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カマキリに勝った日

奥の奥を見透かされているような視線とともに
ファイティングポーズを決めるカマキリがいた。


この個体、過去最大のサイズな気がする。
威圧感がハンパない。


そのカマの鋭さを想像すると背筋が寒い。
「服や皮膚を切り裂くレベルなんじゃ、、、」って勝手に思い込んでるんだけど
触れ合って試すなんかできないから、
昆虫苦手勢の想像力って無限大になるよね。

ちゃんみーの家は3階。
ここは1階と2階の間の階段。
何としてもこの場所を突破しなければ帰宅できない、、、!

でもカマキリは、
階段のど真ん中を陣取ってる。

横を通るのはギリギリすぎるし、
1段飛ばしで上を通れば、
飛びかかってくるかもしれない。

・・・泣けてきた。

誰か通りかかってくれたら、
距離感と風圧にビビってカマキリも動くかもしれない。

だけど、人間と比べたらだいぶ小さなカマキリに
泣きそうになっている自分を見られるのもイヤすぎる。

深呼吸して、ここは一旦退避だ。
5分くらい時間を潰す。


戻ってきたら・・・

まだいる。
なんでだよおおお!!


もう覚悟を決めるしかない。
カマキリと目を合わせないように、
ただひたすら前方の消化器を見据える。

できるだけ壁沿いに、
大股で、一気に飛び越える。

.
.
.

振り返ると、カマキリの後頭部が見えた。
背中を取るとだいぶ心に余裕が出るもんだね。
ヤツは、わたしなんか見てなかった・・・。

もう怖いものなんてない。
勝った・・・!

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ちゃんみー|切なさが9割
ここだけの話、私には夢があります。 それは、飛行機や新幹線の機内冊子にエッセイを書くこと。 ひとの移動に、寄り添いたい願望。 憧れるなあ。