人笑人バンド愛媛大学演奏ツアー珍道中7
実はそこからは、別行動になってしまったので、詳細を知らない。
昼のラジオで、電動車椅子組が道後温泉で、みかんちゃん?の被り物を買ってきて、それを被りながらラジオトークしたことくらいしか、直接は知らない。
それから時間は経って、21時くらい。
みんな無事に帰りましたの報告。何事もなくてほんとによかった、と胸を撫で下ろしたら、帰路でとんでもないことが何度も起こったというではないですか!
大街道から空港までのバス、リムジンバスに乗れるか試してみたそうです。
リムジンバスは電動車椅子では乗れず(それは分かってはいたのだが)、なんと路線バスでも、車椅子一台しか乗れないというハプニング。
ノンステップバスでは、たしか2台までは車椅子が固定できるスペースがある。でも気になっていた。2台もう使われていて、途中から乗って使おうとした場合、どうなっちゃうのか。
そんな懸念が現実に起こったらしい。
電動車椅子組、かっちゃんは車椅子に乗りながらでないとダメなので、かっちゃんの分を1台固定して、もう一台、じょーじまさんのは、折りたたんで荷物として載せた。じょーじまさんは、座席に座れるので、一応ことなきを得て空港までは行けたそう。
これで安心したのか、空港で、ビール乾杯をしている写真が送られてきた。
打ち上げしている様子だった。
でも、この後に大変なことは立て続けに起こったらしい。
航空チケットは各自に渡されて、保安チェックで各自で見せて、ゲートを通過していく。
帰りの落とし穴。お土産の数だ。
まことさんは、それはたくさんお土産を買ったらしい。
両手にお土産とバッグ、行きよりも確実に数は増えている。
荷物の管理にワーキングメモリが働いて、チケットをどこに入れたかわからなくなる惨事。
他のメンバーはゲートを通過しているのだが、まことさんだけ、バッグを開けたり、お土産の袋を開けたりして、チケットを探している。誰もサポートに行けないから自分で探し出すしかない。
結局ポシェットみたいな肩掛けカバンの何かの奥にチケットは入っていて、それなりに時間はかかったが、ゲートは通過できた。
その後、飛行機にも無事に搭乗できた。45分程度の短いフライト。座席は行きと同じようにある程度ブロックで固まって座ったらしい。
こーへいは、飛行機の中でもコーラを飲んでいた。あと15分程度で着陸、そのときに、このツアー最大のピンチが訪れた。
これはあくまで後で聞いた話なので臨場感は出せないかもしれない。
シートベルトサインが点灯し、あと15分で福岡空港に着陸する。
こーへいが、衝撃的な発言をした。
「トイレに行ってもいいですか?」
行きにも相当飲み、この日も本番が明けてからは、ノンアルカクテルを片っ端から飲み、この機内でも飲みまくった。トイレに行きたいのは当然だ。行かせてあげたい。でも、トイレに行ってはいけない、おそらく唯一の状況だ。あと、15分我慢して!うちのサポートスタッフはそう答えたらしい。
「我慢ができません」
それでも
「今はできないから、我慢して」
「ムリです」
そんなやりとりが2度3度あったらしい。
前方に座っているCAに、その旨をジェスチャーで伝えたそうだが、
CAも、両手を交差させて、「今はダメです」と答えたそう。
こーへいはたまらなく、空になったペットボトルを、サポートスタッフに見せて、
「これにしてもいいですか?」
相当切羽詰まっていた。
あと7、8分。それもダメ、とにかく我慢しかない、それだけを伝え、こーへいは、限界直前まで達しようとしていた。
この数分は長く感じたろう・・・。
飛行機は着陸態勢に入り、福岡市上空を飛んでいる。こーへいの頭の中は限界をコントロールすることで精一杯だ。
飛行機のタイヤが地面につき、逆噴射で飛行機は減速する。その衝撃が、こーへいに悪い影響を与えてなければいいのだが。
幸いにも、大ごとはなく飛行機は駐機場に入った。
ベルト着用の点灯が消えるや否や、こーへいはトイレにダッシュしたらしい。
限界をコントロールできたようだった。
ホッとしたのか、空港についてから、一息ついてコーラ一本!だったかどうかは、わからない。
空港から博多駅、JRに乗り、佐賀駅へ。
21時を回っていたと思うのだが、メンバーの保護者が迎えにきてくれていて、それは自信たっぷりに、この旅のエピソードを語っていたようだ
そのとき、私はまだ松山にいたため、保護者からはメールをいただいて、到着の無事と感謝の言葉をいただいた。
この一連の出来事、カメラマン同伴だったら記録ドキュメンタリーになっただろうに。そこがもったいなかったなぁ。
今年は、コロナの影響で、人前で演奏することが難しいかもしれない。
でも、こんな楽しい時間を一緒に過ごせたメンバーと、新しい取り組みを始めることにする。
新曲3曲のPVを作る。
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