つま先のエポックメイキング
そもそも、暖かい地域に住んでいる。雪が降ることは殆どないし、積雪などということがあれば大騒ぎだ。さらには車移動で、ドアtoドアの生活だ。
だからウールのコートに袖を通すことは殆どないし、少しシックな(と、私は思っている)ダウンコートなど買ってしまったものだから、その重たくて暖かいウールのコートはついぞ丸2年、クリーニングから戻ってきたままの姿で押入れの中に吊るされている。そろそろ、処分かなとも思っている。
ハイネックやタートルネックは好きなのだけれど、マフラー・・・はぎりぎり許せても、ストールやショールは手前の極なで肩も手伝って大いに苦手。シンプルな装いにストールをプラスしてしまった日などは、1日中そのずるずるを掴んで引っ張り上げて巻きつけてに忙しく、全くおしゃれに過ごせないというコンプレックスを抱えて生きている。好きなんだけどね。
しかし今年は別だ。
今年はあらゆる場所の風通しが良い。すうすうと吹き込む12月の風は、やはり冷たい。そして、末端が、冷える冷える。
使い捨てカイロを導入してみたものの、いまいちで、これならどうだと普段は絶対にしない靴下の重ね履き(余談だが靴下も余り好まない私である)まで試したが、つま先に痛みを感じるほど冷たくなる日もあり参った。
そして、手。キーボードを打つ手や指が冷たい。部屋の中にいるのに指先が冷たくてしようがないという経験は今までなかったので、驚いている。
そこで「指先のない手袋」を購入した。これが大当たり。
指先が冷たいのに指先が空いていてどうだろう、と思ったが、いやいや大変に暖かい。ハンドクリームを塗りくにいのは難点かもしれないが、内側がシルクという触れ込みの商品で、これを着けていれば何度もハンドクリームを塗り直す必要はないかもしれない。そのあたり、まだ使い始めたばかりなのでわからないけど。とりあえず今は、デスクを離れる時(お手洗いや昼食の時)に手袋を外し、席に戻る前に手洗いとアルコール消毒をして、席に着いたらハンドクリームを塗り込んで、また手袋をしている。
そして昨日、ルームソックスが届いた。靴下を好まない私が、靴下を履いていなくても誰も咎めない家の中で履くための靴下を買ったのだ。
これは大げさでなくエポックメイキングな出来事となり得るかもしれない。(ならないかもしれない。)
さて2020年は、新しい感情を多く持った1年だった。
新しいことを始めたり、新しく何かを好きになったり、そういうことも含めて自分の気持ち、感情がよく動いた。そして、今までこういう感情はなかったな、ということが、一度ならずあった。例えばまだ下書きのままの、石の話とか。
2020年という年が自分をそうしたのか、自分が今日まで重ねてきた歳が自分自身をそうしたのか、わからないけれど、悪くはなかったなとしみじみ思う。何にしても、悪くはなかった。
2021年は映画を見に行きたいなと考えている。あとはうっかり手を出してしまった編み物を、なんとか寒いうちに形にしたい。
今は、それだけ。
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