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地元歩き

9年ぶりのパスポート申請のために、三連休を使って帰郷した。

戸籍謄本以外に目的もなく、暑さに辟易していたこともありエアコンの下にしかいない帰郷だったが、いよいよ帰るというその日、一学期最終日に上履きを忘れた愚弟のために6年振りに母校への道を辿った。

徒歩約15分、ぎりぎり自転車通学が認められない区域。
体温調節のしにくいセーラー服で3年間通った。

小学校の友達と待ち合わせして登下校した1年生
寝坊ばかりで気づいたら1人だった2年生
好きな人に会える時間を計算して道も変えた3年生

大した距離でもないくせに、抜け道や回り道がたくさんあって飽きなかった。
思い出の道をなぞりながら、自分のお気に入りが猫に会える確率が高かった道だったことを思い出す。
いなくなってしまったのか、はたまた気温のせいなのか、今回は1匹も出会えなかった、、、😿

ラジオ体操の張り紙、夏祭りの町内神輿の張り紙
地元の夏は暑いが、活発だ。
無性に元同級生たちに会いたくなる。

ついに懐かしの母校にたどり着いた。
授業も始まった時間、人気は無い。
事務室に上履きを届け、あっさりおつかいは終了した。


大学の講義に間に合わないため、その足のまま駅に向かう。
元彼氏に教えてもらった近道は、いつの間にか忘れていて、気がついたら遠回りしていた。

家を出た時はこんなもんかと思っていた日差しがスパートをかけてくる。
コンクリートジャングルでの暑さとは違う、体に溜まるじんわりした熱
思えば終電以外で地元を後にすることは久々だった。

セミ、カナヘビ、干からびたミミズ、チョウ
観光地化された地元でも自然は健在である。

駅につき、仲見世を横切ったところで
「ここら辺あんまり良い店ないね」
という観光客の声を聞いた。

そうかもなぁと思いつつ、それでいいと強く思う。
また来てくれなくたっていい
リピーターは私たちだけでいい

電車に乗りトンネルと緑を繰り返す景色を眺めながら
また理由をつけて帰ろうと思った。

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