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歌が下手だとバレないように頑張る中学2年生

家で鼻歌を歌っていたとき、
バリッバリに尖っていた反抗期の兄から言われた一言。


「その下手くそな歌、やめてくんない?」


ずっとずっと心に刺さってる。
彼はきっと、覚えていないだろう。

その言葉を受けて、
ただひたすら恥ずかしいと思った。

一瞬でダンマリ。

しゅん・・・


「なんでそんなこと言うのよー!」と訴えることもないし
上手くなってやろう、という反骨精神も芽生えなかった。

ちいさなちゃんみーはその後
家族の前でも歌わないことで、自分を守った。

でも学校では
音楽の授業や合唱祭があるし、
歌わざるをえないよね。

合唱祭の歌練習では、毎回居残りさせられてたよ。

バッチリ歌えてるはずなのに
なんで居残りしないといけないのって思ってたけど
兄が言う通り、本当に下手だったんだろうな。

ちなみに腹式呼吸をどうやるのか、
いまだにわからない。

先生にお腹をグーっと押されて歌ってみるけど
何が違うのかわからなかったな。


それでも音楽の先生、一度も
下手とかズレてるとか言わなかったの、優しいね。

通知表オール5を阻むのは、いつも音楽だったけど。
情けの「3」。


一応、友人とカラオケに行ったことはあるよ。

その約束が決まった日から何を歌うか
リストアップしてこっそり練習したり


最初に歌っちゃうのがハードル高くなくていいかなって
立ち振る舞いをイメトレしたり

マイクを握ってはすぐ人に回したり

音階とかエコーとかの装置をガチャガチャいじくって
「あれ?あれ?」みたいなムーブかまして途切れ途切れで歌ったり


はたまた、何を歌うかめちゃくちゃ悩んでみせたり


人が歌ってるところに被せて
マイクなしでコーラスで参加してみたり
(まるで1人で1曲を歌いきったかのようにやり切った感を出す)


存在証明が如く
タンバリンマラカス部隊として活動したり



その2時間余りをどうやって自然に過ごすか
血の滲むような努力と気苦労をしたんだよ。

なんでそんなに無理してカラオケ行くのさ?って感じだよね。
こうやって文字にしてみると、めちゃくちゃ厄介者。
一緒に行かない方がよかったよ〜・・・。

でもね、飛んで火に入る夏のちゃんみーだからさ、
そっちを選んじゃうんだよねえ。

その時は
「歌が下手だから断るんだあ・・・」って思われるのが
恥ずかしくていやだったんだ。


まあでも、次第に友人から誘われなくなったし
万が一誘われても断れるようになった。

めでたし、めでたし。


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ちゃんみー|切なさが9割
ここだけの話、私には夢があります。 それは、飛行機や新幹線の機内冊子にエッセイを書くこと。 ひとの移動に、寄り添いたい願望。 憧れるなあ。