HamCup怪談小噺2
深夜の図書室
もみじは、HamCupの図書室で夜遅くまで仕事をしていた。彼女は明日の重要な会議の資料作りに没頭し、時間の経過に気づかなかった。
時計が午前2時を指した時、もみじは疲れた目をこすりながら伸びをした。「そろそろ帰ろうかな」と彼女は呟いた。
突然、部屋の隅から本が一冊、床に落ちる音がした。もみじは驚いて振り向いたが、そこには誰もいなかった。
「気のせいかな...」と思いながら、彼女は落ちた本を拾いに行った。
その時、もみじは背筋が凍るような感覚に襲われた。本棚の間から、かすかな吐息が聞こえたのだ。
震える手で本を拾い上げると、そこには「深夜の図書室」というタイトルが。もみじが恐る恐る開いてみると、そこには今この瞬間の自分の姿が描かれていた。
本を落とし、もみじは急いで出口へ向かった。ドアに手をかけた瞬間、背後で誰かが「こんな夜更けまで、ご苦労様」と囁くのが聞こえた。
振り返る勇気もないまま、もみじは図書室を飛び出した。翌朝、彼女が同僚のラッキーに昨夜の出来事を話すと、ラッキーは首を傾げた。
「おかしいな。うちの図書室に『深夜の図書室』なんて本はないはずだよ」
その日以来、もみじは決して夜遅くまで図書室に残ることはなくなった。しかし、彼女はときどき、本棚の影に誰かの気配を感じることがあった...
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