虹色が似合わない
忘れられないこと。忘れちゃいけないこと。遠い昔の記憶から引っ張り出して書こうと思う。結構センシティブなトピックなので表現とかで気分を害したらごめんなさい。拙い文章だけど読んでくれたら嬉しい。
イギリスで現地校に通ってた時、やっぱり向こうは「LGBT!」「多様性!」みたいな感じで差別が良くないっていうのは共通理解だった。自分が性的マイノリティであることを公言してる人もいた。その子は自分のセクシャリティを誇りに思ってて、抗議活動に参加しちゃうような子。LGBTの虹色が似合うような子。(🏳️🌈これね)その子が1番目立ってたけど、他にも何人かいて、その子たちはやっぱり他の子たちと変わりなくて。おかげで偏見みたいなものは持たなくなったと思う。というか持てなくなった。特に仲が良かったわけでもないけど私はその子たちが結構好きだったから。
ちょっと話は変わるんだけど現地校に通ってた時結構たくさん友達いたんだ。仲良しグループみたいなのの中には中国人、イラン人、バングラデシュ人、ブルガリア人、キプロス人、ベトナム人、イランとアルベニアのハーフ、イタリア人、チェコ人、イギリス人... いっぱいいるでしょ? その中に髪の毛は栗色で、目は青色、毎週金曜日(土曜日だったかも)に必ずハリーポッター見てる私の学校では珍しかったイギリス人の子がいた。(イギリス人1割もいなかったかも)その子は結構好きな子が変わりやすくて、恋に夢見てる感じ?良く好きな人のこと話してくれた。正直好きな人の話はあんまり興味なかった()どんな経緯でそうなったかはあんまり覚えてないんだけど、ある日その子が両性愛者だってカミングアウトしたの。私はいいじゃんって思ったんだけど周りの反応はそうでもなくって。私の友達の中にも「気持ち悪い」みたいなこと言ってる人もいて。正直びっくりした。LGBTを差別するとか絶対ダメっていう風潮だったから。同じ学年にはカミングアウトして堂々と生きてる人たちがいたから。その時思った。「ああそっかあの子たちは強いんだ。強いから誰もなんか言わないんだ。」って。発言権が大きいあの子たちにそんなこと言ったって逆にボッコボコにされるに決まってる。彼女たちは学校の中の世論を作ってけるような人。だけど私の友達はそうじゃなかった。クラスの中心っていうタイプでもなかったし。私と一緒にくだらないことで笑ってたようなタイプだから。いわゆる陽キャじゃなかった。虹色が似合うタイプじゃなかった。すごい勇気だしたんだろうな。だって私今言えないもん。いつも仲良くしてる友達にも受け入れてもらえなくて。そんなの悲しすぎる。それでその子は泣いちゃった。怒ったりするのでもなくただ泣いてた。傷ついただろうな。苦しかっただろうな。辛かっただろうな。私はその時どうすればいいかよくわかんなかったけど、とりあえず「そんなのどうでもいい。あなたはあなただし友達なのは変わりないでしょ。関係ない。」って強めに言っといた。次の日学校に行ったら何もかもがいつも通りで、それもそれで気持ち悪かった。そのままいつも通りの毎日が続いた。その子は時々新しい好きな人のことを教えてくれて。他校の女の子に恋してたみたい。話してくれるってことはあの時の自分は間違ってなかったってことだよね。多分。私はいつも通りにあんまり興味なさそうにしてたけど。
今になってその友達のことをよく思い出す。その時は「異性愛者」としてその場にいたけど今は違うから。私もマイノリティ側だったみたい。虹色が似合わない方の。あの子とお揃いだ。あっはは。カミングアウトしちゃった。嫌いになるんなら嫌いになってね。これで嫌いになるような人、私も嫌いだからさ。
あの子は今どうしてるんだろう。あの子のことだから多分今は新しい好きな人がいるんだろうな。恋人がいたりして。ただ幸せでいてくれたら嬉しいな。
虹色が似合わないってのは友達が言ってたやつ。私もそうだなって思って。