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バッグを持ってない小学生のビニール袋作戦

小学生のころ、ちょうどいいバッグを持ってなかった。

サイズ、可愛さ、おしゃれさにおいて
遊びに行くのに「これ!」というバッグが、ない。

学校にはランドセルがあればそれで十分だけど、
放課後にお友達の家に行くには
1回家に帰って、
おやつを持っていくのがマナーでしょ?

そこで発生するミッション。

バッグ持ってない人は
どうやってお菓子を持ってったらいい?


ランドセルに入れていく…?
いやいや、帰宅したのにランドセルを
置いてくるのを忘れたフリをするなんて、
さすがに無理がある。

お菓子、しっかりランドセルに入れちゃってるから、ウッカリは厳しいかも


手掴みで持ってく・・・?
いやそれはさすがにワイルドすぎる。

ルマンドは粉に帰す


そこで、小学生のちゃんみーは考えた。

ビニール袋に入れて
『今買ってきました感』を出す。

ほら!!!どうよ!!?
すっごく自然でしょ?

これだ・・・!
ヨシ・・・・イケる!

もしくは、
ちょっとしっかりした
紙袋をつかう。

あらすてき!

・・・これもバレない!

しっかりめの紙袋は
プレゼントっぽさがあって、可愛いはず。

家からお菓子を持ってきたことは明らかだけど、
肝心の「おしゃれなバッグを持ってない」ことは隠せる。
紙袋で、気をそらせる術!

どちらもギリギリアウトだよなと
心の片隅で思いつつも、
ちゃんみーの中のカイジがこう言う。

漕ぎ出せっ・・・!
勝負の大海へっ・・・!

(マミーマート御用達)


ビニール袋や紙袋でお菓子を持ってきても、
友達から「どうしてバッグじゃないの?」って
触れられたことはなかった。

優しさだったのか、
奇術に恐れをなしたのか。

いずれにせよ、
今日もバレなかった、よかった…と
胸を撫でおろして家路につく。

いや、家庭科の時間で作った
キルト生地の紐リュックはあるよ?

ショボーン・・・

デザインも好きで、
サイズもカジュアルさも
「これはいい!」と思える完璧な出来。

でも学校の授業で作ったものを
日常使いするのは恥ずかしかった。

使うとしても、それはもう
災害の時とか、非常時。
最後の最後の砦。


「バッグがほしい」と親に言えたらどれほど楽だろう。

でも、洒落っ気づいた気がして恥ずかしい。
それに、自分のためにお金を使ってもらうことに気が引ける。

欲しいけど、欲しくないんだ。

ちょうどいいバッグがあれば恥ずかしくないのに、
お願いする勇気がなくて、
結局は自分から恥ずかしい状況に飛び込んでいる。

飛んで火に入る夏のちゃんみー。

恥という業火に焼かれつつ、
今日まで何とか生き延びている。


海外の人に日本のランドセルが人気で
日常的づかいのカバンとして活躍してるらしいよ。
いいなあ、その世界。

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ちゃんみー|切なさが9割
ここだけの話、私には夢があります。 それは、飛行機や新幹線の機内冊子にエッセイを書くこと。 ひとの移動に、寄り添いたい願望。 憧れるなあ。