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【短編小説】 『跡形も無くしっかり除菌ウエットティッシュ』
「そんなのさー、自己責任じゃん?何で私が迷惑被らなきゃいけないの?無能ってマジで迷惑。……っあー、もう!ソース手に付いた!何でサラダラップをこんな巻き方にするかな。これじゃソース垂れるに決まってるじゃん。どいつもこいつもバカばっか」
「まあまあ」
私は鞄に入っていた『跡形も無くしっかり除菌ウエットティッシュ』を開けて恭子へ差し出した。
午前の仕事が平穏無事に終わり、お昼はサバの味噌煮定食を食べ
【超短編小説】 電車
ダイヤ改正によって役目を終える電車に、小さな子供が「カッコイイ!」と大きくめいっぱい手を振った。嬉しくて、得意げになった電車は、一駅通過してしまった。
【超短編小説】 一人暮らし
夢だった一人暮らしを始めた。
ネットで調べた人気のお酒を何種類も買った。できれば瓶に入ったお酒がいい。
渋い和柄のお猪口を三つとロックグラスを四つ、ホームセンターで手に入れた。
家に帰ってよく洗い、食器棚へ並べた。考えもしなかったがかなり邪魔だ。
届いたお酒を片っ端から開けて飲む。
匂いが苦手でもう二度と飲まないであろうお酒は、シンクへ半分だけ流した。
それらの瓶を、綺麗に、且つ無造