メタップス

メタップスの2018年度2Q決算書の分析

まずは、2018年度2Qの決戦説明書から売上高の推移を確認する。
前年度に比べ、1Q、2Q共に売上高は大幅に伸びているが、1Qに比べ、2Qの売上高が減少している。

この売上高の落込み要因が気になるところであるが、原因は2つあると考えられる。
この原因を分析する前に、メタップスのセグメント別売上高についてみてみよう!

メタップスは主に、マーケティング領域、ファイナンス領域、コンシューマー領域の3つのセグメントで売上をあげているが、上記で分かるように、現在、売上の約8割はファイナンス領域での売上となっている。

このことから、売上高の落込み要因はファイナンス領域にあることが推測できる。よって、ファイナンス領域の売上に着目する。

この資料から1Q→2Qの売上の落込みは主に下記の原因によるものと考えられる。

原因①:1Qに受注した韓国の電子クーポン事業において大型案件を受注したことにより1Qの売上高が大きく増加したこと

原因②:仮想通貨売買の落込み
1Qの時期(2017年10月~12月)は仮想通貨売買が空前の取引数を見せていた時期であり、2Qの時期(2018年1月~3月)は、コインチェックの事件もり、仮想通貨売買が低調になったため、売上高が落ち込んだと考えられる。

このことから3Qの売上高を予想すると、原因②の仮想通貨売買の落込みは2Qから継続しているため、1Q程の売上高は見込めないと考えられる。

さらに、上記資料を見ると、売上高のほとんどは海外、とくにファイナンス領域は韓国の売上比率が高いため、韓国の景気や仮想通貨売買取引量に売上は大きく左右される。

韓国の株式総合指数の半年間のチャートを見てみると、5月頃から下り坂であり、3Qの韓国での大きな売上の伸びは期待できそうにない。

メタップスと言えば、個人の時間を秒単位で売買できるタイムバンクやQRコード決済のPRINGが有名ですが、これらの売上はまだまだ小さく、メタップス全体の業績に影響を与えるまでには成長してないようです。

次に、営業利益について考察してみます。

下記は、2018年度の1Qと2Qの損益計算書を比較したものです。

これを見ると、1Qも2Qも売上総利益分を販売費及び一般管理費(販管費)で使ってしまっており、純粋な部分での営業利益はどちらもほぼ0です。
販管費とは、商品や製品を販売するために直接かかる費用(販売費)と会社全般の業務の管理活動にかかる費用の合計額です。メタップスの場合は、主にメタップス等の広告費用やPRINGのキャンペーン費用等が該当するかと思われます。

営業利益が23→332と増えていますが、この主な要因はその他の収益39→364となっています。では、このその他の収益とはなんでしょうか?

上記は、日本基準の損益計算書とIFRS基準の損益計算書の項目の比較となります。つまり、その他の収益・費用というのは、日本基準でいうところの他営業外収支(受取配当金・利息、為替差益等)、特別損益(有価証券の売却益やリストラ費用)にあたります。

つまり、1Qから2Qにかけての営業利益の増加は純粋な営業活動によるものではなく、その他の要因によるものだということがわかり、今後も同様の営業利益の増加が見込まれるかは不透明です。

では、メタップスは有望な会社ではないかというと、そんなことはありません。まず、すさまじい勢いで売上高を伸ばしていますし、タイムバンクやPRING等の新しいサービスも次々に生み出しています。

上でも述べた通り、現在は売上収益のすべてを販管費につぎ込んでいるため、利益が小さいですが、これは成長企業であれば当たり前であり、どんどん次の成長のためにお金を使うフェーズなのだと思います。

以上がメタップスの2018年度の2Qまでの決算内容の考察でした。

7月17日に3Qの決算がでるようですね。そちらも楽しみみてみようと思います。


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井の中のカブレオン
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