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刺身が食べたい

カーボベルデに来ることが決まった時、数少ない英語、日本語での情報から知り得たことは、「ツナがよくとれる」ということ。
というわけで、これは美味しいマグロ食べ放題の2年間になると確信し、多めの刺身醤油とわさびを持って参上。
思い描いていたのは、毎日マグロ丼を食べる日々…。

ただ、ここはアフリカ。せっかく海に囲まれているのに、寿司屋があるわけもなく。いや、一軒家の近くにあるんだけれども、本当に喉から手が出るほど食べたくて仕方がない時にしかいかない。食べられないことはないのだけれども、日本人としてはお金を払うレベルには達していない。(もちろん他のレストランに比べて高級。でも、ご飯に埋もれてて魚食べた気に全くならないくらいネタが小さいんだよ…。)

かといって、毎週のようにロンドンに行って寿司を食べられるほどの余裕はない。


というわけで、私は思いついた。
家で食べてやろうじゃないか!

…でも、よく考えたら、人生で魚をさばいたことなんて小学3年生くらいの理科の実験と、中学校での家庭科の実習でくらい。な気がする。
気がついた時からどうしても魚の目が苦手で、切り身になっていてくれないと扱えない。
魚の扱い方なんて、焼くこともできないのに、生で食べようとするのは、レベルが高すぎるのでは…。
(スーパーでは、たとえば、チーズやハムなどの冷蔵のものを買う時は、場所によっては躊躇する時があるくらいの管理状況。魚はこれまで冷凍以外買ったこと無し。 )

と断念。

この無限ループを繰り返すこと、1年弱。



そんなある時、プライア唯一の日本人(注:現在私たちの住むサンティアゴ島には、日本人は私とたろうとその方3人のみ)の方が、ランチに招待してくださった。
間違いなく、島で一番美味しい和食屋さん。いつもルンルンで伺わせていただくのだが、なんとポキ丼を用意してくださった!
どうやら、お刺身は自分で用意して食べているとのこと…。

というわけで、一念発起し、プライアの日本人ママに弟子入り!ハワイ出身の友人も誘って、いざ魚市場へ。



車で5分。セントラル・マーケットに到着。
Mercado Municipal di Praia

クーラーなんて素敵なものを持っていったら、ぼったくられるので、クーラーと氷は車に待機。

朝は早すぎても魚が何もないけれども、逆に遅いと遅いで、暑さで新鮮さが失われてしまうので、大体9:30-10:00頃に。

大きな魚市場もあるのですが、今回はすでに切ってもらったものを買うので、こちらの小さい方に。ここのおばさんの方が、切り方が良いのだとか。


お目当てのコーナはここ。切られたばかりの魚。ありました。
こちらにきてから気がついたのは、我々が「ツナ」と呼ぶものは=鮪=Blue fin Tunaというやつで、こちらの人々の「ツナ(Atum)」=Yelow fin tuna=キハダだということ。なので、私たちがイメージする「ツナ」よりも圧倒的にサイズは小さめです。
ちなみに、カーボベルデは、シーチキン缶の名産地です。

それから右奥の白身のお魚は、「セラ」と呼ばれるもの。

というわけで、ツナを2000esq、セラを1500esqお買いげ。(大体2500円と2000円くらい。)

普通、2000esq出して食べられるお寿司はこんな感じ。食べられるんだけれど、一生懸命ズームしてこの大きさ。とにかく小さい…。


それが、今回はこのボリュームです。
これを3人で分けるので、払ったお金は1000esq強。
プライアの日本人ママの家にお邪魔して、早速クーラーから取り出し、水で丁寧に洗っていきます。
プライアは、まだまだ水の衛生状況が不安なので、生で食べるものは野菜もしっかりと飲み水で洗います。
それから、お塩で洗い、お酒で洗い…。

意外と思っていたよりも簡単!私にもできそうでは?!

そして、これを48時間以上冷凍します。アニキサスという寄生虫をこの方法で殺す。
レストランの冷蔵庫や冷凍庫の状況もなかなか不安が残るので、一定の温度できちんと冷凍できる家の冷凍庫ならば信頼できる。




待ちきれない私はフライング気味でしたが、これを冷蔵庫で解凍し、じゃじゃーん。
赤身はマグロほどないけれども、とても美味しそう。

だんなは、セラとツナのミックス丼。
(もう少したたいたら、ネギトロみたいになったかな?!)

それから、次の日のお昼は、セラのツケ丼を。醤油とみりんとごま油を少し。15分ほどつけただけですが。


これが家で食べられるなら、もうロンドンいらず。笑
とても新鮮で、臭みがなく、美味しかった!

あまりにも感激したので、色々と書こうと思っていたことを無視して、一気に記録。笑


ここにいる間に、一度は魚を一匹丸ごと買ってお寿司にしてみたいなと思ったり。
流石に私にはレベル高すぎるかな〜。

日本にいたら絶対にやらないことも、海外に来ると平気で挑戦できてしまったり。そんなことを再確認した美味しい冒険でした。


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