ジョニー
男性器のことをジョニーと言うらしい。
これは京都で、定着しているわけではないけれどなんとなくの共通認識で使われている語らしいのだが由来は判然としない。
私が知らないだけかもしれない。
基本的には息子という意味なのだが、童貞のニュアンスも含まれるらしく、多くの俗的な語がそうであるように文脈によって多くの含みを持つ。
私がこの語を知ったのはくるりの楽曲からで、彼らの曲ではしばしばジョニーという言葉が重要な意味を持って使われている。
「かごの中のジョニー」や「飛び出せジョニー気にしないで」などがそれで、息子という本来の意味で使いつつも、童貞という意味から連想される閉鎖的な場からの解放、脱出といった寓意的な表現がなされている。
ジョニーとはなんなのだろうか?
ジョンの愛称である。
おそらくこの愛称の持つ子供じみた部分から連想されて現在の使われ方をされているのだと思うが、元がそうした曖昧な地点から出発しているために多義的な意味を含む空間的な言葉となっている。
ジョニー、私が始めにこの語を持ち出したのは自身と「ジョニー」の間に並行的な類似があるように思えたからである。
意味を広くすれば世の中の人は皆ジョニーだ。
閉じこもり、未知を恐れ、しかし一人で猛っている。
ジョニーは何を見る、ジョニーは何を思う、ジョニーは何かを考え、そうしていつか外に出ねばならない。
私は早くジョニーでなくなりたい。