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男の子の手を大胆に握ったちゃんみーの乙女心はズタボロ

もー、あずさってば〜。


休み時間、手洗い場で手を洗って教室に戻ろうとしたら
ドアのところから手がのぞいてた。

ちゃんみーが手を洗いに来る前にじゃれ遊んでた
あずさの手だなって思った。

だから、その手を握ってやった。

キャッチー!

・・・・・・・・・。

やけに静かなあずさ。
どうしたんだろう。
あと、意外と手が大きいんだなあ。

って思った3秒間。
ドアから現れたのは、佐藤くんだった。

心臓の場所がここにあるってわかるほど動いて、冷や汗ドバッとかいた

佐藤くんは私にどう思われるとか全く気に留めず
無言でめちゃくちゃ不快な顔してた。

わー、ゴメンゴメンゴメンゴメン。ごめん。ごめんなさい。
佐藤くんの手だと知ってたら絶対やらなかったよ。
知らなかったんだよ!!!
手繋ぎたかったわけじゃない!

そんなことを思っていたけど
普段から話したことない佐藤くんに対して
必死の弁明がスラスラと出てくるはずがなかった。

脳の処理が追いついてないなか、
彼はスッとちゃんみーの横を通り過ぎる。

どこ行くんだろうとその背中を追ったら
手洗い場に向かった。

まじ?!

手を、洗い始めた。

握られた手を洗いたくなるほどの嫌悪感が
私にはあるんだと思ってめちゃくちゃショックだった。
恥ずかしかった。

ちゃんみーがすごく可愛かったら
結果は違ったんじゃないかってことも想像した。

佐藤くんはまた私の横を通り過ぎ、
何事もなかったように教室に入って机に座った。
3時間目が、始まった。

ちゃんみーの心臓は、まだ痛む。


佐藤くんは野球を頑張ってる男の子。

今ままで話したことなかったし
それ以降も話すことはなかった。

あと、野球のこともちょっと嫌いになった。


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ちゃんみー|切なさが9割
ここだけの話、私には夢があります。 それは、飛行機や新幹線の機内冊子にエッセイを書くこと。 ひとの移動に、寄り添いたい願望。 憧れるなあ。