かたくなに「美味しい」と言わないおかあさん
おかあさんに料理を作った。
手料理をふるまうぞー!ってわけじゃなくて、
み「こんなご飯が食べたい」
母「じゃあ作ってみてくれる?」という流れ。
わたしには、おかあさんのその半笑いが
「こんなご飯のどこがいいんでしょうかねえ?」
と言ってるように見えてる。
真実はコナン君も金田一少年もわからない。
いやいやいや、
これ、めっちゃ美味しいだろうが。
そんでもって一見手間かかってそうなのに、
ほったらかしでできるお手軽バランス良しメシだろうが。
何か言えや。
もう一度聞いてやろう。
かたくなに美味しいという言葉だけは
言わないおかあさん。
美味しいと言ったら負けの世界線を生きてるのかな?
はたまた、ミシュランガイドブックの調査員で、
そう簡単にはホシはあげられませんよってこと?
「美味しい」以外で料理の味を表現する、
新手の彦摩呂って可能性もある。
いや、ホワイトソースで白米は食べられないよってことかな?
それとも、美味しい料理を作るわたしが許せないのかな?
曖昧な態度で何も答えないから、
こちらは、ここまで考え込んでしまう。
おかあさんはわたしのことが憎いのかなあってさ。
結局ひとことも美味しいと言わなかったし、
彼女がこの料理を作ることはなかった。
まあ、おかあさんてわたしと同じで
心から思ったことしか口にできないんだよね。
まじ勘弁。
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ここだけの話、私には夢があります。
それは、飛行機や新幹線の機内冊子にエッセイを書くこと。
ひとの移動に、寄り添いたい願望。
憧れるなあ。