観光まちづくりに特化したコーディネート組織として、まちの魅力を伝えながら全国の仲間と今後の事業展開を検討する ‐チャレコミギャザリング2024春開催レポート(青森県八戸市編)
みなさんこんにちは。チャレコミ事務局の瀬沼です。
今回はチャレコミで半年に一度開催されているフィールドワーク&集合研修でもあるチャレコミギャザリングの開催レポートをお届けします。
昨年からそれぞれの会員団体のエリアに訪問しながら実際の現場でお互いの取り組みを学び合い、事業について考える機会になっているギャザリング。今回は能登・静岡・八戸の3つのエリアで開催されました。
それぞれのエリアの特徴的な取り組みとともに開催レポートをお届けします。
八戸でのギャザリング受入れの背景
青森県八戸エリアを拠点に観光まちづくりを行う株式会社バリューシフト。
代表の外和さんが2013年にたった一人で開業してから10年間、八戸エリアの「地域エコシステム」を耕し続けてきました。
その結果、コアメンバーは6人になり、事業内外で関わる多様なステークホルダーのご縁も広がり、地域エコシステムを起点とした価値創造モデルとなる取り組みやプレイヤーを多数輩出しています。
バリューシフトの主な事業軸として、人材育成、まちづくり、観光の3つの軸があります。その3つの軸を中心としながらコアメンバーそれぞれが考えている役割や、叶えたい未来を実現するために必要な事業活動に取り組んでいます。
バリューシフトの3つの事業軸
▼人材育成事業
高校の探究支援、高校生対象企業見学バスツアーの企画運営、実践型インターンシップ、地域内同期会の運営、ユースセンター運営(一般社団法人わのまちに移行済み)
▼まちづくり事業
関係人口創出事業(兼業コーディネートや対話の場づくり)、地域おこし協力隊の受け入れ支援、地域共生社会0層支援コーディネート、東北経産局人材確保支援等事業
▼観光事業
観光DMO組成事業、新しい観光のモデル開発事業
今回のメインナビゲーター
今回のギャザリングのメインナビゲーターを務める木村優哉さんは、昨年バリューシフトと独立した団体として一般社団法人わのまちを立ち上げたばかり。
これまで学んだコーディネーターとしてのノウハウを活かし、バリューシフトからの自立の道を歩み始めましたが、苦難の中試行錯誤を繰り返し事業を創造しています。
今回のチャレコミギャザリングin八戸では、①地域エコシステムの可能性とは?②次世代人材育成を育むには?の2つのテーマに基づき視察現場を設定し、全国各地から来訪したコーディネーターと共に活発な対話が繰り広げられました。
当日タイムライン
2024/06/14(金)
八戸駅集合(11:30)
新幹線で八戸駅に集合してフィールドワークスタート。今回は岩手県宮古市、新潟県新潟市、山形県鶴岡市、長野県塩尻市、静岡県掛川市、愛知県名古屋市など多様なエリアから参加者が集まりました。
虎鯖棒寿司で昼食!(12:00~13:00)
到着後は、バリューシフトのコアメンバーのおひとりである風間さんが運営する「風笑堂」にて「八戸で一番おいしい」鯖寿司弁当を頂きました。
こちらの鯖寿司弁当をご提供いただいた八戸ニューシティーホテルさんはバリューシフトがコーディネートする副業プロジェクトの受入れ先でもあります。
美味しい鯖寿司弁当に加えて、サバの水揚げ量日本一だった八戸や副業プロジェクトでのストーリーに参加者の気持ちもさっそく盛り上がります。
バリューシフト事例紹介@風笑堂(13:00~14:00)
【テーマ①:観光まちづくりに特化したコーディネート機関の今後の展開について】
会のスタートはメインナビゲーターの木村さんから、今回の受入れ意図や開催背景を話していただくことから始まりました。それぞれのコアメンバーが事業を生み出すバリューシフトの事業についても紹介していただき、そのバックグラウンドになっている想いや哲学を代表の外和さんからお話しいただきました。
今回のギャザリングは初対面同士の人も多くお互いに自己紹介。バリューシフトが普段連携している企業の方が冒頭からご参加いただくなど、まさにバリューシフトが生み出している生態系を体感する機会になっていました。
三本木農業恵拓高校 フィールドワーク(15:00~16:00)
【テーマ②:地域教育の産学官連携を考える】
その後、車で移動し、十和田市内にある三本木農業恵拓高校へ。
こちらは農業高校と普通科2校が統合し、普通科と農業系の学科(植物化学科、動物化学科、環境工学科、食品科学科)が併置されている高校です。
こちらではバリューシフトが連携して取り組んでいる「さんのう探究-地域共創プログラム開発」について担当の木村先生からお話しいただきました。農業高校で培われてきた探究のノウハウを普通科に活かすことで、相互に課題を発見し学び合う仕組みをつくられています。バリューシフトは特に地域の課題を発見するときの外部リソースとの接続を担っており、先生方だけではサポートしきれない部分をともに連携して担っています。
各エリアで高校と連携した取り組みを実施している団体も多く質疑応答の場面でも「どのように評価を行っているのか?」など多くの質問が寄せられました。
ごのへユースセンター フィールドワーク(16:30~17:30)
【テーマ③:地域だからこそできるキャリア教育について考える】
その後、五戸町に移動して一般社団法人わのまちの設立背景や、ユースセンターとして取り組んでいることを木村さんから共有いただきました。
その後、実際に高校との連携プロジェクトでご一緒している小坂工務店さん、日本の窓さんからお話を伺いました。
その後は、わのまち・小坂工務店・日本の窓さんが取り組む高校生との連携や事業についてディスカッションを実施。他のエリアで取り組んでいるキャリア教育や高校生のインターンシップ事業についても意見交換を行いました。
大懇親会(18:30~21:30)
総勢32名(地域外からのギャザリング参加者10名、地域の方16名)の大懇親会!
この場でバリューシフトが日々一緒にお仕事をしている方々同士が繋がり、事業の相談が生まれるなど次なる展開も生まれていました。
2024/06/15(土)
八戸ツアー(9:00~10:00)
├産業、地理、歴史について各車に分かれて案内
リトリートセッション(10:00~12:00)
【テーマ④:学びを深める】
最後は二人一組になってお互いに対話の時間を持ちました。
2人1組で30分間のお散歩(対話)を2回実施しましたが、それぞれの人たちペア同士の対話をきっかけに、今回の学びを落とし込み、次につなげる大切な時間になりました。
参加者の声
前回のギャザリングの約束を果たす為に参加しました。 各団体の事例に触れ、地域の関係者との関係づくりをどうやって行っているかを把握できればと思い、参加しました。自分自身のキャリアについて考えることができてよい時間となりました。 次回はどこへ行けるのか楽しみにしています!受け入れていただいてありがとうございました!(チャレコミ5年目・コーディネート団体スタッフの方より)
ありがとうございました!八戸の地域の方々の笑顔や会話からバリューシフトさんが地域にいることの重要性を感じることが多かった2日間でした。地域に、地域の人に誇りを持ち、課題に向き合いながら前に進むバリューシフトの皆さんのファンになりました!またお会いできるのを楽しみにしています!(チャレコミ入会前・コーディネートスタッフの方より)
ホストの皆様、ありがとうございました!とても素晴らしい2日間を過ごすことができ、感謝感激です。まさに生態系が生まれている現場を見ることができ、自分の地域でも頑張ろうを思えました。と同時に、遠い道のりだと現実を自覚し、少々途方にくれています。あゆみを止めず、前を向いて頑張ります。鶴岡でもホストができるくらい成長していきます。(チャレコミ8年目・コーディネート団体代表の方より)
チャレコミ参加団体との交流、八戸のフィールドを実践者を介して見てみたく参加しました。自社の事業で目指す地域の挑戦の土壌が築かれた後の姿をイメージできた。バリューシフトはじめ参加者の皆さんと交流することができました。
改めてバリューシフトの皆様、2日間ありがとうございました。盛りだくさんなプログラムでしたが、特に抽象度高く概念的な話を存分に出来て、共通言語も多くて楽しかったです。また八戸にも伺いますし新潟に来られる際はぜひご連絡下さい!(チャレコミ入会前・コーディねと団体代表の方より)
受け入れてみての学び
みなさん、ギャザリングご一緒いただきありがとうございました。
みなさんのサポートのおかげで凄まじく良い現場が実現できました。これは、運営も参加者も関係なく、共に場を作った皆さまのご協力があってのことです。改めて、今回は八戸までお越しいただき、本当にありがとうございます!
バリューシフトという非言語の概念や世界観を、観光まちづくり会社だからこその現場力でお伝えしたい!その一心で、当日ぎりぎりまで現場の設計にこだわり続けました。私たちは、観光の語源である、「観国之光(国の光を観る)」という易経の言葉通り、複雑性の中から湧き上がってくるエネルギー(光)を体験・体感することが観光であると考えています。したがって、バリューシフトがこれまで耕してきたエコシステム(個人・組織・地域)それぞれがもつ光の源を辿りながら、たくさんのエネルギーを体感できる意味では今回のギャザリングは観光そのものであると考えます。この思想のもと今回のギャザリングは、木村が自分の事業の中で抱えている葛藤や、複雑で・流動的に動く八戸エリアのエコシステムがどう形成されているのかを表現したのが場の意図でした。
しかしそんな意図とは裏腹に、今回の受入れを通して、自分の場まわしの経験不足を感じました。
時間が押している中でどう伝えるか、文脈をきちんと伝えること。
普段から言語化することに逃げないことも大事だと思った。
やってみないとわからないことはたくさんある。瀬沼さんの「最初から支えすぎない、まずはやって経験してもらう。そのプロセスを応援する」というETIC.の原点で教わった経験の話はその通りだと思いました。でも当事者はしんどいというのも感じたし、失敗しても支えてくれる存在にありがたみも感じた。
自分の中にいくつかのモードを持つ。今の動き方だと意識しないとうまくいかない。わのまちとバリューシフトと個人と、それぞれの顔がある。それを場合によって使い分ける必要があると感じました。
さりげなく話す技術がすごく大切だと感じました。エレベーターのなかで話すとか、コンビニに連れ出してノリで誘うとか。コミュニケーションの技術も深掘りしてみたいなと思った。
視察に来ていただいたみやっこベースの早川さんの活動がロールモデルの一つで、その背景をしれたのはよかったです。早速翌日現場にお伺いしすることもできました。
自分の見ている世界が実現された世界や映像・絵を意識する。もっと妄想したいきたいと思いました。
自分自身、チャレコミが全てのルーツになっているのだと再認識しました。チャレコミの運営委員にも任命いただいたので、その役目をしっかり果たします。
また、今回受け入れを通して得た経験やみなさんとの繋がりを感じ、次回以降のギャザリング視察へも積極的に足を運ぼうとも思えました!
自地域の取り組みを他のコーディネート機関の方から言語化いただくことで、無意識に行っていたことやその価値を自分たちも再認識するとっても良い機会になりました。
今回来れた方も、来れなかった方も、みなさんで各地域の事例を共有し合えると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします!
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