労働日記Day38_小田原、上田、パリ

小田原-東京の2拠点生活が全然小田原できなかったので、昨日やっと、東京の拠点から荷物を全部移した!!移住して2年半だけど、やっと、移住する!!

今年の2ー4月は合わせて1週間くらいしか小田原にいなかった。5月も今の所はわずか2日かしか、自室で寝てない。その理由は、私がバカだからである。

今朝は、小田原の興味あるスポットに顔出しにいったら「採用!!笑」と言われて、小田原での仕事も組立てられそうである。嬉しい。流れができてる。そして、午前中のリクルートに続き、午後は陸ルートにて長野県上田を目指す。SNSで上田が好きだ!とかなんとか呟いてたら、以前とは全く別の仕事をゲットした。庭仕事である。最近の私は植木屋見習いであり、勉強のために、暇さえあれば『うえきの法則』を読んでいる。

この漫画は、正義感の強い中学生・植木耕助が異能力を駆使して悪と戦う姿を描いたバトル漫画である。『週刊少年サンデー』に、2001年から2004年まで約4年連載されていた。全16巻あるが、植木屋の話でなかったことは確かである。植木屋の親方にうえきの法則の話をしたら、怪訝な顔をされた。植木屋だからこそ、つっこみたいことが出てきそうだということである。餅は餅屋というが、植木屋にうえきの話をすると煙たがられた。

話は変わる。数日前に、1円奨学金の話をSNSに書いた。すると、何人かから連絡が来たりした。私の課題としては、1円奨学金には面白い人たちがあつまっているが、集まって居るだけで、何もできていない点。まあ、なにかをしなくてもいいんだけど、したら楽しいかなと思って居る。資本主義の社会では、DOばかりが注目されて、存在することだけ、を称賛するような方向になりづらい。そんなことを考えていたら、夜、オンラインで聞いていた対談でまさにそのことを話していた。

面白法人カヤックの柳澤さんと、コルクの佐渡島さんが、コミュニティと地域活性について語っていた。私は頭のなかで、1円奨学金や、昨日はれて、本腰移住を決めた小田原での暮らしを思い浮かべながら聞いていた。話を聞きながら、半分くらいはその通りだな!とか、面白いな!思いつつも、全く賛成できない点があった。

それは、ベーシックインカムが幸福につながるか、の話をした時である。話の流れは忘れたが、幸福よりもまず安全が保障されていない人がいるんだよ、と思った。私は先日から、ジョージウォーエルのパリロンドン放浪記を読み、1984でディストピアを描くことになる彼の基礎を作った、極貧生活に触れていた。あまりにも貧乏だと、幸福の追求というのは、まず安全の確保になる。今日の生活のことになる。明日、とか、未来という概念が薄くなる。

1円奨学金では、毎月送金される1円では、1日の生活すら保証できない。保証するつもりもない。ただ、ウケるな、とか、笑える現象を提供したいと思っている。1円奨学金の応募者が送って来てくれた自己PRなどは、一円を対価に考えるなら、バカほどに非効率で、クオリティーの高いものであった。毎月10万をもらえるようなものよりも、おそらく、多様で面白い。

(こうやって書いてみるとわかるが、自分の中で、金銭というのはやはり、重要な指標からその位置を外れていない)

第1期の応募者の中に、一人生活保護者の方がいた。彼が応募して来たことが、非常に考えさせられた。役に立ちそうもない金額を、人に贈与することの意味を。今でも、その答えらしきものは出ていないが、自分の中にあるアイディアを、他の人にも触られる状態、つまりサービスとしてローンチすると、ユーザーは、開発者が思いもしない使い方をしてくれるという事象にであった、ということにしている。オープンにすると、自分だけではたどり着けない解法や、不思議に出会う。

パリロンドン放浪記の冒頭にある「金は労働から解放してくれるが、貧乏は人のあらゆる常識から解放してくれる」という名文があるのだが、1円奨学金は、このねじれの位置にあると言える。カヤックがやっているまちのコインは、お金には還元できない、別の、地域通貨を発明/ハックしようとしている。1円奨学金は、既存の日本銀行券に則りながらも、それを1円という形で、お金の価値を発揮させない形で、お金を利用/ハックしている。

まちのコインはライバルとかでもなく、別の指標を持ったアイディアではなるが、他社のとりくみについて話をきくと、自分の取り組みが相対化されて、言語化しやすくなる感覚があった。1円奨学金では、既存のお金のフォーマットに載っているように見えながら、多層的に別のレイヤーの中でも息継ぎをして、バタフライと平泳ぎをハイブリットでする感じ。

ひとまず、第2期、第3期の1円奨学金の応募締め切りは2022年7月7日とします。その期間までに、興味のある方は、ぼくにコンタクトをとってください。(忘れなければ)募集要項をお送りします。基本的には、第1期のときと要項は一緒です。note(や他のSNSで)「1円奨学金」と検索すれば、概要や要項が出てくるはずです。よろしくおねがいいたします。誰でも、応募できます。

いただいたサポートは、これまでためらっていた写真のプリントなど、制作の補助に使わせていただきます。本当に感謝しています。