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嘘の正解が正解だという世界の嘘

すゑ(え)ひろがりずがラジオで、今、自分たちのいる世界は三島の夢の中だと話すくだりがあった。(突然のすゑひろがりず。わりと好きな私です。)

そうだったら、と思う。

夢から醒めたら、三島さんは四畳半の部屋でジェラートピケにくるまっているかもしれないけれど、私もこの嘘の世界の嘘の平安に気づかず気にせず、心安く生きているかもしれないから。


そんなふうに考えていると涙が零れそうになる。

外は、なま温い雨だ。



病んでそうなタイトルになってしまった。

けれど、自分に嘘をつくことが正解とされる世界では、まさしく「こいつ病んでそう」と思われていてもおかしくないのかもしれない。


私の勤める会社では、身体の健康診断のほかに、メンタルの健康診断のようなものを実施する。契約している病院から各社員にアンケートのようなものが配布され、それは四択で丸をつけるような形式で、その中にどうしても私には選べない質問がいくつかある。最初の年は、そこを空欄で出したように記憶している。

次の年もそうしたか、あてはまらない、という項目を自分で書き足したかは忘れたけれど、その度に必ず何かを選択するように言われて「やりなおし」させられる。そして「嘘」を書いて提出させられて、「問題なし」と返却される。だいぶ問題ありまくりだと思うけど。毎年同じことを同じように書く私のメンタルも、それでも同じ質問を止めない病院も、何も起きていないものとする会社も。

尚、驚くことに、その質問の内容は私が知る限りずっと変わっていない。果たして何年、これを受けているかはもう忘れたけれど。


今年はさらに、名前が間違っていると、書き直されていた。二か所。怒りでも哀しみでもなく、ただひたすらに脱力した。

私は素直に生きたいとすら思っていない。

私は私に嘘をつくのが嫌なだけなのに。

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