やりたい」

それは、ぽんたが以前から気になっていた、たまねぎ太郎だった。

「えっ、たまねぎ太郎...!?」

思わぬ助け舟に、ぽんたの瞳が輝く。

「実は俺も、お笑い番組が大好きでさ。ずっと、漫才コンビを組んでみたかったんだ。ぽんたの提案、面白そうだと思ったんだよね」

たまねぎ太郎の言葉に、ぽんたの心は躍った。運命的な出会いを感じずにはいられない。

たまねぎ太郎の後押しもあり、クラスメイトたちの空気が変わってくる。
続けて、HamCupメンバーたちが立ち上がった。

「私たちも、ぽんたの夢を応援したい!」
と、HamCupの広報、丸腸が力強く宣言する。

「そうだよ。ぽんたなら、きっと面白い漫才ができるはず」
と、ファウンダーのほんてぃも賛同の意を示す。

「みんなで力を合わせれば、素敵な文化祭になるわ」
優しいあこの言葉に、ぽんたの目頭が熱くなる。

「ぽんた、俺たちも全力でサポートするぜ!」
親友のむらが親指を立てて言った。

仲間たちの支えに、ぽんたは感動で言葉を失う。

「みんな...ありがとう!」

こうして、HamCup漫才プロジェクトが始動した。
ぽんたとたまねぎ太郎、二人の特訓の日々が幕を開ける。

放課後、二人は校舎裏の一角に集まった。

「まずは、漫才の基本だな」
たまねぎ太郎が真剣な表情で語る。

「ツッコミとボケの掛け合いが命だよな」
ぽんたも熱心にメモを取る。

二人は毎日のように練習に明け暮れた。ネタ作りに、掛け合いの確認。時にはぶつかり合い、時には笑い転げながら、少しずつ漫才の技術を磨いていく。

休日には、二人で漫才のDVDを見まくった。憧れの芸人の技を研究し、自分たちなりにアレンジを加える。そうして生まれたネタを、放課後の練習で披露し合う。

ぽんたの明るいボケと、たまねぎ太郎の鋭いツッコミ。徐々に、二人の息は合ってきた。練習を重ねるごとに、ネタにも磨きがかかっていく。

時には、ぶつかり合うこともあった。

「ぽんた、そこのボケ、もっとインパクトが欲しいんだよ」
「えー、でもこの流れならこれが自然じゃん?」

口論になることもしばしば。でも、二人の目標は同じ。最高の漫才を作り上げること。ぶつかり合いながらも、互いを高め合っていた。

練習の甲斐あって、ぽんたとたまねぎ太郎の漫才は、日に日に面白さを増していった。



文化祭が近づき、ぽんたとたまねぎ太郎の練習はさらに熱を帯びていく。放課後はもちろん、休み時間も利用して特訓に励む毎日。教室では、二人の漫才を楽しみにする声が徐々に大きくなっていた。

そんな中、文化祭前日の放課後、ぽんたは一人、校庭のベンチに腰掛けていた。

「ねぇ、たまねぎ太郎。俺、本当にこれでいいのかな...」
たまねぎ太郎に、ぽんたが不安げに呟く。

「どうしたんだ、ぽんた。明日の本番を前に緊張してるのか?」
たまねぎ太郎が隣に座り、優しく尋ねる。

「いや、それだけじゃないんだ。実は今日、他のクラスの奴に言われたんだ。『HamCupの他の運営メンバーは忙しそうにしてるのに、ぽんたは漫才の練習ばかりだな。本当にそれでいいのか?』って...」

ぽんたの言葉に、たまねぎ太郎は眉をひそめる。

「そんなこと気にすることないだろ。漫才だって、文化祭のためだし、HamCupのためでもあるんだからさ」

たまねぎ太郎の言葉に、ぽんたは小さく首を振る。

「そうなんだけどさ...正直、自分には特別なスキルなんて何もないんだ。絵が上手いわけでも、音楽ができるわけでもない。パソコンだって詳しくない。本当はHamCupの輪の中にいるのも、場違いなんじゃないかって...」

ぽんたの告白に、たまねぎ太郎は真剣な眼差しで語りかける。

「バカ言うなよ、ぽんた。お前は人と人を繋げる天才なんだ。HamCupだって、お前がいるから毎日が楽しいんだろ?それは、誰にでもできることじゃない。お前にしかできない、大事なことなんだ」

「たまねぎ太郎...」

「それにさ、HamCupにいる大半の人は、特別なスキルなんて持ってないんだ。みんな、HamCupが好きだから集まってるだけ。そこに居場所があるから、楽しいから来てるんだよ。お前だって、そうだろ?」

たまねぎ太郎の力強い言葉に、ぽんたの瞳から涙があふれる。

「俺、もっと自信を持つよ。HamCupのために、漫才のために、全力で頑張るから!」

「おう、それでこそぽんただ!俺たち、最高の漫才コンビになろうぜ!」

二人は固い握手を交わし、夕焼けの校庭に立ち上がった。
HamCupの仲間たちの支えがあれば、きっと乗り越えられる。
そう信じて、ぽんたは明日のステージに思いを馳せるのだった。


文化祭当日。
高校の校舎は、色とりどりの装飾に彩られ、活気に満ちていた。

ステージ袖では、出演者たちが集まっている。緊張の面持ちのぽんたとたまねぎ太郎に、先輩方が声をかけた。

「あら、ぽんたくんとたまねぎ太郎くんじゃない。初舞台、緊張してる?」
明るい声をかけてきたのは、女性デュオ『晴れりんご』の晴れ子先輩だ。

「は、はい!初めてのステージで、ドキドキしています...」
ぽんたが緊張した様子で答える。

「リラックスリラックス!深呼吸をするのが一番だよ」
そう言って、もう一人の『晴れりんご』、赤りんご先輩が優しく微笑む。

「そうだね。緊張は誰にでもあるものだよ。でも、いざステージに立てば、きっと最高のパフォーマンスができるはずさ」
隣で談笑していた、男女コンビ『さくりこ』のさくら先輩が励ましの言葉をかける。

「ぽんたくんとたまねぎ太郎くんの漫才、リハーサルの時から面白かったもんね。本番も楽しみだわ」
『さくりこ』のりこみそ先輩も、ニッコリと微笑む。

「先輩方...ありがとうございます!」
先輩方の優しさに、ぽんたは感激の涙を浮かべる。

「おいおい、感動するのはまだ早いぜ。本番が終わってからだ」
そこへ、HamCupメンバーのアイスやパンも駆けつける。

「そうだぞ、ぽんた。オレたちも客席から応援してるからな」
アイスがぽんたの肩を叩く。

「みんな...心強いよ。必ず、最高の漫才を見せるからね!」
ぽんたが力強く宣言すると、HamCupメンバー全員が拍手で応える。

そのとき、ステージから声が響いた。
「ありがとうございました、漫才コンビ『ダブルたろう』!」
会場から惜しみない拍手が送られる中、『ダブルたろう』がステージを後にした。

「次は、いよいよぽんたとたまねぎ太郎の出番だな」
アイスがステージを見つめて呟く。

「続いては、HamCup漫才コンビ、『ぽんたまネギーズ』登場です!」
司会の声が響き渡る。

「よーし、たまねぎ太郎、行くぞ!」
「おう、ぽんた!最高の漫才をぶちかましてやろうぜ!」

先輩方に見送られ、意気揚々とステージへと向かう二人。
文化祭のステージ、そこは彼らの新たな伝説が始まる場所だった。

「はいどーもー!HamCup漫才コンビ、『ぽんたまネギーズ』のぽんたと...」
「たまねぎ太郎でーす!」

息の合ったコンビ名披露に、早くも会場が沸く。
続けて、ぽんたが客席に語りかける。

「今日は、HamCupの輪の広がりを感じられる、最高の日になりそうだね!」
「なんだよ、唐突に真面目ぶって。オレたちは漫才をしに来たんだろ?」
鋭いツッコミを入れるたまねぎ太郎。
ぽんたのボケがたまねぎ太郎のツッコミを呼び、たまねぎ太郎のツッコミがぽんたのボケを加速させる。

息の合ったやり取りが、観客席を爆笑の渦に巻き込んでいく。
ラストには、HamCupへの愛を込めたぽんたのボケに、たまねぎ太郎が優しくツッコむ。

「HamCupは、ハムスターを愛する者たちの、最高の居場所なんだ」
「お前のハートの居場所でもあるだろ、ぽんた」
「もちろん、たまねぎ太郎もな!」

見事なオチに、観客席からは割れんばかりの拍手が起こった。

ステージを降りたぽんたとたまねぎ太郎を、HamCupメンバーが出迎える。

「ぽんた、たまねぎ太郎、最高の漫才だったよ!」
丸腸が目を輝かせ、二人に駆け寄る。

「ありがとう、みんな!」
感涙するぽんたに、メンバー全員が熱い拍手を送った。

文化祭の余韻が残る中、ぽんたは大切な仲間たちへの思いを胸に刻んでいた。

「オレ、この最高の仲間たちと一緒に、夢を追いかけていきたい」

芸人になる夢、そしてHamCupを盛り上げていくという使命。
たまねぎ太郎という最高の相方を得て、ぽんたの高校生活は、新たな喜びと希望に満ちていた。

文化祭が終わり、放課後。
ぽんたとたまねぎ太郎、そしてHamCupメンバーは教室に集まっていた。

「改めて、文化祭お疲れ様!ぽんたとたまねぎ太郎の漫才のおかげで、HamCupの存在が多くの人に知れ渡ったよ!」
丸腸が誇らしげに語る。

「いやいや、それはみんなのおかげだよ。いつもオレたちを支えてくれて、ありがとう!」
ぽんたが仲間たちに感謝の気持ちを伝える。

「こちらこそ、ぽんたとたまねぎ太郎の漫才に刺激を受けたよ。オレも新しいことに挑戦してみたくなったんだ」
アイスが真剣な眼差しで語る。

「わたしもよ。ぽんたとたまねぎ太郎が前を向いて頑張る姿に、勇気をもらったの」
あこが微笑みながら言う。

「それって、つまり...」
むらが期待を込めた目でぽんたたちを見つめる。

「そう!これからは、HamCupみんなで新しいことに挑戦していこうよ!」
ぽんたの提案に、メンバー全員が歓声を上げた。

「わたしは、ギターを始めてみようかな」
「じゃあオレは、ベースを弾くよ!」
「私はキーボードに挑戦してみたいわ!」

次々と手が上がる中、ぽんたも負けじと声を上げる。

「オレはボーカルで!たまねぎ太郎もラップで参加しようぜ!」

「おう、任せとけ!」
たまねぎ太郎も、親指を立てる。

教室が笑いと希望に満ちる中、ぽんたは改めて仲間たちの大切さを実感していた。
HamCupという居場所があるからこそ、みんなはありのままの自分でいられる。
そして、互いに刺激し合い、新しい可能性に挑戦していける。

「次は、HamCupみんなで最高のパフォーマンスをしようぜ!」
ぽんたの力強い言葉に、メンバー全員が熱い拍手で応えた。

こうして、ぽんたとHamCupメンバーたちの、新たな挑戦の日々が始まった。
彼らの等身大の青春は、まだまだ始まったばかり。
無限の可能性を胸に、かけがえのない仲間とともに。
ぽんたは、希望に満ちた未来を思い描くのだった。

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