土星最大の衛星「タイタン」に、地球外生命体は存在するのか?
みなさま、こんにちは。☀️
今日は一転して少し肌寒い一日ですね。
今日は、土星最大の衛星「タイタン」
についてです。
タイタンは土星の80個以上ある衛星の
中で最も大きく、太陽系内で2番目に
大きい衛星です。直径は約5150kmで、
地球の月や水星よりも大きな天体です。
興味深いのは、タイタンが厚い大気を
持っている点です。
他の衛星は、大気がほとんど無いか、
非常に希薄なのですが、タイタンでは、
窒素を主成分とする大気で構成されていて、 地球と似たような成分を持っています。
地球と違う点は、タイタンの大気には、
メタンやエタンといった炭化水素が
含まれている点です。
大気の組成の97%は窒素で、メタンが
2%含まれています。
また、地表での大気圧は地球の1.6倍で、
表面温度は約-180℃でかなり低温です。
この温度では大気中のメタンは液体になり
ます。
タイタンにはメタンやエタンなどの炭化
水素の雨が降り、それによって湖や海が
できています。地表がかなり低温なため、
地表には、メタンやエタンで構成された
液体が存在している状態になっています。
タイタンでは、メタンの雨が降り、
川が流れ、湖や海を作るというサイクル
が起きているのです。
物質は違いますが、地球における水の
循環に似ています。
液体が地表面に存在することから”生命が
存在するのではないか”と期待されて
います。
液体の主成分であるメタンやエタンなどの
炭化水素はまさに生命の材料となる物質
です。
地球では、水が生命の誕生に不可欠な
要素と考えられていますが、
タイタンでは、水の代わりにメタンを
基盤とした生命が存在する可能性がある
のではないかと推測する科学者も
います。
実際に、タイタンのような過酷な環境で
も生きられる微生物が地球にも存在する
ため、同じような生命体がタイタンにも
いるのではないかと期待されています。
さらに、タイタンの地下には氷の殻の下
に液体の水が存在していると考えられ
ています。もし、地下に水の海がある
ならば、地球の海底に似たような環境
が広がっているかもしれません。
タイタンについて、このような情報
をこれまでに幾つかの探査で得られて
きましたが、なかでも有名なのは、
「カッシーニ・ホイヘンス」ミッション
です。
タイタンは、1655年にオランダの天文学者
クリスティアーン・ホイヘンスによって
発見されました。
彼は兄であるコンスタンティン・ホイヘンス
と協力して望遠鏡を作り、土星の観測を
続けました。
当時の望遠鏡では高解像度での観測は
難しかったものの、改良を重ねた結果、
ついに土星の衛星タイタンを発見したの
です。
時を経て、1997年10月、
アメリカ航空宇宙局(NASA)
と欧州宇宙機関(ESA)によって開発された
土星探査機カッシーニが打ち上げられました。
カッシーニには衛星タイタンを調査する
ために小型惑星探査機ホイヘンスが搭載
されていました。
探査機カッシーニは天文学者
ジョヴァンニ・カッシーニから、
小型惑星探査機ホイヘンスは前述の
クリスティアーン・ホイヘンスから名付け
られています。
2005年1月、探査機ホイヘンスはタイタン
に着陸し、まるで地球の川のような地形を
発見しました。それは、メタンの雨に
よって氷の大地が侵食された跡です。
現在、NASAは次のタイタン探査ミッション
「ドラゴンフライ」を計画しています。
この探査機は、ドローンのような形状
をしており、タイタンの大気中を
飛び回って、複数の場所を探査する
予定です。
「ドラゴンフライ」は、2027年に打ち上げ
予定です。
タイタンの生命の可能性や環境をさらに
詳細に調査し、将来的な人類の移住先
候補となりうるか?
などを調査する予定です。
現時点では、極寒の環境や大気中や地表
のメタンの存在など生命活動には厳しい
条件かもしれません。
タイタンは地球以外の天体で、明確に
安定した液体の存在が確認されている唯一
の天体です。
今後のさらなる観測・研究を期待したい
と思います。
なお、NASAはホイヘンスがタイタンへ
タッチダウンする様子をまとめた動画をYoutubeで公開しています。