中１三人で見た朝練前の露出狂
顧問の一声で、今までやってなかった朝練が始まった。
なんて余計なことをしてくれるんだ、
と思うけど、先生もすごいよなー。
何が楽しくてそんな過剰サービスができるんだろう。
...という話はさておき。
ちゃんみーは家の方向が同じ2人の友達と学校に行ってて、
今日も6時半くらいに、
わたしのマンションの下で合流。
、、、なんて中身のない会話をしながら、
朝練のだるさを共有して、部活に行く気持ちを上げていく。
マンションから30秒くらい歩いた先に、小学校がある。
人影が見えた。
ああ、用務員さんかな
朝早くからお互い頑張ってますねー、
なんて思っていたんだけど。
その人、ジィッと動かずこちらを見てる。
異様さが、気持ち悪い。
２秒くらいして、全身が目に入った。
（なにあれ、、、？）
そこにいたのは、絵に描いたような変態だった。
テンプレ通りのやつ。
コートを広げて陰部をこちらに見せつけている。
笑うわけでもなく、無表情でもない。
（さあ、どうだ！さあ、どうでる？さあ！）と期待を抱きながら
こちらの出方を試すような、自信ありげな雰囲気があった。
わたしはコトを理解して静かに
「ねえやばい...あっち見て」と
言い終わるか終わらないかの瞬間に
「「え？え？ぎゃああああああ！！！！（笑笑笑）」」
と叫ぶ2人。
まずい、変態を喜ばせる状況になってしまった。
「行こう！！！」
その場から、３人駆け出す。
陸上部（短距離部門）でよかった。
こんな猛ダッシュの朝練なんて、聞いてない！！
めちゃくちゃ目が覚めたけどさ。
さいわい、男は追いかけてこなかった。
フェンスの奥でさらけ出してるあたり、
向こうもできるだけ危険を避けたかったんだろう。
気持ち悪い、危険、恐怖、
そのどれをも一瞬のうちに感じたけれど
無事逃げられた今、
中学生のわたしたちにとっては
「変態がいた！」というおかしさがギリギリ勝った。
遭遇したフレッシュで珍奇な出来事を
ゲラゲラと振り返り、
初めて見た父親以外のイチモツについても語り合った。
そんなわけで
おもしろに昇華してしまったから、
この話は先生に報告していない。
でも今になって、
変態を野放しにした罪悪感が湧き起こる。
どうかあの男がチンケな露出狂であってほしい。
安全地帯で隠部をさらけ出し、ただ反応を楽しむだけの。
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