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意外と知らない かつおぶしの話
〝かつおぶし〟
一度は目にしたこと、口にしたことがあるのではないでしょうか。
スーパーやコンビニでも目にする〝かつおぶし〟
よく見ると、いろいろな種類のものが売っていませんか?大袋のもの、個包装のもの、粉末状など。値段もいろいろ。身近だけど、違いがよくわからない〝かつおぶし〟
この記事では
『鰹節が出来るまで、種類、料理に適した鰹節の選び方』
を説明します。
スーパーでの〝かつおぶしの選び方〟が変わるかもしれません。
【鰹節が出来るまで】
鰹節とは…
カツオの身を煮て、水分を26%以下にまで燻製したものです。この鰹節を削ったものが、普段よく目にする〝かつおの削り節〟です。
※鰹節の状態(棒状で木みたいな見た目)で売っているお店もあります。
▼鰹節の製造工程
生のカツオの頭と内臓(小さいものだとそのままの場合もある)を取り除く。
カツオをきれいに水洗い後、3枚におろす(おろさずにそのまま使用する場合もある)。
煮る(90度以上で約2時間)。
骨取り(専用の毛抜きのようなもので1本1本骨を抜く)。
燻製(火入れ)。香り付けとともに水分を飛ばす。
この過程を経て、鰹節が完成します。
【鰹節には荒節・枯節の2種類がある】
製造工程や期間の違いで、鰹節は〝荒節〟と〝枯節(かれぶし)・本枯節(ほんかれぶし)〟の2種類に分けられます。
▼荒節とは
作り方は👆で説明した通り。10日以上燻して(燻製)出来上がりです。約1ヵ月で完成します。
▼枯節・本枯節とは
荒節に、専用のカビ(鰹節菌)を付けて天日干しをします。この工程を2回以上繰り返し、水分を更に抜き、熟成させたものが枯節です。完成までに約3ヵ月かかります。
この枯節をさらに発酵熟成させたものが本枯節です。カビ付け・天日干しを3~4回以上繰り返すと、本枯節になります。鰹節の中では最高級品で、完成までに6か月程度かかります。
『なぜカビをつけるの?』
鰹節に付いたカビは、鰹節内の微量な水分を栄養とします。鰹節は、この水分が抜けることで更に乾燥が進み、旨味が凝縮します。また、鰹節の脂肪分が分解され、上品でまろやかな風味が出てくるのです。熟成し、旨味が増すのです!
※ちなみに枯節・本枯節は発酵食品です。
【鰹節の削り方による違い・使用目的に合わせて選ぼう】
・花かつお(薄削り)
市販でよく見るのはこのタイプ。0.03~0.06mm程度の厚さ。業務用は0.07~0.1mmの厚さが多い。短時間で削り節の成分を抽出出来るので、出汁をとるのにおすすめ。
・花かつお破片(はへん)
花かつおを削ってから、破砕機という機械で細かく刻んだもの。小袋タイプで販売されていることが多く、利便性が高い。おひたしや冷奴はもちろん、何にでも使える万能選手。
・血合抜き削り
カツオの血合の部分を取り除いた贅沢な削り節。白っぽい見た目。血合部分は、カツオの生臭さや、出汁を濁らせてしまう原因に。出汁が主役のお吸い物や茶碗蒸しに。
・中厚削り/厚削り
0.2mm~1mm程度の厚さ。出汁を取るのに時間はかかるが、味付けをしても存在感のある出汁をとりたいときに。煮物やうどん出汁など。
・細削り
細かく削ったもの。他の食材となじんで食べやすく、使いやすい。おひたしや冷奴のトッピングに。
・糸がき/糸削り
血合の部分をのぞいた鰹節を、糸状に削ったもの。ふわっとした見た目。風味をプラスしたいときに。料理の最後にのせると華やかな印象に。サラダや混ぜこみご飯の上に乗せるのもおすすめ。
・かつお粉(粉末)
鰹節を削っているときに出た粉。ご飯に乗せてふりかけにしたり、焼きそばやお好み焼きにかけたり。お味噌汁の追い出汁として、最後に加えのもおすすめ!
『なるべく薄く削ったほうが、早く出汁が出て良いんじゃない?』
技術的には、0.01~0.03mm(0.1mm=A4の紙の厚さ)、つまりA4の紙の1/10の薄さに削ることが出来ます。しかし、薄すぎると削る過程で風味が飛んでしまい、〝旨味が残りにくい〟のです。
薄い削り節は、トッピングに使うとよく踊るので、華やかさや興味を惹く、という見た目の良さはあります。削った瞬間は旨味がありますが、酸素に触れると同時に味が飛んでしまうのが難点です。
ちなみに、あまりにも薄いので、口に入れた瞬間溶けます。削りたてを頂けるなら、ぜひ食べたいものですね(最近では、こだわりの鰹節を使用した〝鰹節丼〟を食べられるお店もありますね)!
【出汁の違い】
▼荒節
やや濁った薄い琥珀色。燻製の香りと、カツオの風味を強く感じる出汁。味の濃い料理やパンチが欲しいときにおすすめ。
▼枯節・本枯節
澄んだ琥珀色。すっきりと雑味のない上品な味わい。お吸い物やおひたし、薄味の煮物や茶碗蒸しなど。出汁の風味を味わいたい料理にぴったり。おもてなしにも最適!
【裏面の原材料表示を確認しよう】
〝かつおのふし〟=荒節
〝かつおかれぶし〟〝かつおのかれぶし〟=枯節
ぜひ裏面をチェックしてみてください!
【保存方法】
開封後の削り節は、必ず冷蔵庫または冷凍庫で保管してください。そしてなるべく早めに使用しましょう。酸化が進みます。
未開封なら常温でも大丈夫です。
使用量が少ない方は、個包装タイプをおすすめします。
【まとめ】
カツオ(生もたたきも鰹節も)好きな私の、趣味投稿でした。
今まで何気なく使っていた削り節の違いを知り、使用目的にわけることで、さらにおいしくカツオを食べてもらえたら、と思っています。
ちなみに、私の体感ですが、本枯節の削り節にはなかなか出会えません。しかし、とてもおいしいです。発酵食品だ!と思わせるような芳醇で、チーズのような風味を感じます(個人的感想)。