伝説の女・ゆかり 1
高校時代、俺はゆかりと付き合っていた。
彼女とはショートメッセージで出会った。
ショートメッセージとは電話番号だけでメッセージが送れる機能だ。
2000年頃のショートメッセージは、カタカナ20文字しか送れないもので、
1回で返信を返してもらうには、その20文字にすべてを込めるしかなかったのだった。
女と出会いたかった僕はメッセージを送る。
”オウトウセヨ コチラハオトコ”
すると、着信音。
”コンバンハ コチラハオンナ”
帰ってきたメッセージは女だった。
テンションは爆上がりの高校1年生の俺。
新潟に住んでいて歳は2つ上だと言う。
高校3年生…!悪くない…!
その後は電話をして、その、声だけの女に惚れた。
会うまでのことは端折るが、
かなり時間が経って、俺はゆかりと会うことになったのだ。
ゆかりは会うことにはかなり躊躇していた。
ゆかり「嘘をついていることがあるの」
もしかしたら、男だったりして。
ゆかりに対してそんな不安に駆られるくらい、
ゆかりはめちゃくちゃ躊躇していた。
躊躇に躊躇を、説得に説得を重ね、
実際に会えたのは夜中だった。
待ち合わせをすると、俺が取ったホテルに来るという。
ホテルを出ると、車が止まっていた。
車の後ろの窓にはXJAPAN「hide」のステッカー。
ゆかりの推しメンだ。
ゆかりに電話する俺。
俺「hideって貼ってある車だよね?」
ゆかり「うん…」
期待と下半身を膨らましながら、車のドアを開ける。
写真のとおり…
そんなにかわいくない←
俺「大丈夫だった?こんな時間にありがとう」と彼女を見る。
!?!?!?
彼女の横顔は長い髪で隠れていた。
高い鼻は、紙の毛の隙間から突き出ていた。
俺が驚いたのは鼻の高さではない。
暗闇でもわかるイチゴな鼻。
見間違いか?
え?
いや、見間違いじゃねえぞ。
なにこれ魔女?
高校卒業したてだよね?
ていうか、もう嘘ってそれしかなくね?
俺「ちょ…そ、そういえば嘘ついていることがあるって言ってたよね?なに?」
ゆかり「歳がね…ちょっと違うの」
でしょうね!!!
俺「え^^; いくつなの?」
ゆかり「…いくつに見える?」
え?今、その質問を挟む?
俺「ん~5歳上?」
ゆかり「…25歳なの」
俺「ふ、ふぅん」
俺、高校2年。
ぶっちゃけ20歳すぎてたら、
何歳だろうと変わんねえわ!
しかし、俺は見事なサカリ盛りな高校生。
そんなことはさておき…という状態だ。
俺「とりあえず…部屋来る?」
ゆかり「いいの?」
俺「え?てか、いいの?」
ゆかり「ちょっとなら(時計を見ながら)」
時間のことじゃねーよ笑
部屋でも少し話して、はじめようとするほぼ童貞の俺。
俺「え?いいの?」
ゆかり「ちょっとなら」
このときの”ちょっと”って何?
俺の口が胸まで降りたとき、事件は起こる。
ブラジャーを少し下にずらそうとすると、
俺の予想より早く乳輪が現れたのだ。
俺(え!?乳輪でっかくね?)
乳首までブラをおろそうとしたわけじゃない。
ブラを外すまでのエンターテイメントとして、まだ周辺を責めていただけ。
別の意味で気になってしょうがなくなり、
ブラジャーを外す。
目の前に現れる。ゲイラカイト。
俺の知っている乳輪の大きさではない。
頭に色々とよぎる。
元カノの乳輪が小さかっただけか?
いや、AVもこんなにでかい人いなかったような気が…。
25歳のおっぱいってこんなんなるの?
俺「…すごくえろいね!本当に25?」
高校生にしては、いい質問の仕方だと自分で思った。
彼女は「んふふ笑」と笑うだけだった。