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ノスタルジー

イギリスに帰ってきた。行ったというより帰ってきた。今住んでるところよりもずっと家って感じがする。落ち着く。それもそのはず、今の家にはまだ一年くらいしか住んだことがない。3年もいたロンドン。北ロンドン。Finchely 今泊まってる父の家は前とは違う場所。近くだけど。最寄りだって隣だし。

アンティークマーケットに行った帰り、前の家に帰りたくなった。衝動的に昔の家の最寄りで降りる。懐かしい。けどあんまり懐かしくない。矛盾だね。なんていうんだろうな。あんまり特別な感じがしなかった。最後にそこにいた時のことを昔のこととは思えなかった。4年前のこととは思えない。つい最近な気がする。そのまま歩く。絶望的に方向音痴な私だけどちゃんと道は覚えていた。4年ぶりだけどいつも通りのつもり。4年ぶりの特別じゃなくていつも通りの日常。そんな気分で歩いた。

昔の家。変わってないようで変わってる。ちょっとだけど。家族で植えた楓の苗は抜かれてた。ラベンダーはそのまま生えてた。私の部屋だった場所。窓のところにスターウォーズの白いロボットみたいなあれに似てるやつが置いてある。誰かの部屋になってた。当たり前だけど。うーん。なーんか嫌。あの部屋気に入ってたんだもん。だけど懐かしさを数枚写真に収めて満足した。ささっと退散。不審者だと思われないかドキドキしてたのももちろんある。

このまま学校まで行ってしまおう。そう思った。4時前。私の学校は3:30には終わる。特に部活とかもないし生徒とは鉢合わせないはず。いつもの通学路を歩く。おんなじ通りに同じクラスの子が住んでるからバッタリ会わないかドキドキした。ちゃんとお化粧してないから空いたくなかったけどどこかで会えることを期待してた。会えなかった。バス停の赤い椅子に座ってバスを待つ。椅子ってほどちゃんと座れるものじゃないけど。腰掛けって言葉がちょうどいいかも。あの頃のようにイヤホンで音楽を聴く。sportifyはamazon musicになったし、イヤホンは有線から無線になったけど。昔聴いてた曲を流した。ヨルシカの 「負け犬にアンコールはいらない」「エルマ」「だから僕は音楽をやめた」のアルバム。バスが来た。赤い二階建て。221。赤いバスって公共バスなんだよ。意外とみんな知らない。オイスターカードを持った手を出してバスをとめる。ピッてする。イギリスに来て気づいたけどSuicaの処理スピードって驚異的。Suicaすごい。オイスターちょっと遅い。階段を登る。二階席の1番前が景色が良くてお気に入りだった。空いてたら絶対そこに座ってた。バスに揺られながらいろんなことを思い出す。Argyle Road Avondale Avenue このバス停の語感がなんか好きだったなーとか。昔好きだった人の最寄りのバス停。朝会えるのはレアだったから嬉しかったなーとか。まあそんなとこ。学校の最寄りに近づいたから一階席に降りる。次降りますボタンを押す。赤いやつ。青いやつは押しちゃダメ。青いやつは車椅子の人用。私は背が低いから青いボタンが押しやすい位置にあって最初の頃はよく押してたんだけど、車椅子用のスロープが降り口に出てくるから押しちゃダメ。周りから白い目で見られる。それに気づくのに結構時間かかったなぁ。何回か白い目で見られましたね。

学校の最寄りで降りる。歩く。途中でtescoに寄る。よくお菓子買ってから行ってたな。今日は何も買わなかった。ああこの横断歩道懐かしい。このアングルからの景色。久しぶり。住宅地の奥みたいなとこにある学校だった。絶対この学校まで行く道にある家に住みたくない。うちの学校はお行儀が悪いことで有名。近くに3校あったけどFBSは...って感じでした。あはは。私はFBSでよかったって思ってるけどね。校門の前で数枚写真を撮った。もう私の知ってる先生たちはいないらしい。人づてに聞いた。寂しいな。もちろん同級生も卒業済み。私の知ってる中学がなくなってく。ぽろぽろぽろ。でも建物はそのままだね。窓に反射する朝焼けが本当に綺麗だった。もう入れないから見れないけど。あれは早く学校に行った人の特権だった。

またまた不審者だと思われたくないから逃げるように帰る。アヤシイモノジャナイヨ。帰り道。すごく懐かしい。あの頃は家に少しでも早く帰りたくて、絶対にバスに乗りたくて。毎日バス停まで爆走してた。Natalieへ。置いてってごめんね。今考えると一緒に下校してる友達置いて爆走するのクズすぎる。なんでそんなに早く家に帰りたかったんだろう。今考えるとわからない。もうちょっとゆっくり生きたほうが楽しかっただろうに。ちなみに今Natalieとは音信不通。ある日突然チェコに帰ることになっちゃって会えなくなった。これもストーカー化したお母さんの彼氏のせい。お前だけは許さない。

帰りは二階席が混んでて座れなかった。諦めて一階に座る。

最後。こちら私の(愛しの)中学。

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