【消滅都市】ウチュウの正体を徹底考察【AFTERLOST】
本記事はスマホゲーム「消滅都市」に関するストーリーおよびキャラクターの考察です。今回は消滅都市の世界に災厄をもたらした登場人物「ウチュウ」について、科学・宗教・神話の観点から深掘りしていきます。
▼YouTubeにて関連動画を公開中
【構成】宇宙論の解説→所長&ウチュウの正体→惑星に例えるウチュウの性質→ソラの正体→まとめ(約16分)
▼本記事と動画内容について
西洋占星術・タロット・西洋魔術・錬金術などオカルティズムを学問として勉強しているため偏った見解も含まれています。そういった分野が苦手な方はスルーしてください。
また、ネタバレも含みますのでゲーム未プレイの方はご注意願います。
・ウチュウに関連するキャラクター
■ウチュウ
【登場作品】
・『消滅都市』失われし世界~最終章epilogue
→ランキングイベント「消えゆく記憶と目覚めのまどろみ」メニュー▶️クエストメモリーから読み返し可
■所長
【登場作品】
・『消滅都市0.』天上の世界~最終章epilogue
■ソラ
【登場作品】
・『AFTERLOST -消滅都市』counterpoint
・『消滅都市』最終章epilogue
(※1) 派生作品『AFTERLOST -消滅都市』は2021年6月30日にサービス終了。オリジナル作品の『消滅都市』は2022年8月8日時点で継続してサービス運営中(【お知らせ】【重要】今後の運営に関しまして 2021年6月29日)
ちなみに、サーカス団に所属していた調教師「マイ」の相棒ライオンも「ソラ」ですが、名前が被っているだけでAFTERLOST(counter point)に登場したソラとは関係がない模様
・ユキをウチュウや神だと断言できない理由
消滅都市のメインキャラクターであるユキに関して、タマシイを呼び出す特殊な能力を持ち、失われし世界編では実質ボスとして登場したこともあり、「ユキはウチュウ&神である」と断言している方もいらっしゃいます。
それがworld:Aに存在するオリジナルユキを指すならそういった見方もあるかもしれないと思う反面、ユキをウチュウと比較して神と言い切ってしまうことには疑問を感じています。
■理由1:ファンの推測と仮説
その意見が正しい、正しくない以前に、公式情報やファンの総意ではありません。ストーリーで明言されていない情報を一部のファンがユキを神格化した考察とひとつの可能性であるためです。
ストーリーでも明言されておらず、真偽の程は明らかにされていません。今のところストーリー完結後もユキを神だと言い切るのは難しい問題です。
■理由2:多くの謎は各ユーザーの感想と想像力に委ねられている
私のような何処ぞの者が言うのもおこがましいですが、消滅都市に関する解釈や考察を正しさや間違いを恐れず発信する方が増えてほしい・・・。
そんな想いも相まって、苦手な文章作成と批判覚悟でこうして文字に書き残すことにしました。
▼ユキについて
ストーリーで判明しているユキの細かな設定や有志による考察は公式の攻略wikiにまとめられています。
私もユキについて思うところがあり、次のように考えています。
ユキをウチュウ&神とは呼べない(※2)
消滅都市に関わる最高神や絶対神でもない
けれど、普通の人間とは少し違う不思議な力を持った少女
(※2)world:Aにいる球根のなかで眠るユキを含む。ユキはオリジナル(world:A)とレプリカント(world:B)がいるので調べてみてください。
これがユキに対しての私的な感想です。
▼宇宙(世界)とは?
消滅都市の世界に君臨するウチュウが何を表すのかを考慮すると、無は何か、宇宙論、創世神話に登場する神、宇宙を創造したのは誰か?につながらないかと考えています。
▼創造、維持、破壊の側面を持つ存在
そうすると、まずは宇宙誕生の話を科学的、宗教的、神話的側面から解説し、その後『AFTERLOST -消滅都市』のソラを中心にウチュウの正体を考察する流れに至りました。
消滅都市が存在する宇宙(世界)を創造したのは誰か?を掘り下げていくと、ゲーム中ではソラ、所長、ウチュウが一番それに近いのではないかという私の妄想と持論です。
▼ユキとソラの関係性
ソラはユキを通して消滅都市の世界を覗いたので2人が無関係なわけではありません。お互いタクヤに好意を抱いているのもそれぞれの共通点であります。
しかし、あくまでユキはソラが見た夢の世界の住人に過ぎません。
メタ的に言えばユキもキャラクターとして創造された被造物です。
実際はスマホゲーム『消滅都市』を生み出したメインシナリオライターの下田さん&WFSのオリジナルタイトルですが、作中に登場した作家がゲームとして世に送り出した夢物語が『消滅都市』の世界だったと勝手に考えています。その夢をみていた少女こそがソラだったのです。
したがって、
ユキ≠ウチュウ・・・ユキは神と呼ばれる存在ではない
ソラ=ウチュウ・・・ソラはウチュウを生み出した宇宙(世界)+神(※3)
ソラ→ユキ・・・ユキの視点で世界を覗いていた観測者
(※3)ソラ=ウチュウ=所長は同一の存在
これらの持論を仮定してお話します。
以上を踏まえて、本記事はユキを除くソラ、所長、ウチュウを三位一体と捉えて考察しました。
・所長とは?
天上の世界に存在する消滅したはずの都市。
この消滅都市に突如、箱(黒い立方体)と共に現れた謎の人物です。
所長は、世界線分割を企むベオと対立する立場として世界線統合(世界線統一)を目論んでいました。
黒い箱にも象徴的な意味合いがあると思っていますが
この研究施設が何なのか?
なぜ立方体の形状なのか?
誰が研究員にいるのか?
残念ながら、核心をつくような言及はありませんでした。
結局この黒い箱が何を表すモノなのか自信が持てず、YouTubeに公開している動画でも触れていません。
しかし、いま思えば立方体=3次元空間=宇宙空間、つまり『世界』を象徴していたのではないかと推測していますが真意は分かりません・・・。世界であり宇宙そのものだったウチュウの表れだったのかと考えましたが、あくまで想像です。
・所長の正体
『消滅都市0.』の天上の世界編から登場した所長が、なぜ研究に所属しているのか素性や背景が語られることはありませんでした。
しかし、所長の正体は明らかにされています。
その正体は、もうひとりのウチュウでした。
正確に言うと、元は所長とウチュウは
所長・・・天上の世界に残された
ウチュウ・・・地上の世界に降ろされた
天と地で分断された同一の存在です。
▼災厄の力を持つ所長のモチーフとは?
度々、自然災害のような力を使う所長。
ベオやウチュウのような混沌や破壊と対立する属性、つまり宇宙(世界)の秩序やルールを司る性質を持っていたのではないでしょうか?
所長は他のキャラクターと比べて公式情報が少ないですが、ウチュウと同一存在でありながらウチュウとは正反対の特徴と性質がありました。
具体的に例を挙げるとギリシア神話のゼウス、ローマ神話のユピテル、インド神話のインドラ、占星術では秩序を司る木星に近いと言えるかもしれません。
・ウチュウとは?
▼タイヨウの成果は本当に偶然だったのか?
ウチュウはタイヨウが研究の過程で生み出した偶然の産物です。
一見するとタイヨウの成果も偶発的に見えますが、「何か」の介入があって空っぽの器(少女)にイデア界の存在を降ろすことに成功したのでしょう。
その「何か」が『AFTERLOST -消滅都市』のcounter pointで語られたもうひとつのストーリーだったのだと考えています。
▼タイヨウが所属する組織で企んでいたレプリカント計画
ウチュウを生み出した研究の成果から、それと同等のレプリカント(人工生命体)の計画も着手したようですが・・・。それがゲームでは1度目の消滅(world:B)のストーリーへと繋がっていきます。
・ウチュウの正体
では、神のごとく君臨していた
少女の正体は一体何者なのか?
結論だけ述べると
ウチュウの正体は
所長・・・元々は同一だった
ソラ・・・ソラの病理と負の側面
「消滅都市」ではタイヨウの研究によってウチュウが誕生したように見えましたが、大元のはじまりは『AFTERLOST -消滅都市』のストーリーcounter pointで判明します。
▼AFTERLOSTから読み解くウチュウのはじまり
ソラはこの国(日本)を襲った大きな地震を機に不思議な夢を見るようになります。
その夢こそがユキとタクヤが存在する「消滅都市」の世界でした。
ユキと呼ばれていたソラは次第にユキとタクヤの旅が続くように願い、それが要因となって"たまたま"タイヨウの研究とタイミングが重なり"偶然"の産物と言われたウチュウを地上に降ろす結果につながりました。
この際に、ウチュウ(宇宙?)の力は
所長(天上の世界)
ウチュウ(地上の世界:world:A)
天と地で二分されてしまったのではないでしょうか?
▼相対する性質が天地で分断された?
これはあくまで例えです。
所長とウチュウに優劣や良し悪しがあるわけではありませんが、
老年×幼年
秩序×混沌
善×悪
木星(吉星)×土星(凶星)
このようにすべてのモノに互いに対立する性質が存在するなら、物語が続いてほしいソラの願いとタイヨウの研究がタイミングよく噛み合い、ウチュウを地上へ降ろすことに成功(※4)したのかもしれません。
(※4)成功したといっても地上に降ろしたのは負の側面のみ。本来の能力はイデア界の所長と二分化されたため、ウチュウの力も不完全だったのでは・・・?
・AFTERLOSTで判明するメタファー
1度目の消滅で起きたロスト、記憶障害や精神に及ぼす波動性物質など消滅都市の世界で起きた現象や用語は何を指していたのか?
派生作品『AFTERLOST -消滅都市』にて、ヤスヒロ(中身はソウマ)の口からそれぞれの用語やキャラクターさえもメタファーであると告げられます。
・ソラの正体(何のメタファーだったのか?)
ソラは観測者の望みを体現した存在でした。
ソラは観測者のひとりでもあり、観測者のなかにも上位と区別される存在もいるそうです。
⚠️勝手な妄想と深読み
〜ソラは何のメタファーなのか?〜
ここからは、ストーリーで語られていないソラの個人的な感想と考察になります。正確な情報ではなく個人の見解ですので、あまり鵜呑みにせず可能性のひとつとしてお考え下さい。
ソラの正体は
憂鬱(メランコリー)の気質を抱える
人々のメタファー
だったのではないかと思っています。
AFTERLOSTがリリースされた当時、counterpointに登場するソラのシーンのみどうして暗く冷たく、孤独感や陰鬱な雰囲気が流れているのか気になっていました。
ソラの登場するシーンはすべて物悲しいピアノのBGMが流れます。姉のリサは引き篭もり、ソラもいつも曇った表情をしていますので、どちらかというと内向的な性格だったのでしょう。
1995年に地下鉄で起きたテロ事件
1997年に神戸で起きた事件
2011年に東北地方で発生した大震災
これまで日本国内や世界で起きた大きな事件
それらを連想する会話を狂気じみた口調で話すヤスヒロ(中身はソウマ)
繰り返しになりますが、ソラが不思議な夢を見るようになった時期は大震災の後です。
ユキとタクヤの物語を見ている内に夢と現実の区別が曖昧となり
次第に妄想にとらわれはじめたソラ
『AFTERLOST -消滅都市』をプレイした方のなかには「タブーのテーマをゲームの題材にして不謹慎だ」と怒りを覚えたかもしれません。
私はAFTERLOSTの配信当時、あまり深く考えずにcounterpointのストーリーを読んでいましたので「賛否が分かれそうな展開になっているなあ・・・」くらいの感想でした。
しかし、今振り返るとそのタブーの出来事に触れたことには大きな意味があったのではと思っています。
・スマホゲーム『消滅都市』とは何だったのか?
悲劇や絶望からも前に進まなざるを得ない現実
痛みと苦しみのほうが多い嘘と狂気にまみれた現実
現実世界で無自覚に憂鬱な気分に苛まれ、3.11の震災をきっかけにソラが授かった夢からの啓示・・・
↑憂鬱質(メランコリー)についてはタイヨウの考察動画もしくは其々でお調べください
と、なにかの本で読んだ覚えがあります。
少なくとも、私は消滅都市を通して弱気だった自分と向き合う覚悟と勇気をもらいました。
▼自分の心境に変化を与えるきっかけとなった
いままで、スマホゲームは気軽に遊べたらよいくらいの感覚だったので、シナリオやキャラクターのエピソードにほとんど興味がありませんでした。
消滅都市も知人に勧められて始めたものの、初期のストーリーは読んだ覚えがなく、後々実装されたスキップ機能で読み飛ばしていたくらいです。
消滅都市はSF作品に分類されるそうなので、当時から頭を使うことが苦手だった私は、これまでSF作品や小説、文学と呼ばれる本やアニメ、ゲームを真剣に考えたこともなかったです。
どちらかと言うとソラのように、特に自分の意見や何かを貫きたい信念も持ち合わせておらず、他人の顔色を伺う傾向がありました。
そんな私がいま、YouTubeチャンネルを開設して自分なりの感想と意見を発信できるようになったのは、消滅都市のストーリーを通じて、弱気で臆病な自分や置き去りにしていた現実と向き合おうと思えるようになったからです。
「なんでもいい」が口癖だった少女ソラが、夢で見たもうひとつの世界で生きる特別な体験
人生あきらめることばかりだったソラにとっては、前を向き続けあきらめないユキとタクヤの物語に没入しすぎていた面も感じ得ます。
▼ソラは夢の世界に夢中になりすぎた?
夢を見ている間、そしてユキとタクヤが旅を続けている限りは誰かに注目してもらえる。承認欲求も満たされるかもしれない。
夢と現実の境界が分からなくなっていたソラは、その幻視体験に近い感覚にいつしか溺れてしまっていたのです。
夢の世界に夢中になりすぎて、
現実がどちらか分からなくなるくらいに。
自分のなかに潜む病理(メランコリー)を自覚し、ソラ本人に現実と向き合う勇気と覚悟があれば・・・
もしかしたらユキとタクヤの旅、
消滅都市の物語も変わっていたのではないでしょうか。
▼ユキたちが選んだ観測者との決別
最終章となるepilogueは、ユキとタクヤを導いてきたプレイヤーからすれば突き放された気分になる終わり方でした。
文学作品の演出や手法の知識はありませんが、キャラクターの口を借りた過剰なメタ発言は万人受けしない結末だったかもしれません。
▼それでも私はこの終わり方が好き
観測者にとって決して良好な終わり方ではありませんでしたが、個人的にはユキとタクヤ、ソウマが観測者と決別することを選んだことに納得しています。
消滅都市を生きる世界の住人にとって、道を示し続けていた観測者と決別することは大きな決断だからです。
現に途中からタクヤとソウマは見えない道をスクーターで走る場面があります。しかし、観測者の導きがなくてもタクヤとソウマは見えない道を走り続けることができました。
私はepilogueで綴られた物語を、ユキたちが観測者たちの干渉から解放される新たな選択をしたと前向きに捉えています。
・さいごに
長い間、とても心地の良い夢を見せてもらいました。いままで夢を共有させてもらった…と表現したほうが近いかもしれません。
AFTERLOSTをプレイしていた頃は自分の理解力が乏しくてソラの物語をうまく咀嚼できませんでしたが、少しだけ自分なりに解釈できるようになった気がします。
ゲーム、小説、アニメ、リメイク…
すべて大好きな消滅都市
いつか正しく評価される日が来ることを願って思いの丈を綴りました。
ここに書いた内容は私の勝手な見解ですので、最終的に消滅都市の物語を納得するかはご自身で理解する必要があると思います。
もし参考になりそうなキーワードや題材がありましたら、みなさんの感想や考察・二次創作などの材料にぜひご活用ください。
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