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「これだけ?」から始まる食事時の修羅場


ちゃんみーのおうちは、週に何回か山賊メシ。


大皿に肉、片手に茶碗。
肉米肉米のラリーが直線距離で続くから
5分で食べ終わる食事、
山賊としては理にかなってるでしょ。


ある日、早めに練習から帰ってきた
反抗期真っ盛りのお兄ちゃんと、
おかあさんと3人で食卓を囲んだ時に
その山賊メシが出された。

するとお兄ちゃんが気だるそうに一言。
「ごはん、これだけ?」


あーーーーーーーーそうだよね、
そりゃそうだよね。
こんなにも寂しすぎる食卓、わたしもそう思うよ。

でもそれ今一番言っちゃいけないやつ!
言っちゃった!
お兄ちゃん、言っちゃったよー!!!

重苦しい沈黙の数秒後、
おかあさんは案の定怒る。

そして、”おかあさんといえば”の定型文のひとつ
「じゃあ食べなくていい」を切り出す。

このカードめっちゃ強いよね。
これ出されたらこっちは即手詰まりだよ。

「家計が大変なのよー」とか「今日疲れちゃってさー」とか
「じゃあ代わりに何か作って欲しいわ〜」とか、
「普段よくやってる方じゃない?ていうか肉焼いたのすごくない?」とか
おかあさんがどうして山賊メシを出すのか、正直な話が聞きたかったな。

お兄ちゃんは立ち上がり、隣の部屋に移動した。
そのあと食べたのかな、ずっとこもってたから、わかんないな。


だんまりのおかあさんと横並びで
少し冷めた肉と米を、頬張る。

隣に座ってるからおかあさんがどんな顔してるか、
見なくてすんでよかった。


↓ これが、いつもの山賊メシね。


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ちゃんみー|切なさが9割
ここだけの話、私には夢があります。 それは、飛行機や新幹線の機内冊子にエッセイを書くこと。 ひとの移動に、寄り添いたい願望。 憧れるなあ。