【翻訳】“ATEEZ”という冒険記 (VOGUE KOREA特集記事)
原文・写真:VOGUE KOREA - ‘에이티즈’라는 모험기(2022.3.22)
明日はないかのごとき強烈さで舞台を埋め尽くすATEEZは、むしろ明日を知りたい気持ちにさせる。限界を打ち破るかのように超越してきたATEEZの波乱万丈な冒険記。
去る1月、オリンピック公園オリンピックホールに数万個のカスタネットの音が鳴り響いた。歓声禁止の防疫ルールに従ってATEEZが考案したアイデアだった。〈Pirate King〉でデビューした彼らは海の宝石たる貝殻を思いつき、形の似たカスタネットを応援グッズとして製作した。サンは感極まった表情でその瞬間を伝える。「新鮮な感じかと予想したけれど、いざ聞いたらこんなにも美しい音はなかったんです。ああ、本当にいいな、美しいなと思いました。ATINYの真心の声をカスタネットがよく代弁してくれました」
〈THE FELLOWSHIP: BEGINNING OF THE END〉は2年越しに果たした約束だった。2020年2月に開始したコンサートは、コロナが全世界を襲ったことで無期限延期され、ツアー再開までに2年が流れた。コロナ時代にあってファンとの生き別れを経験しなかったミュージシャンはいないが、ステージのエネルギーまでもが音楽の一部であるATEEZにとっては尚の事もどかしかった。再びソウルに始まってアメリカのシカゴ、アトランタ、ニューアーク、ダラス、ロサンゼルスを巡ったツアーから戻り、「一曲終わって息切れしながら暗転する瞬間までもが恋しかった」と語るホンジュンの言葉からは本心が溢れ出ていた。そして最後の公演を行ったロサンゼルスは、デビュー前にKQ Fellazとして研修を受けた場所であり、コンサート会場The Forumは彼らの子供時代の偶像だったマイケル・ジャクソン、デヴィッド・ボウイらレジェンドが立った舞台なのだ。「The Forumに入ると過去に公演したミュージシャンの名前が両側にずらっと刻んであるんです。会場に入ったら圧倒される感覚を覚えました。僕らの今日も後日誰かが見るかもしれないから、『今日ばかりは本気でカッコよく見せたい』と思いました。今や僕たちの名前もそこに刻まれるんです。」
ワールドツアーを振り返って、ヨサンは〈Star 1117〉を歌った瞬間を思い出す。「照明が全部消えて、ATINYの皆さんが携帯のライトや応援棒の明かりを点けて振って下さるのですが、宇宙の中に星がきらきら光っているようでした。」誰の目が涙で潤んだかは知りえないが、涙の色ばかりは同じだっただろう。サンはATINYと再会し、自分たちの進む道は間違っていなかったと改めて感じた。「海外で韓国語の〈Light〉の合唱を聞いて、言語が重要なのではない、心が通じ合っていればいいんだと強く思いました。」華やかな舞台装置や効果はしばらく脇に置き声と体だけでいっぱいにする、ATEEZそのものを見せようという気持ちで準備したコンサートだった。その間、顔を合わせずとも心を通わせる多くの方法を見つけ出したものの、全身で分かち合うエネルギーは依然として恋しい存在だった。ホンジュンは次のように語る。「〈キングダム:レジェンダリーウォー〉など様々な舞台に立ち、無観客でカメラでできることについていつも頭を悩ませてきました。今回は“対面コンサートの醍醐味”といえるもの、ステージのエネルギーをファンたちが本当に見たがっているのではないかと考えました。そのためソロ曲なしで8人が一緒に見せられるものに集中しました。」
第4世代アイドルと呼ばれるATEEZは、デビュー後100日で5都市を回る北米ツアーを開催し、1年も経たずに10都市のヨーロッパツアーを成し遂げた“グローバルパフォーマンスドル”として名高い。国内と海外の舞台をほぼ同時に踏んだことはATEEZが急成長する原動力となった。ユンホは初の海外ツアー〈Expedition〉がなければ、今のステージセンスやパフォーマンスは果たしてありえたかというほどだと語る。たくさんの自信をつけ、メンバー間の呼吸の合わせ方も上達し、舞台上のコミュニケーションがよりスムーズになったという。これは、地域によってステージを様々に工夫するセンスや現在の熟練につながった。ヨサンは今公演を例に挙げる。「その地域に何か特別な話題や文化があればステージに反映するんです。スポーツシーズンなら野球の効果音を中間コメントに入れたり、舞台でバスケをしたりです。」宇宙の火星のどこかのスタジアムに立たせてもスマートに公演をこなしそうな話しぶりだ。米ローリングストーン誌は、先日の公演のあと「ついにアメリカに帰ってきたK-POPスターATEEZ、すべてを舞台に残していく」というタイトルの記事を掲載した。
2022年を通過するミュージシャンの多くは「自分だけの音楽をやる」と公言するが、いざ独創性に説得力を持たせるミュージシャンは稀である。K-POPというジャンルがはっきりし、もはや新しい音楽は可能なのかという疑念が生まれてきた頃、ATEEZは荒野に巨大な旗を振り回しながら登場した。強烈なビートとサウンド、荒々しいラップと劇的なボーカルは瞬く間に目と耳を捉えた。メンバー8名の群舞は現代舞踊のごとく芸術的に伝わり、ミュージカルのごとく華麗に繰り広げられた。MVもステージも休む間もなく転回し、悲壮で壮大で容赦なかった。爆竹のように破裂する強烈さは一度では終わらなかった。拡張する世界観の中でATEEZは留まることなく強烈さを示し、これは即ちATEEZのアイデンティティとなった。それを可能にしたのは、明日はないかのごとく舞台を埋め尽くす8名のメンバーである。デビューステージから隙がなかったと言うと、サンは常にすべてのステージに魂を削り込んでいると語った。メンバーたちは今日が最後というマインドで舞台に上がると口を揃える。ステージにバランスを足すヨサンは話す。「ATEEZが一番にならないといけないという思いが強いです。皆どうにかして自分のパートを活かしたいという眼差しを持っているんです。メンバーたちは本当に素晴らしいです。」ステージへの尋常でない没入力については次のようなノウハウを教えてくれた。「その曲に合わせたキャラクターを考えます。僕はチェ・サンですが、曲によっては欲望に満ちた人間かもしれないし、この上なく幸せな人間かもしれないですからね。僕の中の色々な姿から、服を取り出して着るような感覚です。」立ちどころに視線を奪うメンバーのソンファは、曲が流れた瞬間から自分自身ではないと考える。「普段は人見知りが激しいのですが、ステージでは自分じゃなくてもいいので。ステージはすべてが許される場所じゃないですか。デビュー時は『俺は本物の海賊だ。マジで邪魔するなよ』とマインドコントロールをしました。終わったあとは『自分がいつの間に?』と不思議です(笑)」コンセプチュアルな曲を表現するため、ソンファは実際に俳優の演技も研究した。どのようにキャラクターに入り込むのか、インタビューも手当たり次第読んだ。「俳優も歌手もモデルも皆芸術をやっていますから。偏見を持たないことが一番大切です。」体が壊れそうなほど踊る彼らのステージは膨大な体力を要する。短距離走も水泳も比較にならないほどだ。「ステージをやった後はホテルまでまさに這いつくばって帰るんです。バスタブまで這っていってシャワーします。」というサンの言葉を聞くと、スキル面でより発展したい部分を尋ねた際の「体力」というソンファの回答が真に切実に響いた。「最近、体力に悩むことが増えました。歌の練習やダンスの練習をするように、体力も練習が必要だと感じています。ツアーの前から体力管理をしていましたが、今年は特に集中してやりたいです。」
しかし、音楽を作る無数の過程の中で、最も楽しく濃密な過程はやはりパフォーマンスを作っていく段階だ。ジョンホは動線が絡まないようにダンサーらと意見交換し調整する過程など、小さな一瞬一瞬が集まってATEEZのステージになると話す。メンバーたちのパフォーマンスに対する意欲を確認できるのもこの時だ。サンは練習室の様子を聞かせてくれた。「僕たちはやる時はやって遊ぶ時は遊びます。仕事に関しては同輩も先輩も後輩も関係なく改善点や進むべき方向性についてたくさん話し合います。相手のプライドを傷つけずに、話すべきことは正確に伝えるのが僕たちのアティテュードなんです。」ミンギは「意欲」をチームの長所に挙げる。「メンバー皆意見が多い方です。年次が増えるに従って諦める部分が出てきてもおかしくないところ、僕たちは本当に細かいこと一つ一つにも欲を出すんです。彼はこんなに頑張っているのに自分がやらないわけにはいかないと。こうしてお互いにスキルが向上しレベルアップになります。」
海外ファンダムが引き起こした話題性のため、デビューと同時に頂点に登ったように思えるが、デビューを切望した過去がないはずもない。インタビュー中、メンバーたちは不安だったその頃が今でもステージの原動力になっていると語った。「今日はこの舞台に立てても、明日は立てないかもしれないという思いは常に持っています。その切実さのおかげで気が緩まずにいられるのではないかと思います。」サンの言葉にウヨンはデビュー時を振り返る。「僕らを知ってほしい、上手いと認めてほしいという気持ちが強かったです。だから今も生きるか死ぬかの気持ちでやってからステージを降ります。」ヨサンは“毒気”という言葉で強度を足す。「どうにかして僕らが力を合わせ、K-POPあるいは音楽市場で絶対に生き残らないといけない、そういう毒気を養っている気がします。」
パフォーマンス、ボーカル、ラップはもちろん、物理的な舞台装置まで充実したATEEZのステージを見て浮かんだ単語は「マキシマリズム」だった。ホンジュンは同じ単語で自分たちの音楽を説明する。「衣装も、情熱も、メンバーたちの表現力も全くもってマキシマルの極地です。ATEEZの音楽は華やかなので直観的に入ってきて、その中に多様な要素があるので探してみる楽しみもあると思います。最初聴いて『おっと、強いな』と思っていたら、聴くたびに色々なサウンドが真新しく聞こえてくるんです。」ステージも同じだ。「最初は『華やかだな』と思えば、改めて見ると『あれ?こんなジェスチャーがあったんだ』と見えてきたり。メンバーの個別カメラをつぶさに見ると、後ろで白目を剥いていたり、別の人は舌をくねらせていたり、それがまた醍醐味じゃないでしょうか(笑)」全アルバムに自作曲を収録してきたホンジュンは、実はATEEZとしてデビューする前はミニマルな曲を好んで作っていたという意外な過去を教えてくれた。「少ない音で充満させる音楽に没頭していたんですよ(笑)でもATEEZの作曲をするようになってファンタジー映画も見ましたしマーベルも精読し始めました。参考のためというよりは、より発想を豊かにするためです。」
強烈なステージを誇るミュージシャンが宿命的に持たざるを得ない悩みは“この次”だ。ホンジュンは共感しながら次のアルバムのヒントをくれた。「デビュー時から悩殺的な強烈さも、やんちゃな強烈さも試みてきましたが、それが蓄積して今ではどんなジャンルに手を出しても「これがATEEZだな」ができてきました。次のアルバムでは“ATEEZのスタイル”をもう一度ぶち壊したいです。こんな強烈さもあるのか、と言われるように。」ミンギは具体的なアイデアを付け加える。「元々はポップとヒップホップを混ぜていたなら、今度はEDMやロック的なジャンルを混ぜて僕らのものを作れるのではないかと思います。前のアルバムで少しお見せしたので、今度はもっと強烈に出していかなければ、という意見です。」
独自の世界観は第4世代アイドルの代表的な特徴となってきたが、ATEEZは中でも特別である。〈TREASURE〉シリーズは、各々が心に秘めている宝物を探しにいく長い旅だった。5つのアルバムで完結するかのように思われた冒険は、〈FEVER〉シリーズを通じて旅に出る前の物語へと遡上した。ファンタジー映画のように幻想的だが、その中心には自分を探そうと孤軍奮闘するATEEZがいる。まるでシリーズ物の小説のようにATEEZの世界観はつながり、継続し、拡張する。サンは世界観について「メンバーたちも完全には知らず、むしろ推測する側」と語る。実際、ATEEZは世界観の中に主人公として存在するため、結末を知らないのは当然ともいえる。「どのみち戦いに勝つと知っていたら、見せられる青春はありませんよね。僕らがその時の心情である必要があると思います。まさに映画の一場面の中に入っていくみたいです。」ホンジュンにとっても世界観は研究対象だ。「僕の音楽世界はATEEZの世界観に出会う前後に分かれます。実はATEEZがこんなに強烈な曲をやるとは思いませんでした。練習生の時は恋愛の曲も作りましたが、デビューしてからは恋愛の曲を歌うことがありません(笑)でもATEEZの世界観がなければ、これほど強烈な曲を聴いたり作ったりすることがあったでしょうか?学んでいる感覚ですし、だからすごくいいんです。」多彩な物語はATEEZをより知りたい存在にする。彼らは一体どこに向かうのか。何を探してさまようのか。彼らの航海の先には何があるのか。
巨大な世界観を持っていても、ATEEZはATINYと活発にコミュニケーションをとる。デビュー時よりファン投票で2つのタイトル曲の中から活動曲を選んできた〈ATEEZ Next Song〉プロジェクトが代表的だ。ウヨンはメンバーの意見が一度も片方に寄ったことがなく、タイトル曲は毎回不思議なほど違う印象を持つと語る。「〈INCEPTION〉と〈THANXX〉も、〈Eternal Sunshine〉と〈Deja Vu〉も完全に違う曲です。狙ったわけではないけれど、『ATEEZは全部上手くやるね』というイメージを提供できたきっかけではないかと思います。『MVも撮り終えたし振付の練習もしたのでどうぞ選んでください。僕らはそれでやります』でしたからね。」実際、ATEEZの音楽世界はいろいろな意味で総合ギフトセットのような印象を与える。“収録曲名店”というコメントが並ぶが、音楽的スペクトラムは大西洋のごとく広い。ユンホは隠れた“イージーリスニング”が多いと紹介する。「第3集が特にそうですが、〈ILLUSION〉はキッチュな魅力を初めてお見せし、〈UTOPIA〉や〈Eternal Sunshine〉も明るいイメージです。第3集以降、爽やかさも上手に出せるという自信も生まれました。いつかは歌にもっと集中して、夏はより爽やかに、冬は冬らしさ満載のシーズンソングをやってみたいですね。」すっきりと無駄のない踊りでATEEZのダンスの主柱となっているユンホは、今年1月に公式MV再生回数が1億回を達成した〈WONDERLAND〉がATEEZのアイデンティティをよく表したと振り返る。伝えたいメッセージの始まりかつ終わりである。〈キングダム:レジェンダリーウォー〉で披露した〈WONDERLAND〉のステージは、ATEEZが追求する3分の美学の代表作だ。ヨサンは隠れた名曲を教えてほしいとの要望に〈Be With You〉を挙げた。「最初にガイドを聴いたのは夜でしたが、自分でも癒やされた気がしました。いつかコンサートでも披露したい曲です。」一方、ATEEZの音楽の絶頂を受け持つボーカルのジョンホと、荒々しく低いトーンで違った色味を足すラッパーのミンギは、一番琴線に触れた曲として〈Turbulence〉を挙げた。ジョンホは「まさに歌詞の通り慰めてほしい心情だったのですが、実際にレコーディングしながらうるっとした時の感情がそのまま入っています。人々に想いを伝え、心を通わせたくて歌手になったのですが、幼い頃のその気持ちが蘇ってきたんです」と話す。〈FEVER〉シリーズが終わった時、ミンギは究極的に「青春というはてなから答えを探す旅」という話をしたかったのだと思い至り、そのフレーズは〈Turbulence〉の一節に込められた。「僕と同じ悩みを持つ人々についての言葉のようで、強いインパクトが残っています。これまでに書いた歌詞の中で一番意味のある言葉です。」
ATEEZの音楽に物語性を加え、パフォーマンスを直観的に伝える要素のうちひとつはファッションである。彼らを見ると、ファッションは言語だという某デザイナーの言葉を思い出す。ミンギはファッションがチームと自分を表すと強く肯定し、音楽と衣装の一致度が高かった曲として〈HALA HALA〉を挙げる。「ものすごくコンセプチュアルな曲が流れる中でフェドラを被り鎖のようなマスクをつけたのですが、新鮮な印象を与えてくれたのではないかと思います。衣装のデザインとリフォームに参加した〈THANXX〉にも個人的に愛着があります。キム・ソンジェ先輩のファッションからインスピレーションを受けて、サングラスなど当時流行したアイテムをたくさん活用しました。」
ATEEZは“A TEEnage Z”という意味で、“10代のすべてを込める”という抱負が込められている。デビューとともに20代にさしかかった彼らは、彷徨の中で慰めを求める気持ちを誰よりもよく知っている。だから「20代になるには10代から始まり、30代になるには20代から始まるけれど、その枠組を嵌めていくのに一番大切な時期が10代なので、僕らの音楽が少しでも力になれればと思っています」というジョンホの話には特に共感が持てる。未知の道を進んでいく情緒を歌詞に掬い上げるメンバーはミンギだ。「ちょうどこの年頃にたくさん悩むじゃないですか。学校を卒業して就職しないといけなくて、方向を掴めなかったりして。僕たちは少し早く仕事を始めたので、自分が感じた辛さとどう克服したかを伝えれば、人々がより楽にこの時期を過ごすことができるのではないかと思い、正直に歌詞に込めようとしています。」
信念を守って熱く生きることが“格好良さ”ではないかというATEEZの曲〈The Real〉もあるが、8名の個性は説明不可能なほどはっきりと異なっている。「個々に追求する格好良さが違うからATEEZというジャンルが出てくるのではないかとすごくよく思うんです。それぞれ違う個性がひとつのチームとして合わさるのを見る面白さがあって、それで僕たちのチームのことを八色鳥のような魅力を持つと紹介したりもします。」ソンファはメンバーそれぞれが四半期毎に音楽の好みが変わるといってもよいほどダイナミックだと話す。「僕は最近ロックが音楽としても、ファッションとしてもとても好きです。すごく個人的な考えですが、いつか機会があれば一度そういうステージを作ってみたいですね。僕たちは皆音楽の好みが変わり続けているので、断定できないし次の音楽を予想するのも尚更難しい気がします(笑)」しかし、このような個性を除けば「野望は大きいが善良な」メンバーたちの共通点が残る。これを裏付ける証拠も聞かせてくれた。「インタビューでどんなプレゼントをしたいですか?という質問があると、3、4人は同じ答えです。他の質問でも『この話誰かがしたかな』と思うと必ずしていますし(笑)」メンバーたちがストレスを一緒に解消することも長所だとウヨンは付け加える。「ずっと何か一緒にやろうとします。誰かがテニスをやると言えば『僕も』と一緒にプレイするし、僕が自転車に乗ると言えばサンも一緒に乗ります。映画見に行くと言えばわらわらと一緒に行きます。練習生の時から長い時間が過ぎてもよく集団で動いているのをみると、確かにチームワークがいいなと思いますね。」K-POPアーティストのパフォーマンスを長らく見てきた我々は、チームワークがステージに及ぼす影響を誰よりもよく知っている。息ぴったりのATEEZのステージは、実のところ信頼に基づいた彼らの関係そのものである。
3年半以上を走ってきたATEEZは実に久しぶりに休暇をもらい、最近は互いに「大変だったね」「お疲れさま」「もっと頑張ろう」と話し合う。また走ってみようという同僚間の挨拶のようなものだ。これまでの活動をグラフで表してほしいとの頼みに、メンバーたちは緩やかな右肩上がりのグラフを描いた。下降も曲線もなく、たゆまず上がってきた直線グラフ。ただの一度も成長を止めなかった彼らの姿だった。グラフの終わりに何があるのか、誰も知らず予想もしたがらなかった。ウヨンは「ビルボードに行けばまた別の目標が、グラミーに行けばまた別の目標が出てくるでしょう。ただずっと目の前の目標を達成しながら、SHINHWA先輩のように長く活動するチームになりたいです」と語る。高い目標設定を好むホンジュンは、終わりは設定したくないがスーパーボウルの舞台には立ってみたいと、確信に満ちた表情を浮かべた。
ATEEZの世界観が一層拡張し堅固になっても、夢に向かって進む少年たちの冒険は続くだろう。ユンホは自分たちの航海を本になぞらえる。「今は1ページにプロローグを書いたばかりです。やっと2ページまできました。小さい頃はよく読んでいた本が今は読めずにいますが、我らがATINYは本好きの方も多いのでまだたくさん残っているとお伝えしたいです(笑)」サンはその冒険の正体を「現在進行形」と言う。「僕が24歳なんです。青春が何なのかまだわからないし、時には不安なこともあるけれど、隣で支えてくれる友達と家族がいてATINYがいるからATEEZは現在進行形です。」風が吹かなくてもATEEZの巨大な旗は青い海原に向かってはためき続けるだろう。自ら新たな風を起こす主人公が我々の前に立っている。(VK)