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こどものころ奪われた秘密基地


テントってワクワクするよねー!


うちも持ってるんだけどさ、
使うのはキャンプ場じゃない。

お兄ちゃんが出る大会の、
試合を見る合間の秘密基地として使うの。

試合の時はみんな試合会場に行くから、
わたしだけの空間になる。

ほら、うちはちゃんみー専用の部屋がないからさ
擬似的に自分だけの部屋を楽しめるってワケ!

休日、お兄ちゃんの用事に
ついていかなきゃいけないのはつまんないけど
テントで過ごせるのは、唯一楽しい。

オープンな場所に突如現れる、プライベートな空間。

喧騒を耳にしながらも自分の静けさを守れる生命維持装置。

どんな格好で寝ても、漫画見てても、ゲームしてても、
お咎めなしよ。

だから今日もそれを楽しみにして、おとうさんが組み立てるのを
まだかなまだかなって見たり、手伝ったりしてたの。


ようやくテントが完成したー!!!
って思ったら・・・

お兄ちゃんや、クラブの人が入ってく。

(え?!私の城なんだけど?!どうして?!)
(今だけだよね?もう少したらいなくなるんだよね??)


結局、一向に出ていかないし
いなくなったと思いきや荷物が置きっぱなし。
戻ってくるんじゃん・・・。

それから、うちのテントはみんなのくつろぎ処になった。

あーあ、どこにも居場所がない!


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ちゃんみー|切なさが9割
ここだけの話、私には夢があります。 それは、飛行機や新幹線の機内冊子にエッセイを書くこと。 ひとの移動に、寄り添いたい願望。 憧れるなあ。