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賃貸物件退去後の請求(現状回復費の請求など)でトラブルが発生した場合

みなさま、こんにちは☁️


賃貸物件にお住まいの方も多いと
思います。
賃貸物件では、退去後、
現状回復費を請求されて、敷金で
調整することになりますが、
請求額が高額になったりして、
納得のいかないケースもあると
思います。


私も25年くらい前になりますが、
最初の賃貸物件の時に、
敷金の戻りが悪く、納得がいかなかった
ので、大家さんに、「内容証明郵便」を
送り、いくらか返金分を取り返した
経験があります。


備考欄に示しておきました 
「東京都の賃貸住宅トラブル防止ガイド
ライン」にも記載されていますが、


ポイントは、以下になります。

⚫︎退去時には原状回復が必要となりますが、
 この場合の「原状回復」とは、借りていた
 物件を契約締結時とまったく同じ状態に
 回復するということではありません。

 建物賃貸借契約における「原状回復」とは、
 借主の居住、使用により発生した建物価値
 の減少のうち、退去時に、借主の故意・
 過失や善管注意義務違反、その他通常の
 使用を超えるような使用など、借主の責任
 によって生じた損耗やキズなどを復旧する
 ことです。

 したがって、費用の負担についても、
 破損部分の補修工事に必要な施工の最小
 単位に限定されます。

 経年変化及び通常の使用による損耗・キズ 
 等の復旧については、貸主が行うのが原則
 です。その復旧費用は貸主の負担です。


⚫︎貸主と借主の合意により、上記の原則と
 異なる特約を定めることができます。
 ただし、通常の原状回復義務を超えた
 負担を借主に課す特約は、すべて認められ
 る訳で はなく、内容によっては無効と
 されることがあります。

 したがって、契約締結の際、貸主及び
 仲介業者は借主に対し、あらかじめ原状
 回復に関する内容の説明を十分に行い、
 貸主と借主の双方が正しい認識を共有
 することが大切です。


実際のところ、故意過失による破損か否か?
は非常に判断が難しい場合もあるので、
怪しそうな部分は、入居時に写真等を
撮って証拠を残しておくことが大事です。 


破損が議論されそうな主な部位について、
以下に記載したいと思います。


◇ふすまとか障子
 入居後に付いた傷や破れなどは、
 基本的には、故意過失による破損になる。


◇クロス(壁)
・生活のために必要な傷かそうでないか?
・画鋲→故意過失にならない。
    (ポスターを貼ることは
    生活のために必要とみなされる)
・くぎとか、ペッタンと貼るもので取る
 時にベリッと剥がれそうなもの。
 (故意過失になる可能性が高い。)
・だいたいクロスは1枚で全部貼れなくて、
 1.5枚や2.5枚になるケースも多い。
 業者によって違いますが、実際に
 使ったクロスの枚数分の見積りに
 なる場合もあるし、全面積分取られ
 てしまう場合もある。
 重要なのは、故意過失かどうか。
 故意過失で傷つけた枚数分払うだけで
 良い。
 見栄えが悪くなるから全部取り替える
 等は、大家さん側の理由なので、
 それは払わなくて良い。
・クロスにカビが生えている時
 部屋があまりにも汚かったり、
 結露などの掃除をしないでカビて
 しまった場合は、故意過失になる。
 また、サッシや周りの木の部分まで 
 腐食していると、とんでもない額
 取られてしまうので、きちんと掃除 
 しておくことが重要。
 掃除などしないで放っておくと、
 「善良なる管理者の注意義務違反」に
 あたってしまう。

 ただし、部屋や建物の構造上の問題
 であれば大丈夫なケースもある。
 半地下の部屋で下の方がブヨブヨに
 なっていたりなど。


◇台所
・家電の背面焼けは、張り替える必要
 があるが、生活に必要なものなので、
 大家さん持ちになる。


◇エアコンの清掃代、ハウスクリーニング代
・基本的には大家さんが払う。
 が、重要事項説明書や契約書に、
 「入居者が払うこととする。」とか、
 値段まで記載がある場合は、入居者
 が払う必要がある。
 何も記載が無ければ、払わなくて
 良いが、入居時に、契約書等を
 チェックするか不動産会社に確認
 しておくことをお勧めします。

 ハウスクリーニング代が高かった場合、
 高い根拠を聞いて、相場より高ければ
 差額を返してもらうことも可能。


◇お風呂場
・鏡の清掃は、ハウスクリーニング
 代とは別に特別清掃費を取られる場合が
 ある。日々の清掃をすれば防げる。


◇裁判について
・基本的に東京都ルールに基づいていれば
 勝てる。60万円以下であれば、少額訴訟
 が可能。
 あまりにも、ぼったくりの場合は、
 その場で、こういう内容で出しますから
 と、内容証明(※2)を出しても良い。


解約後、補修費用の明細がきましたら、
まずは、東京都ルールに基づいて明細が
できているかどうかチェックしましょう。
(東京都以外でも各自治体で、ガイドライン
や相談窓口があるはずです。)


明細におかしなところがあれば、それを
指摘して、反応が無ければ、内容証明郵便
を送り、プレッシャーをかけましょう。
それでも、言い分を飲まない業者だったら
少額訴訟で戦いましょう。


◆備考

・(※1)東京都の賃貸住宅トラブル防止ガイドライン



・(※2)内容証明について
賃貸の敷金返還請求をするには、内容証明
郵便を送付する方法が一般的です。
内容証明郵便は、差出人、宛先、文書の
内容、差出日付などが日本郵便によって
証明される郵便で、相手方に心理的な
プレッシャーを与えることができます。
また、裁判などの争いになった場合、
意思表示をした重要な証拠となります。

内容証明郵便を送付しても返還に応じない
場合は、「少額訴訟」(※3)をすることが
できます。

・(※3)少額訴訟について
敷金の返還請求すべき金額が
60万円以下であれば、簡易裁判所で
「少額訴訟」をすることができます。

少額訴訟は、簡易裁判所で原則1回の裁判
期日で審理を行い、即日判決が出るという
簡易な裁判手続です。

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