シーズン1 北海道編
僕がまだ専門学校に通ってる時に、たまに行く神戸のご飯屋さんにいた2歳上の彼女と意気投合、めでたくお付き合いがはじまりました
彼女と過ごす一年はいろいろ思いでも作ることもでき、楽しい事ばかりの毎日だった
彼女は卒業が迫ってきていた
てっきりこちらで就職先を探すのだと思っていたら地元へ帰ると告白された
まさかの突然の遠距離
彼女は大学卒業を期に地元、北海道へ帰ることに
実家は網走
遠距離なんて初めてだったので帰った後も、何度か彼女がこちらにきてくれることが多く、学生だった僕に気を使わせないようにしてくれていた
時間が流れ、僕は新卒採用の前にインターンで働いていた会社へ就職することになった
初給料が5月に入り6月中旬にちょうど彼女の誕生日
サプライズで行こうと計画
初めての一人旅
伊丹空港から札幌
札幌から女満別空港
トランジットも初でちゃんとできるかドキドキもの
ただ、サプライズで行くので喜んでくれるだろうという気持ちがいっぱいだった
目的地の女満別空港へ
初めての空港
最初プロペラ機にビビりまくり、落ちないかと心配でずっとヒヤヒヤしていたが到着してしまえば何の事なし!
レンタカーも手配済み!
ホテルも手配済み
サプライズなので聞いていた住所へ車で1時間半もへっちゃら
到着してみると意外と可愛らしいお家に住んでるなと
2階の5号室
部屋のベル鳴らすと・・・・
知らない女性が出てきた
「まちがいました。すみません」
ポストの表札は合っているんだけど・・・
もう一度、ベルを鳴らして念のために確認してみたところ、引越しを1週間前にしてきたところでポストに表札があることを知らなかったようだった
何度も、すみませんでしたと謝罪して後にした
さてさて、困ったものだ・・・
ひとまず、ホテルへチェックインに行く時間なので中心街へ
移動中に思い出したのが彼女の母親が何かあった時にと連絡先を教えてくれていたのを思い出した
ホテルへ向かう前に念のため電話をしてみた
もちろん実家なので緊張です
ど平日なので在宅されているかわからないので運試し
半分繋がらなかったらいいかなって思った
「はい〇〇です」
「〇〇ともうします。神戸でおせわになりました。覚えてくれていますか?」
と普通の会話から初めて、本題に
「実は、お誕生日なのでサプライズで北海道まで今来ていまして〇〇さんに教えてもらっていた住所に立ち寄ったんですが、引越しされていたようなんです」
「1ヶ月前に引っ越してるのよ。あの子、抜けてるから伝えたつもりになっていたのかもね。今はそこから車で20分のところに引っ越してるから住所をお伝えするわね。あの子も喜ぶわきっと」
教えてもらった住所へナビを設定して向かうことに
土地勘なさすぎて、20分のところが・・・15分でつく
北海道の道って混んでないのね
到着したアパートは真っ白な木造の建物
1階が駐車場で2階が住居のような作り
関西ではあまり見かけないタイプの建物で思わず写真を撮ったのは思い出に残っている
3号室とのことだったので車から降りて向かおうとしたところ、扉が開いた
びっくりしすぎて慌てて、隠れるようにしてしまった。
隠れたのがよかったのかわるかったのか・・・
男性が先に出てきた
また、間違ったか?っと思ったのだが彼女も一緒にでてきたので部屋は合っていたようだった
親しい感じで歳は僕よりも下のように見えた
そのまま、一階の駐車場へ行き止まっていた車に乗り込み何処かへ行った
弟さんがいた記憶もないので、ひとまず様子を見ようと自分に言い聞かせていた
向かいにホームセンターがあったので駐車場で2時間ほど待つことになった
彼女の車が戻ってきて運転席にその男性が
2人で一緒に戻ってきたところに、塞ぐように私は車を止めた
助手席に乗っていた彼女はびっくりしていたが、隣にいた男性は邪魔なんだけどって顔をしていた
鉢合わせをしたので気まずそうにしていた彼女は男性に自分の車で帰るように言っているようなそぶり
数分のやり取りだったが男性は僕の方を睨みつけ帰っていった
僕はすでに気持ち的に下がり気味だったので誕生日のプレゼントだけ渡してホテルに帰るつもりだった
だけど、彼女から少しドライブをしたいと提案があり彼女の車でドライブをすることに
助手席に乗ると懐かしい彼女がつけている香水の香り
ドライブしながらいろいろ話をした
内容はほとんど覚えていないけど
先ほどいた男性は、もう半年以上一緒にいる友達(彼氏)だそうだ
僕とはすでに別れていることになっていた
仕事で辛いことが多くすぐに会える人がほしかったと。。。
最後に会いにいった時に僕に「もう、会いに行けない」って話したと
それが別れ話だったそうだ
それから普通に電話やメールなどのやり取りを欠かさなかったのに僕は気がつくこともないまま今に至っていた。
「鈍感すぎるよね」
「私の伝え方が悪かったから。ごめん。誕生日祝いに来てくれてありがとう」
1時間ほどドライブしていた気がする
一応、何日こっちに滞在しているか伝えたがもう会うこともできないと言われた
そりゃそうだよね
別れ際に、彼女が私に言った言葉が
「私はいい女じゃないから、もっと素敵な人見つかるよ。わざわざ来てくれたのに嫌な顔せず話してるけど、もっと私のこと怒っていいんだよ。」
って
そんなこと言われたら何も言えないから
僕は笑って
「悟り開いてるわけじゃないけど、声荒げて喧嘩別れするより話して別れる方がいいから」
バイバイして僕はホテルのチェックインを済ませに向かうことに
ホテルも良いところとったんだけどなとか考えながら涙が止まらなくなり動けなくなった
なんとかホテルへ行きチェックインも済ませ、2日目から部屋ランクアップする予定だったのを忘れていた為、確認のためコンシェルジュさんより説明を聞いている時、、、涙が止まらなくなり泣き崩れしまった
慌ててコンシェルジュさんやちょうど支配人も居合わせていたので落ち着くまでロビーで暖かいドリンクなどを頂いていた
心配してくれた支配人が話を聞いてくれ、内容を理解し翌日分の宿泊はキャンセルしてもいいよと
初めての北海道に来てくれたのに悪い思い出のまま帰ってもらいたくないからと、ホテル支配人直々にお友達の旅館を予約してくれた
老舗温泉旅館だったが貸切同然の夢のようなよい待遇
僕の事情も伝わってたようでとても暖かく迎えてくれた
温泉も貸切、食事もゴージャス
至れり尽くせり。。。
良い思い出ができた
本当に皆さんの親切さに心が癒された
旅の間に彼女からメールがきていた
「お花ありがとう。もらってなんだけど必要ないから返すね。このメールの返事はいらない じゃあ」
こんなメールだったはず
北海道からどうやって帰ってきたかも覚えていないぐらい帰りは独りでつらく
最後に千歳空港でたべたラーメンがとてもおいしく感じなかった事だけ憶えてる
ちょうど自宅につき、離れで住んでいた僕に家族から荷物が届いていると聞き、受取に実家へいくと北海道から荷物が
まさかの誕生日に贈っていた花束の箱
中には2つに折られた薔薇と誕生日プレゼント
信じたいけど彼女がやったわけではないと今でも思いたい
fine