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1つの目的・意図を一方的に押し付けるのは戦略だとしても違う気がする

仕事中の話。

新人さんのデザインチェック

とあるIT企業のデザイナーとして働く私は、新人さんのデザインチェックを行うこともある。そういう時に、どこまでチェックをすべきか迷ってしまうことがある。

構成やデザイン面において、誰が見ても明らかに修正した方が良いものについてはもちろん修正を入れる。一方で、掲載要件を満たしているが、構成を大幅に変更したもの1パターンで出してきたときに迷う。

先日のチェックで中途で入ってきた新人さんが出してきた初稿は、戦略的に1パターンのみ提案するというもの。今後、プロダクトのデザインを行う上で、構成などについても主導権を取るため、という説明だった。

確かに、ただワイヤー通りに作るのはデザイナーの役割ではない。これには同意する。ただ、デザインを1パターンのみしか作らないという行為は、その他の可能性を排除していると言い換えてもいい。

期待効果別にパターンを提案することが重要

デザインに絶対的な答えはない。Aパターンだったら〇〇という効果が期待できる、Bパターンだったら△△という効果が期待できる、Cパターンだったら……というような感じで、目的に応じて異なる期待効果、新たな体験を生み出すのもデザインの役割だと自分は思っている。

だからこそ、デザイナーは最低でも2パターン、期待効果の異なるパターンを上げるべきだ。デザインはアートではない。いかに工数に関わってこようと、期日内にFIXさせる前提でパターン出しができるだけの制作レベル、スキルレベルを上げるためにも、デザイナーならやるべきだと思う。

そして、主導権の有無は仕事のやりやすさなどに大きく関わってくる。しかし、何が目的なのかもう一度考えるべきだ。戦略的に1パターンのみを仕上げるのは、どう考えても自分の影響力を誇示したい・今後の仕事のやりやすさを上げたいという、全ての目的がデザイナー自身に集約するものばかりに思えてしまう。

デザイナーも人によっていろんな考えがあるよね

ただまぁデザイナーで何の意図も目的もなくデザインしている人は少ないだろう。なのでいろんな意見があっていいんじゃないかとも思う。実際、自分のデザインを選んでもらうには、提案の戦略は大事だし。ということで、今日も一つ学びました。

■本日のオススメ本

インハウスデザイナーだと、その会社内での経験知のようなものが自然とついてしまう。言い換えれば目線が凝り固まってしまうことがある。特に、WEBやアプリを運営している企業だと多いのではないか。

本書ではWEB・アプリのUI、そして人間の認知など心理学について、様々な視点で捉えている。UIについての視野を広げるために読んでおいて損はない良書。

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