おまかせ
どうも具合が悪い、すこぶる。
依然猛威を振るい続けるウイルスのせいで心が荒んでいるのか、自国へのあらゆる失望からか、とはいえその国で五十年のほほんと生きて来た自分の無関心無教養さへの落胆からか、先日患った帯状疱疹の後遺症なのか、
はたまた職場のじめーっとした面倒くさい案件のせいか、それともそもそもこの状態が
正しい更年期のあり方なのか。
とにかくなにも心に響かずやる気も出ず興味も湧かず。
手指も痒いし。
顔も痒いし。
痛いし。
アウトプットどころかインプットにも至らないのだから、捻っても絞ってもなにも落ちてこないのは当たり前か。
そんなだから、つい出来心で久し振りに本を買ってみたところで(最近はずっと図書館借りだった)1ページも進まない。
気が付くとYouTubeで犬の動画なぞ見てニソニソ笑いながら夜が更ける。
幸いお腹が空くので助かる。
空腹も感じなかったらおしまいだ、喜びはどこに。
職もあってよかった、お金はどこに。
今日はお休みで、今は畳の上に寝転がりながらこれを書いている。
雨は降ったり止んだりで今は静か。
昨夜はどこぞに雷、いい音で落ちてた。
仕事のシャツは皺にならないように、脱水の途中で洗濯機を休止し救い上げ干してる。
その救いのタイミングを間違わないように水のチョロチョロ流れる音の質を洗濯機の前で耳を大きくして確かめる。それが今の少しだけ心が動く行為のひとつ。大丈夫か。
もうお昼になっちゃった。
朝から洗濯以外なにもしていない。
どうも調子が良くない、それはすこぶる。
寝そべった顔の横には敷物の匂いのする愛用カーディガン。
はよ、はよ元気に。
とは思うけれど、無理はいけない。
身を任せ、風任せ。
任せ任せ、任せやがれ。